癒えない傷
私には少し前から治らない傷がある。気が付けば怪我をしているらしくていつの間にか
絆創膏で覆われている。
なぜ曖昧なんだ?誰だってそう思うだろう。
覚えていないのだ。一つも記憶にない。
何でけがをしたのかわからない。なんで大きな絆創膏が貼られているのかわからない。
何があったのだろうか、きっと犯人は私だろうなと楽観的に考える。
記憶がないのだ、どうしようったってどうもしようがない。仕方がないんだ。
あきらめることにした。
記憶のない間の私はきっと私じゃない誰かかもしれない。
私であり続けなければ
偽ってでも
私は私。私しかいないんだから。