自己紹介
僭越ですが、今更ながら自己紹介させていただきます。
私は非常に少食で、ご飯は平均三日に一回マイ炊飯器で炊く。それ以外の日は、そうめんやマルタイラーメンを茹でて食べる。
「さて、ご飯でも炊いて食べるか。」と仕込みに入ろうとしたが、ふと、思い出した。
「そー言えば、タバコ切れそうだから先にコンビニ行ってくるわ」
「ご飯を仕込んでからコンビニに行きなさい」
母の声が狭いアパート に響いた。
確かに、効率を考えたらそうであろう。
しかし私は、お腹が空けば空くほど、ご飯が美味しいと思っているので、ご飯が炊ける時間は遅ければ遅いほど良い。
つまり、空腹は最高のスパイスだったのである。
鬱の母を一人にできないので、兄から一緒に住んでくれと頼まれたのは去年の夏。
母と一緒に住み始めて一年一ヶ月が過ぎた。
母の年金は二ヶ月に一度十二万円支給されるが、それだけじゃ足らないので不足分は生活保護だ。
当初、別世帯という役場のウルトラCを使って一つ屋根の下、母と同居していたが、私の小指の神経が麻痺して箸も持てなくなったのは、今年七月の出来事だ。当然、仕事は辞めた。役場に相談したら、保護を申請しなさいと言われ、あっさり通る。
母は猫が大好きで、そのエサ代は、私の生活費を上回るが、そんなの気にしたこともないし、鬱の母を否定しようとも思わない。
一般的な基準から見ると私は貧しいと見えるかもしれない。しかし、私は霊感があるため、むしろ目に見えないものに価値を感じる。物質的な価値に左右されることはない。お金に執着したこともない。精神的な充実にしか価値を感じないのであれば、これは自然なことであるが、中々理解してもらえない。いや、理解してもらおうなどと考えたこともない。
外側から見える「貧しさ」とは異なる、内側の豊かさがあるからこそ、すばる文学賞の応募作品が書けるのではないだろうか。
言葉の芸術を表現できる私は足らないどころかむしろ満たされてるのであった。
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