フリーランス・個人事業主の美容師が加入できる保険とは?
「フリーランス美容師はどの保険に入れるの?」「保険加入の流れはが知りたい」
フリーランス美容師に転向しようと検討中の方や、現在フリーランス美容師として働いてる方の中で、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
雇用されている時は、会社が保険料の一部を負担してくれていましたが、独立すると基本的に全て自己負担になります。切り替えの手続きも自分で行う必要がありますので、事前に流れをチェックしておきましょう。
1. フリーランス美容師が加入できる保険
フリーランスになったら、どの保険に加入すればいいのか気になりますよね。ここでは、フリーランスに転向後に、加入できる保険を解説します。
①国民健康保険
国民健康保険とは、社会保険やその他の組合に加入していない個人事業主やフリーランスとして活動する方、無職者などが対象の保険です。
国民健康保険の保険料は前年の収入で決まり、収入が増えるほど保険料は高額になるのが特徴です。ただし、保険者となっている自治体によって料率が異なるので、住民票のある市区町村のホームページで計算方法を確認することをおすすめします。
なお、国民健康保険は加入者の半数近くが年金所得者を含めた無職者、残りが農林水産業者や個人事業主とその家族などです。そのため、加入者の所得の平均が低く、中間所得層であっても保険料の負担が大きくなりがちです。
万一病気やケガなどで病院に行った場合の自己負担額は、社会保険と変わらず3割負担となります。
② 国民年金保険
国民年金保険とは、被保険者の種類に応じた保険料を納めることで、将来年金を受け取れる制度です。日本国内に住んでいる、20歳以上60歳未満の方で、厚生年金保険に加入していない方が加入の対象となります。
年金を納めることは国民の義務なので、加入しなければなりません。もしも保険料の未納が続くと、老後や万が一の時になってから後悔する可能性もあるので注意しましょう。
③前職の社会保険を任意継続
社会保険のある職場を辞めてフリーランス・個人事業主となる場合は、退職後2年間に限り、職場で入っていた健康保険組合(健保)を任意継続することが可能です。
任意継続の条件は、退職日までに2カ月以上その健保に加入していることと、退職日の翌日から20日以内に各都道府県の協会けんぽ、または各健保組合で手続きを行なうことです。
しかし、任意継続にすると、会社が半分負担してくれていた保険料は全額自己負担となります。
④家族の扶養に加入
配偶者や両親などの、家族が加入する健康保険の被扶養者になることも可能です。社会保険の扶養に入るには、年間の収入が130万円以下や被保険者の年収の2分の1などの条件をクリアできる方のみ対象です。
家族の扶養に加入すれば、保険料の負担が軽いメリットはありますが、「〇〇万円の壁」のように加入条件となる年間収入の上限が決められているので、自身の働くスタンスと合うかどうかで判断しましょう。
⑤美容健康保険組合|東京美容国民健康保険組合に加入
美容室などで働いていて、一定の条件を満たせば、次の理美容健康保険組合に加入できます。
・全日本理美容健康保険組合 全国の美容関連業全般の法人を対象
・東京美容国民健康保険組合 東京都内の事業所で美容の業務に従事している人(フリーランス加入可)
・大阪府整容国民健康保険組合 大阪府の事業所で理美容(ヘアサロン)業務に従事している人
ただし、全日本理美容健康保険組合と、大阪府整容国民健康保険組合は、フリーランスは加入できません。
2. フリーランス美容師が国民健康保険に加入する際の流れ
退職日から14日以内に、社会保険から国民健康保険に切り替える必要があります。
期限内に加入するのを忘れていたり、遅れたりすると、未加入の期間を遡って保険料を支払う必要があります。
また、未加入期間の医療費は3割負担ではなく、全額負担になってしまうので、注意しましょう。
保険切り替えの手続きは、お住まいの市区町村の窓口に必要書類を提出することで完了します。
①国民健康保険に加入する際に必要な持ち物
退職日が分かる以下の書類のうち1点
健康保険資格喪失証明書
退職証明書
雇用保被保険者離職票
本人確認ができる以下の書類のうち1点
マイナンバーカード
マイナンバー通知カード
運転免許証
パスポート
在留カード
世帯主以外の方が手続きを行う場合は、世帯主の委任状も必要です。
3. フリーランス美容師が国民年金保険に加入する際の流れ
国民健康保険と同様に退職日から14日以内に、厚生年金から国民年金に切り替える必要があります。
役所に行くタイミングで2つの手続きを同時に行えるので、必要な書類や持ち物を漏れなくチェックして、早めに準備しておきましょう。
また、60歳未満の配偶者がいる場合は、同じタイミングで配偶者も国民年金保険に加入する必要があります。
①国民年金保険に加入する際に必要な持ち物
退職日が分かる以下の書類のうち1点
雇用保険被保険者離職票
退職証明書
厚生年金資格喪失証明書
基礎年金番号がわかる以下の書類のうち1点
年金手帳
基礎年金番号通知書
本人確認ができる以下の書類のうち1点
マイナンバーカード
運転免許証
パスポート
在留カード
世帯主以外の方が手続きを行う場合は、委任状が別途必要となります。
3. フリーランス美容師におすすめの保険
フリーランスとして働く美容師さんにおすすめな保険を紹介していきます。
①フリーランス協会「所得補償制度」
フリーランス協会が提供している、さまざまな理由で働けなくなった場合の所得補償保険です。
美容室を退職したら、国民健康保険に加入する方がほとんどだと思いますが、国民健康保険にはケガや病気で働けなくなった場合の補償(傷病手当金制度)がありません。
よって、フリーランスとして働いている方は、ケガや病気で働けなくなった場合、所得を補ってくれる補償がないのです。仕事復帰ができる状態になるまで、収入が途絶えてしまうという事になります。
フリーランス美容師は、ケガや病気で働けなくなったときの収入をサポートしてくれる「所得補償保険」に加入しておくことをおすすめします。
②フリーランス協会「賠償責任補償」
フリーランス協会が提供している、業務遂行中のあらゆる事故による賠償の保険です。フリーランス美容師に起こり得るトラブルとして、顧客情報の漏洩・施術中の事故などが挙げられます。
万が一このようなトラブルが起こった場合に、支払限度額の範囲内で保険金を支払ってくれるのです。
賠償責任補償は、フリーランス協会に加入すると自動的に付帯する保険なので、別途毎月の保険料金を支払う必要はありません。
年間1万円から加入できるのでフリーランス美容師にはおすすめしたい保険です。
保険内容について詳しくはこちらから→https://www.freelance-jp.org/benefits
4. フリーランス美容師が保険に加入する際の注意点
各種保険に加入する際は、以下の注意点に気を付けましょう。
決められた期限までに加入手続きを行う
手続きに必要な書類の確認
任意の保険は、現在の自身の収入に応じて検討する
自治体によって保険料が異なるので可能ならば、負担額の少ない地域へ引っ越す
以上のような、注意点を意識していくつかの選択肢の中から自身に合った保険に加入しましょう。
5. まとめ
本記事では、フリーランス美容師が加入できる保険の種類を、加入手続きの流れや注意点も併せて解説しました。
前職を退職したら、期限までに保険加入手続きを行うことを忘れない事と、自身の働き方や収入に合った任意の保険も検討してみることをおすすめします。
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