
インドから世界を目指すクボタ
広大な畑を少人数で耕すために必要な機械がトラクターです。
そのトラクターですが、世界最大の市場はインドであることを知っていますか?
販売台数は年間100万台と世界全体の半数を占めており、インドは巨大市場なのです。

日本の農機メーカーのクボタはインドを起点に世界戦略を描いています。
2022年4月に子会社化したインドのトラクターメーカーを要にして、インド市場はもちろん、その先のアフリカ市場まで見据えているのです。
実はクボタは2008年にインド市場に参入していましたが、10年たってもトラクターのシェアは数%でした。
理由はインドではトラクターは農作業以外にも使われているからです。
インドではトラクターは荷物の運搬にも使われることが多く、クボタが得意な軽量タイプは牽引力が足りずに苦戦していたのです。
そのため、現地のトラクターメーカーで海外展開が遅れていた企業を子会社化することでインド市場で求められる商品を展開できるようにしたのです。
クボタはインドを新興国向けの生産拠点にしたい考えです。
今後成長が期待されるアフリカへの輸出拠点にもしていくとしています。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF017RK0R00C24A2000000/
アフリカの食料需要は2050年には2010年から約2.4倍に拡大するとされ、農業関連市場は2030年には約150兆円に達するという予測もあります。
逆に北米や欧州は生産量が需要量を上回るため、今後はアフリカやアジアで存在感を高めることが求められます。

成長が期待される地域を逃さないためにクボタは現地メーカーを買収したわけですし、今後インドを拠点にしてアフリカにも進出するという戦略は納得できる点が多いです。
すでに欧州や北米に進出しているクボタはラストフロンティアにも進出することで全世界でビジネスを展開することができます。
世界最大の農機メーカーであるジョンディアは大型の農機に強みを持っていますが、小型の農機はクボタに強みがあります。
インドやアフリカ各国のように広大な農地がない地域では小型農機の需要があると思いますし、インドのように農業以外の使い方をされる農機の製造もできる企業だと思っています。
クボタのHPにある「130周年サイト」のページでは以下のようなメッセージが掲載されています。

食料・水・環境という地球規模の課題に対して取り組むクボタを個人的にはとても応援したいです。
※クボタの熱い思いを感じることができる130年周年サイトについて以下に掲載させていただきます。