フリーランスの美容師の年収はいくら?メリット・デメリットはある?
美容師の働き方には、美容室に雇用される・自分が美容室を経営するといった形式のほかにも、「フリーランス」があります。フリーランスになると年収の形態も変わるため、選択肢のひとつとして知っておくとよいでしょう。
そこで、今回は、フリーランス美容師の収入やメリット・デメリットを解説します。ぜひこの機会に自分の将来について考えてみてください。
1. そもそもフリーランス美容師とは?
フリーランス美容師とは、美容室などに雇用されず個人事業主として働く美容師のこと。おもに下記2種類の働き方があります。
1-1 面貸し・シェアサロン
美容室の一部のセット面を借りて自分のお客様に施術を行う方法です。
売上から、使用料や手数料のような形でサロンに手数料を支払い、余りは全て自分の報酬になります。
時間単位や売上からの歩合など、借りるための条件・手数料はサロンによって異なるので、条件を確認しましょう。
1-2 業務委託
サロンと雇用関係になるのではなく、「業務委託契約」を結んで働く方法。サロンのお客様に対して施術を行い、売上から歩合(40~60%前後)で報酬を得るという形が一般的です。
従業員になる場合に比べて自由度が高めではありますが、働けない場合は面貸し・シェアサロンと同じで保障がありません。
2. フリーランス美容師の人口はどれくらい?
日本の労働人口は6600万人、フリーランス人口は1119万人にも及びます。
そのうちフリーランス美容師は2023年時点で9万人弱で、これは美容師全体の人口50万人に対し、15%以上がフリーランス美容師という状況です。
多いか少ないか人によって捉え方が違うかもしれませんが、フリーランスで活躍している人は増加しているといわれています。
2-1 美容師として就業している人数は?
厚生労働省のデータによると、美容師として働いている人は35万1,060人(※2023年8月時点)。また、美容師の免許を取得する人も毎年1万7,000~8,000人近くいます。
カリスマ美容師時代のブームと比べると、一時期3万人以上が毎年美容師免許を取得していたので現在は7割ほどで、次世代の担い手が少なくなっている状況です。
3. フリーランス美容師の月収・年収の目安
フリーランス美容師の収入は、当然のことながら売上に大きく左右されます。また、売上に対する歩合もサロンによってまちまち。都会のほうが高給になりやすいなど、地域性もあります。
3-1 収入シミュレーション
では、フリーランス美容師の収入シミュレーションをしてみましょう。
【業務委託 売上80万円・歩合50%の場合】
80万×50%=40万円が月収です。年収にすると40万×12=480万円になります。
【シェアサロン 売上80万円・歩合70%の場合】
月収は80万×70%=56万円、年収は56万×12=672万円です。
なお、施術での売上以外に物販の売上に対する歩合や指名料、業務委託によっては目標達成手当などのインセンティブがつくこともあります
3-2 美容師全体の月収・平均年収との比較
ハローワークの求人情報からまとめられたデータによると、一般的な美容師の月収(求人に掲載されている月額賃金)は25.1万円。また、年収は全国平均で330.1万円です。
もちろん目安や平均なので、カリスマ美容師と呼ばれる人や人気店のトップスタイリストなど、もっと高収入を得ている人もいます。
しかし、前項の収入シミュレーションから考えると、フリーランスのほうが高額の傾向といえるでしょう。
4. フリーランス美容師が最高で稼げる月収はどれくらい?
フリーランスの美容師は、最大でどのくらい稼げるのでしょうか。ほぼ休みなく働き、毎日みっちりスケジュールが埋まっていて、1日6万円ほどの売上があるとした場合で計算してみましょう。
月の売上は6万×30日=180万円。そのうち報酬が70%だとすると、180×70%=126万円となり、月収は100万円を超えます。年収にすると1,512万円です。
ただし、あくまでも理論上の話であり、実際にそこまで毎日スケジュールが埋まるとは限りませんし、休みほぼなしで1年間働き続けることも難しいでしょう。実際の予約の埋まり具合は、7~8割程度と考えておいてください。
頑張り次第では、月200時間程度の労働時間で年収1000万円も目指せるでしょう。
5. フリーランス美容師のメリット
つづいて、美容師がフリーランスとして働くメリットを解説します。
5-1 初期費用やリスクを抑えられる
自分で開業する場合は莫大な費用がかかります。しかし、フリーランスの場合はすでにある美容施設を利用できるため、費用や失敗するリスクを抑えて始められるでしょう。
5-2 働けば働くほど収入アップ
基本給のようなシステムはなく、仕事をした分だけ報酬が手に入ります。働けば働くほど月収も高くなるでしょう。
毎日フルタイムで働くこともできますが、育児・介護などと両立したい人や、ほかにやりたいことがある人などは、自分で好きな時間だけ働くことも可能です。
6. フリーランス美容師のデメリット
一方で、美容師がフリーランスとして働くことには以下のようなデメリットもあります。あらかじめ頭に入れておきましょう。
6-1 収入が安定しない
フリーランスの給料は固定給ではないため、毎月これだけもらえるという保障がありません。働いた分だけ収入になる反面、働かなければ無収入です。病気やケガで働けなくなったり、思ったほどお客様が来なかったりすると、当然収入は少なくなってしまいます。
6-2 税金は自分で納める
雇われの場合は、税金が給与から天引きされるのが一般的ですが、フリーランスの場合は、自分で売上や経費などの計算をし、確定申告や各種税金の支払いを行う必要があります。自分でやるのが難しい場合、費用はかかりますが、税理士などに頼む方法も検討しましょう。
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7. まとめ
フリーランスの美容師は、働き方によっては十分高収入を狙えます。また、働き方の自由度も高いです。
しかし、必ずしも収入が上がるとは限らず、メリットがある反面、デメリットがあるのも事実。人によってはフリーランスという形態が合わない可能性もあるので、自分に合った働き方を慎重に検討してみてはいかがでしょうか。
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