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漢文訓読のための古典文法

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漢文を訓読していくために必要な日本語の古典文法(訓読文法)を、なるべく網羅的にまとめていきます。  古典文法と訓読文法はある程度は重なってはいても、異なっているところもあります。…
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2024年6月の記事一覧

助動詞編(1) 《る/らる》《しむ》《ず》~漢文訓読のための古典文法

*** 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.助動詞について序論本企画で扱う助動詞について  本企画で扱う助動詞は、漢文訓読においてよく現れるものに限定し、4回に分けて説明します。 ●助動詞編(1) 《る/らる》

助動詞編(2) 《たり/り》《き》~漢文訓読のための古典文法

***  【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.時を表わす助動詞について 時を表わす助動詞(完了・存続等を含む)として、古典文法においては《つ》《ぬ》《たり》《り》《き》《けり》《む》《けむ》など多数登場します。

助動詞編(3) 《ん/む》《べし》~漢文訓読のための古典文法

***  【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.推量の助動詞について 前記事において、時を表わす助動詞として《り》,《たり》,《き》《ん》をピックアップしました。うち、《ん》は、前三者と異なり、未来を表わし得る言い回

助動詞編(4) 《ごとし/ごとくなり/ごとくす》~漢文訓読のための古典文法

*** 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.《ごとし》活用と接続  《ごとし》は、漢字では《如》《若》か、再読文字《猶》(なほ~ごとし)に相当する助動詞で、意味としては単純明快、「~のようだ」と訳せば、大体それで