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WWD JAPAN

シャネルの新デザイナー就任の舞台裏についての記事を楽しみに買ったのに、記事の内容ペラペラやんけ!


と、年末にも関わらずクレームすることをお許しください。


だって、ほとんどがこれ読まずとも知り得た内容ばかりだったもので。。
せめてマチュー以外の有力候補だった2人の名前だけでも推測でもいいから挙げてほしかったです。


素人の個人的な予想では、セリーヌを退任したばかりのエディ・スリマンと、先日メゾン・マルジェラの退任が発表されたジョン・ガリアーノが他の有力候補だったのではないかと推測します。


ビジネス的には、カリスマ性のあるエディ・スリマンが最もシャネルにフィットしそうでした。

近年のシャネル復興の立役者として長年メゾンのデザイナーを務めたカール・ラガーフェルドがその才能に惚れた人物でもあります。
(カールは、エディのデザインしたDior HOMMEのスーツを着る為に、実に40kg以上!のダイエットに成功しました)

シャネルのレガシーを尊重しながらも自身の色でメゾンを染め、就任と同時にメンズを立ち上げて売上規模も倍増という青写真が描けそうなキャスティングに映りましたが、やはり長年ウィメンズのファッションにおいては最高峰に君臨するシャネルとしては自身もウィメンズは苦手と公言しているエディをデザイナーに据えること対して最大の障壁となったのかも知れません。

ジョン・ガリアーノは、現在のモード界において、そして特にオートクチュールにおいては最もデザイナーとしての才能に溢れた人物だと思います。

過去に起こした公衆の場での差別的発言により一度はモード界を追放されましたが、メゾン・マルジェラのデザイナーという与えられたチャンスに全身全霊で応えるようなコレクションの数々は、メゾンのビジネス志向が全体に蔓延している現在のモード界において希望の星のような存在となっていました。

ただ、ガリアーノの造り出す唯一無二のクラシカルでスペクタルな世界観は、「シンプルで着心地が良く、無駄がない」独創的なスタイルを次々と生み出しそれまでの時代で美の象徴とされていた貴族的エレガンススタイルを葬り去ってきたガブリエル・シャネルのスタイルとは対照的にも思えます。


そこで新しい才能, マチュー・ブレイジーに次世代のシャネルを託したのかも知れません。

マチューはブリュッセルのラ・カンブルを卒業後、ラフ・シモンズのメンズコレクションのデザイナーとしてキャリアをスタート。その後、メゾン・マルジェラにて「アーティザナル」(オートクチュール)ラインのデザイン、そしてウィメンズのレディ・トゥ・ウェアのデザインに携わります。2014年にセリーヌのシニア・デザイナーに就任し、2016年から2019年まではカルバン クラインで再びラフ・シモンズと共に仕事をしています。そして2020年からボッテガ・ヴェネタのRTWデザイン・ディレクターを務め、2021年11月に同ブランドのクリエイティブ・ディレクターに就任しました。

こうして並べてみると、もの凄いキャリアです。

デザイナーズブランドやオートクチュールでの経験もあるし、ラグジュアリーメゾンはヨーロッパだけでなくアメリカ(カルバン クライン)でも仕事しています。

その上で獲得したボッテガ・ヴェネタでのクリエイティヴ・ディレクター就任後は、ブランドとしてもデザイナーとしても常に業界から注目され続けるようなカッティングエッジなコレクションを連発していました。

カールが得意としていたようなアイコニックな演出もできるし、フィービーのような玄人を唸らせる服作りもできて、ラフのようにカルチャーにも通じた面も感じられます。

とは言え、マチュー・ブレイジーのシャネル新アーティスティック ディレクター就任のニュースには驚きましたが、他にも候補がいる中でまだ40才と若いデザイナーを抜擢したシャネルの決断はあっぱれだと思いますし、経験豊富で聡明なマチューが導くこれからのシャネルはどんなものなのかと今からワクワクします。

あ、それと余談ですが、今回のWWDのメインの特集であるウィメンズ・リアル・トレンドには全くこれっぽっちも興味がないです。

ごめんなさい。

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