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漢文訓読のための古典文法

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漢文を訓読していくために必要な日本語の古典文法(訓読文法)を、なるべく網羅的にまとめていきます。  古典文法と訓読文法はある程度は重なってはいても、異なっているところもあります。…
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2024年5月の記事一覧

漢文訓読のための古典文法~はじめに~

 本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものですが、想定以上にボリュームが膨らんでしまいました。  そこで、要約版として一つの投稿にまとめました。まずは、次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております)。 本企画の目的 本企画の目的は、漢文を訓読していくために必要な日本語の古典文法(訓読文法ということにします)を、なるべく網羅的にまとめることです。  とはい

動詞編(1) 動詞の活用と接続~漢文訓読のための古典文法

【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。  想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.活用と接続 漢文訓読において、カ変、ナ変、下一段活用はほとんど用いられないので(次回で詳しく説明)、ここではそれ以外の活用、すなわち、四段活用、下二段活用、上二段活用、上一段活用

動詞編(2) 注意を要する動詞~漢文訓読のための古典文法

* * * 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) * * *  前回は、一般的な動詞の活用とその接続について述べましたが、今回は、一般論に従わなかったり、その他、注意すべき動詞について述べていきます。  発展的な内容を含むため

形容詞編 ~ 漢文訓読のための古典文法

*** 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.形容詞の活用と接続「ク活用」と「シク活用」  一般に、古典形容詞の活用には「ク活用」と「シク活用」があるとされます。  しかし、この二つの活用の違いは微小で、本質的に