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好きな気持ち
noteの他の方の記事を読んでいて、ふと頭によぎった。
私あのうた好きだったなぁ。
何だったっけ?
記憶を辿りながら検索してたら出てきました。
多摩川にさらす手作りさらさらになにそこの児のここだかなしき
万葉集の東歌である。
子供の頃、国語の時間に和歌を教わるけど、私はその中でもこの歌が1番好きだった。
遠い昔の記憶がふと湧いてきて、何だか胸がときめいてしまった。この歌が好きで好きで何度も音読していた。その時の気持ちが蘇ってきたのである。
何が好きって、やっぱりこの響きが本当に素敵!この歌の意味はこんな風なのだそうだ。
多摩川に曝す手作りの布のように、さらにさらにどうしてこの子がこれほどいとしいのだろう。
(奈良県立万葉文化館の万葉百科より抜粋)
爽やかな恋心。響きもこの恋心のようにとても爽やかである。音読してみると分かると思うけど、癖になる。何度も言いたくなるのである。
ただただこの響きが大好きで、この歌が1番好きになった。
子供の頃に好きだったものって、大人になってすっかり忘れていても、心のどこかに残っていて、何とも懐かしい、温かい、嬉しい記憶なのだなぁと、今回改めて感じた。
生きていれば、「好き」はどんどん増えていく。
けれど大人になって、あれこれ忖度したり、世間体を考えて、「好き」を大事にできなかったり、忘れてしまったり、そんな現代日本人はいっぱいいるかもしれない。「好き」だけでない。「嫌い」もそう、要するに社会人として生きていくには「感じる心」を大切にするのがなかなか難しくなってしまう。私もそうだった。
けれど、最近「頭」ではなく「心」に寄り添って生きること。「心」を主体にして生きていくことが、人生をより良く、素敵にしてくれるのだということに気づいたのだ。そして、そうやって生きていこうと決めた時に、どんどん子供の頃に「好き」だったものが、ふつふつと心に湧いてきて、私をときめかせてくれるのである。
私はこの「好き」をひとつひとつ抱きしめながら生きていきたい。
大好きな東歌を思い出させてくれた記事にも感謝します。