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名前

今頃は乗る予定だった飛行機も飛んだ事だろう。
成田経由だったから東京まで行って1人ぶらぶらしてもよかったけれど、今東京に友人もおらずダークサイドに落ちたダースベイダーだから旅行する気分でも無し。飛行機に乗るのはやめにした。


初めて彼に会った日に
不安?身分証明書見せようか?と言われた。
金銭の要求をされてるわけでも無し、なんだか変なの、と思いそこまでしなくても大丈夫ですよ…と、お断りした。
オンラインゲームでの名称で呼ばせてもらっていたけれどその後何回か名前を聞いてみたが
まあ、いいじゃないの。と。
最後まで名前は分からず仕舞い。
私は誰に抱かれていたのだろう。

床の上では自信ありの彼にイけないとは言えなくて若干の演技をおり混ぜつつセックスをする。スキンシップの少ない彼に不満は募る。でも言えない。

2度ほど会った後、自分の気持ちと相手のスタンスのズレに耐えきれずちょっとキツイんです、と切々と綴って連絡すると既読無視のまま、パタリと連絡は途絶えた。

ディスカッションもさせてもらえない。
面倒なんだろうなあ。ただの便所女だもんね。
あまりこちらから連絡はしないようにしていた。
物分かりの良いフリをしたいんだろうなと自分で思う。

彼がホテルから出ては泣き、帰りの飛行機に乗っては泣き。40代前半はこんな感じ。

私は自宅の窓から外の天気を見ているのが好きだ。それも晴れているより荒れた天気の方がより好きだ。今は雪が沢山降っている。ホワイトアウトぐらいになってくれれば良い。今日の気持を隠してくれる位に。

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