ゴルフレッスンプロの教え間違って理解していませんか? ~③アプローチ編~
ゴルフを初めたばかりの人にとって、教えてもらうことはとても大切なことですが、間違った理解をしていては思うように上達できません。
この記事では、私自身が5年以上レッスンに通い、プロから教えられたことを自分なりに理解していった過程を踏まえて、少しでもスコアアップにつながるように解説していきます。ゴルフが上手くなりたい人にとって、必読の内容です。
☆今回は「アプローチ編」です。以下の記事も読んでいただけると更に理解が深まります。よろしくお願いします。
目次▼
ドライバーを真っ直ぐ遠くに
フェアウェーウッドで距離を稼ぐ アイアンで狙う
アプローチでピタッと寄せワン
ロングパットとショートパット 上手になってスコアアップ!
1 アプローチショット・・・打ちたくないわぁ
実は「2.フェアウェーウッド・アイアン編」からこの記事を書くまでに、随分と時間がかかりました。その理由は、全くアプローチショットが打てなくなっていたからです。
一応の打ち方や理論はレッスンで習っていましたから、そこそこ打てていたのでみなさんのお役に立てる記事が書けるだろう・・・と思っていたのですが、突然、それも長い期間にわたってアプローチショットが上手く打てない時間が続きました。どうして打てなくなったのか?そこからどうやってまた打てるようになっていったか?そんなお話がやっと書けるようになりました。
当然ですが、この時期にレッスンプロに一番質問して、一番教えてもらっていたのがアプローチショットでした。それでも一旦失敗の記憶がすり込まれると、なかなかダフりやトップのイメージから抜け出すことができません。常に(アプローチショット・・・打ちたくないわぁ)と思っていました。いわゆるアプローチ恐怖症です。
「アプローチショットは小さな振りですから、どうしても手元が緩みがちになったり手打ちになったりします。ややフェースを開いて、振っても飛ばないアドレスにしておいてから、思い切って振り抜きましょう。」
何度言われてもできない・・・特に「手打ち」という言葉を誤解していたことが最大の原因だったのですが、それまで「手打ち」と呼ばれる打ち方についてどんな誤解をしていて、どんなに間違った練習をしていたかについては後述することにして、まずはアプローチショット全般に関するお話をしてみましょう。
さて、一言でアプローチショットとはいいますが、みなさんにとっては、何ヤードくらいからがアプローチショットだと思いますか?
ルールブック等には何ヤード以内のショットのことをアプローチと呼ぶという明確な定義はないようですが、一般にアプローチというとおよそ50ヤード以内を呼ぶのが一般的のようです。でも私はピッチングウェッジ以下のウェッジクラブでフルショットできない距離がアプローチショットだと思っています。(90ヤードならば54°でフルショットできるけれど、80ヤード前後となると54°では大きいし58°では届かないし・・・)こんな場合のショットは、私にとってはアプローチショットです。要は「手加減して打つ」距離です。
ん? 手加減?・・・。そう、この考えこそがそもそも間違っていたのです。
2 アプローチを打ち分けられるか?
アプローチショットでよくいわれているのがランニングアプローチ、ピッチ&ランとロブショットですね。ランニングアプローチ(上図①)は7~9番アイアンやピッチングウェッジで転がせて行く打ち方。ピッチ&ラン(上図②)はウェッジなどでキャリーとランを5:5くらいで寄せる感じ。ロブショット(上図③)はフェースを開いてアウトサイドインに振ってピタッとボールを止める感じでしょうか。
では、これをすべて打ち分ける必要があるのか?と言えば、決してそんなことはありません。砲台グリーンならばランニングアプローチは使えませんが、要はそのグリーンの形状やボールの置かれた位置などの状況に即して一番簡単な打ち方を選べばよいだけです。プロはボールをピン側でピタッと止めるために58°のウェッジでバックスピンをかけて打ちますが、短い距離でクラブを上から強く打ち込んでバックスピンをかけるには相当な技術が必要です。ですから、素人の我々が何でもかんでもアプローチはウェッジと決めつけるのもあまりよろしくないのかもしれません。
3 アプローチが苦手な人は何を考えている?
