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[小説]1日1題[オリジナル]

『書く習慣』というアプリで毎日書いているものを気が向いた際にまとめて投稿していきます。

#最悪

どうしよう。バレた、バレてしまった。

この想いだけは絶対にバレたくなかったのに。

昨日まであなたは気づいていなかったのに、、。

誰?誰が教えたの?私の想いを知っているのは、あの子たちだけ。彼女たちが教えたの?
信じてたのに、、。友達だと思っていたのに。

あぁ、本当に最悪だ。

その日、私は親友たちと恋心を一遍に全て失った。

6月6日


#世界の終わりに君と

もしも世界が明日終わるとしたら何がしたいかって?
随分とありきたりな質問だね。
まぁいいよ、暇だから答えてあげる。

そうだな、きっと僕は最期の時まで実感が湧かなくて、普段通りの日常を送るだろうさ。
朝起きて、朝ご飯を食べて会社に行って。仕事をして、お昼ご飯を食べてまた仕事。仕事が終わったら、家に帰って夕飯を食べてお風呂に入る。

あ、そうだ!お風呂から上がったら君の家に行ってあげる。
それで一緒のベッドに潜り込んで、手を繋いでお休みを言い合うんだ。そしてそのまま眠りにつく。

本当に世界が終わるなら、最後の時は君と一緒に居れたらいいな、って思うよ。

はは、何、顔を赤くして照れてるのさ。君が言ったんだろ?世界が終わるとしたら、何がしたいかって。

6月7日


#岐路

幼馴染のあの子とついに離れる時が来た。

寂しいから一緒に横を歩んで欲しい。手を離さないで欲しい。

それが本音ではあるけれど、あなたは未来を向いてキラキラと目を輝かせているから、私のこの気持ちは自分の中で蓋をする。

大丈夫、背中を向け合うわけじゃない。きっとまたいつか道の先で出会えると信じているから。

ねぇ、そうでしょう?

6月8日


#朝日の温もり

来る日も来る日もにこにこしているあなた。

私とあなたが出会ってから長いけれど、あなたの怒っている姿なんて見たこともない。

いつも微笑みを絶やさずにいるあなたに、なぜそんなに笑っていられるのかを聞いたこともあったわね。

そんな問いに対するあなたの答えは至極単純で。

『笑っていると周りに笑顔が溢れるから』、だったかしら?

その時の満面の笑みを見て、きっと朝日の温もりのような人柄というのはあなたのような人のことを言うのねと感心したわ。

でもね、悲しい時は、苦しい時は、辛い時は、怒りたい時は無理をしてはいけないわ。無理をしたらきっとあなたが壊れてしまう。笑顔になれなくなってしまう。

何があっても私はあなたの味方になるわ。それだけは忘れないでね。

だって私はあなたの親友、なんだもの。

6月9日


#やりたいこと

やりたいこと、やりたいことってなんだろう。

今まであれがやりたい!これがやりたい!なんて思ったことは無い。
今まで僕がやってきたことは、やりたい事じゃなくて、やらなきゃいけないことだった。

やらなくちゃ、お父さんに怒られた。お母さんには泣かれた。お姉ちゃんには呆れられた。

そんな僕がやりたいことを見つけるなんてできないと思ってた。
それでもね、きっと心の奥底にはあったんだよ、やりたいこと。

ははは、だからね、今日は人生で初めて自分がやりたいことをやってみたんだ!

こんなに気分が昂揚したのは何時ぶりかな。もしかしたらこの気持ちも初めてだったかもしれない。

だからね、こんな結末になったけど僕に後悔は無いんだよお巡りさん。

そんな笑顔の少年の周りには血の海が広がって、顔も服も血飛沫で汚れていた。

6月10日


#街

街は活気づいていてとても騒がしい。

けど僕はそんな騒がしいこの街が嫌いじゃない。むしろ好きだと言えるかな。

この街での人々の営み一つ一つがとても愛おしいんだ。

毎日どこかで赤ん坊が産まれて、人が死ぬ。
ものを売る人々と買う人々。
未来を向いて歩き始める人と、過去だけを見て立ち止まる人。

あっちでは男達が喧嘩をし、こっちでは女達が立ち話。

働く子供に遊ぶ子供。

こっちで結婚式があるかと思えば、そっちでは別れ話をする夫婦。

どれもこれも僕の愛する街の一風景。僕の身体の上のひとりひとりが紡ぐ人生という名の物語。

仕方ないな。僕はもう一眠りするとしようか。

おやすみ僕の愛する隣人たち。また何時か僕が起きた時にはまた僕に愛されて。

――これは誰も知らない竜の独り言。

6月11日


#好き嫌い

君は幼い頃、そこらに咲く野花を手折っては、すき、きらい、すき。なんて花占いをよくやっていたよね。

あれを見る度に僕は、そんな事をするくらいならすぐ横にいる僕を見ろよ、なんて思ったっけ。ちゃちなプライドが邪魔をして言えなかったけど。

そんな君が今日、祝言をあげる。

君の花嫁姿は、なんとも言えないくらい眩くて
儚げで、今にも妖精に攫われてしまいそうなくらい美しくて、僕は息を飲んだ。

君の幼い頃の口癖は「あんたなんか大嫌い」だったけど、今日こそはその言葉を撤回してくれよ?

僕の愛する花嫁さん

6月12日

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