歴史は繰り返される

おおよそ15年ぶりに、司馬遼太郎の新史太閤記を読み始めて僅か15ページで私の考察癖に火が付いた。信長、秀吉、家康と続く流れで、戦国時代を終わらせた事実を考えたら、まず織田家のような出来星大名の背景を深く掘り下げる必要があった。織田家の台頭には、応仁の乱という舞台装置が必要であり、この戦乱によって、家柄などの血統至上主義から実力制に変わったと言ってよい。わかりやすく説明すると、足利幕府から任命された貴族じゃなくても大名になれる新時代の到来である。
信長は、さらに専売制を廃止して、誰でも商売ができる新しい秩序を作った。既存の社会構造をぶち壊した功績は後世の歴史家も高く評価している。
その後の歴史を見てみると、ペルーの来航から15年で明治維新になり、開国後わずか77年と言う歳月で第二次大戦の終戦を迎えた。
そしてまたGHQによって特権階級が解体され、小作人が土地を持つようになり、日本の社会が高度経済経済成長を経て、日本国民総中流階級になった。
そして戦後から79年経つ。今まさに時代の転換点を迎えようとしている。
さて、今のこの時代に、既存の秩序を壊す要因があるとすれば、なんだろうと考えたときに、政治家と経団連の関係による企業優先の税制措置が不平等と感じる国民感情。
以下主観で申し訳ないが、減税して経済が右肩上がりになれば、東大卒の財務官僚の政策の失敗、つまりその「バカっっぷり」が、世間に露呈しまう。これは面白くないと考えるのが人情なのかもしれない。結局、増税の一点張りで、そのプライドを保持しているのではないか。もちろん、天下りによる役員報酬八千万円や、高級車に秘書付きの社会生活も東大卒のエリート意識を満足させるものと思われる。
ここでひとつ、そのバカっっぷりのケースを一つ紹介しよう。タバコ税を値上げする理由を考えてみて欲しい。タバコ税を上げれば、売り上げが下がって、税収は、横ばいか減収だ。しかし財務官僚はそんなの関係ないのである。増税したという実績で、引退後に天下りできるのだ。では経済効果を考えてみよう。タバコの消費が落ち込めば、生産農家、製造工場、物流、小売業にまで打撃を与え経済が縮小する。消費税増税で個人消費が冷え込むと、耳にタコができるぐらい言ってる令和の太郎の言葉を今回はタバコのケースでわかりやすく説明した。受動喫煙の被害については厚労省の健康局にお譲りしよう。

話が逸れすぎると軌道修正が大変なので、本題に戻るが、現代の日本社会は、過去の歴史と同じように、ある種の臨界点に達しようとしているのではないか。日本国憲法が通用しない無秩序な世界は、単なる仮説ではなく、過去の歴史が繰り返される中で現実味を帯びる可能性がある。そんな思いから、私はAIに次の質問をぶつけた。

「それでは質問です。日本国憲法が通用しない無秩序な世界が、たった今から始まったとしたら、政治家や財務省の官僚たちは、この日本国内で何時間生きることができるでしょうか?」

現代の日本社会の問題を象徴するかのように国民の怒りをAIが代弁していた。
結論、日本の歴史は破壊と再生の繰り返しである。政界の黒く塗り潰された構造は、令和の虎たちが政党を作ってJAPANを取っても解決する次元ではないのである。もはや政治家や官僚個人の問題ではない。制度そのものが持つ構造的な欠陥が、破壊と再生を繰り返す日本の宿命として存在しているのだ。

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