苦手な人は、アプローチが上手になるヒントを何とか見つけようともがきますよね。オープンスタンスでとかフェースを開いてとか、ボールは右足よりとか顔を上げないとか・・・教えられたりレッスン動画を見たりして知識だけは増えていくのですが、なかなかすぐには上手くはなりません。
また、プロから「アドレスが決まっていないうちに打ち始めるのがよくないのです」と言われた時は(そんなに早打ちはしていないけどなぁ)と何が何だかわからなくなっていました。
私を含め、アプローチに苦手意識を持っている人は往々にして「ボールをふわっと上手に浮かせるように打とう!」と考えているものです。つまり、オープンスタンスにしてみたりフェースを開いてみたりしながらも、最終的には無意識のうちに下の図のような非常に狭いところを狙っているのです。
ショットの基本は「その場でできる最大限に簡単な打ち方で打つ」ことですから、わざわざ難しいことに挑戦し、失敗して心が折れているのです。プロにはよく「ピッチングウェッジ以下のクラブは、ダフるようにつくられているのですから、手前でダフらせとけばいいんです」と言われていました。(ではダフらせよう!)と手前を打とうとするのですが、無意識のうちにウェッジの歯を上の図の赤い線にきれいに入れようと狙っているのか、大ダフりやトップは直りません。
こうして努力すれども結果の出ない苦難の日々が続いていたのですが、ある時「最大限に簡単な打ち方」という言葉を念頭において、教えられたことを整理しながら打ち方を変えていった結果、様々なことが整合性を持って理解出来るようになってきました。理解できれば練習方法が見えてきますし、ウェッジの打ち方がわかってきます。今回のアプローチ編はそんなお話です。
4 アプローチショットの最大の敵
アプローチショットでミスが出る最大の原因は「緩み」です。打つ瞬間に手加減しようとすると必ずショットの瞬間に緩んでしまって手元に緩みが生じます。こうなると、クラブヘッドがトーダウンしてしまってボールにまともに当たりません。
クラブの重心はヘッドにありますから、グリップが緩めば必ずトーダウンします。長いクラブの時はボールを打つ瞬間まで力は抜かないのに、短い距離になると手で距離を調節しようとする心理が働く結果、グリップが緩みがちになります。ですから、アプローチショットの最大の敵「緩み」をなくすにはグリップをギュっと握ることです。
つまり、クラブを振っていく時の敵は人の身体の構造に潜んでいるのです。人の関節は末端に行くほど器用に動きますから、指先や手首などはある程度自由自在に動いてくれますが、この器用さがアプローチの邪魔をするのです。アプローチの時だけは、手首と指の関節は動かないように固定することが重要です。
プロから「インパクトの時に緩んでいます」と指摘されると身体全体に力が入って思わぬトップになっていたため、「ゆるむ」と「りきむ」の中間の力のいれ具合を探ってアプローチの練習をしていましたが、全くの見当違いでした。「固定するのは手首と指先だけ。肘、肩、腰はゆったりと動かす」が一番簡単な打ち方である事に気づければ、一段階上のアプローチショットが打てるようになります。
5 理屈に合わないことをするからミスをする
とにかく、力加減をしていては安定したショットは望めませんから「オープンスタンスで構えフェースを開いて打つ」といった、飛ばないアドレスにしておいてしっかりボールを打つというアドバイスは的を射ているのです。そこまでわかっているのに、本番ではなかなか上手く打てません。練習場ではそこそこ上手く打てるのですがコースに行くと失敗ばかり・・・。練習場で上手く打てる理由は練習場の打席にある人工芝のマットがバンスの滑りを助けてくれるからなのですが、実際のコースの傾斜や自然の芝相手ではどうも上手くいきません。自信がないので思いきり打とうとしてもどうしても「ゆるみ」と「りきみ」を行ったり来たり。もう自分が嫌になってきていました。
そんな時、プロが「アイアンショットやパターのときは、しっかりアドレスが決まってからよどみなく打てるのですから、アプローチも同じようにすればいいのです」とアドバイスを受けました。(そういえば、アプローチショットだけ特別な打ち方をしようと難しく考えていたのかも・・・)と気がつき、もう一度アドレスからショットまでを振り返ってみた時に光明が見えてきたのでした。
アイアンを打つ時には、以下のように打っているはずです。
① 打ちたい方向に足が向いているかを確認し、ハンドファーストに構えてからインパクト時に真っ直ぐボールが当たるようにクラブのフェースを打ち出し方向に合わせる。
② テイクバックは肩の回転で、そこから背骨の軸を意識しながら腰を回し左腕を上げていく感覚でトップをつくる。(この時、意識しなくても手首は自然とコックをつくっています。)
③ クラブを振り下ろす時は、最初に腰の回転から始動し、手首のコックはなるべく保ったままの意識で、クラブを握っている左手を引き下ろすような感覚で振る。
ところがアプローチショットとなると・・・
① ハンドファーストにして、オープンスタンスでフェースを開いて構える。(私の場合は右利きですから、ピンより左に身体が向いていて、反対にフェースはピンの右を向く方向に合わせている構えになっています。)
② 背骨の軸を意識しながら腰を回し左腕を上げていく感覚でクラブを上げていき、打ちたい距離にあわせた振り幅でトップをつくる。(アプローチでは自然にコックがつくれないので、意識してコックをつくります。)
③ 手打ちにならないようにコックをほどかないことを意識しながら腰を回し、手というよりは身体全体でクラブを振っていく。
・・・すると、大失敗です。
まるでアイアンショットと違うことをしているから失敗するのだと気づきました。
まずはハンドファーストの構え。ハンドファーストはボールを遠くに飛ばすための構えです。ハンドファーストにするとエッジが立ちますから腰の回転が先行しないと地面に突き刺さってしまいます。アプローチのような小さな振りでは腰の回転は小さくなりますからどうしてもダフりの原因になります。「飛ぶ構えにしておいて、飛ばないようにオープンスタンスでフェースを開いて飛ばないようにする・・・」そりゃあ上手くいかないわけです。
次にコックの問題ですが、
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