
死ぬまでに見ないと絶対に損する映画(5)「風の谷のナウシカ」〜深い感動を得る作品
前回は、ラストシーンが好きということで「耳をすませば」を紹介しました。
前回、ジブリ作品は、全部好きなので、1番を決められないと言いました。
今回は、深い感動を得る作品ということで、「風の谷のナウシカ」を選びました。
その理由は、やはりラストシーンです。
以下、ネタバレになります。失礼します。
ナウシカは、村人を守るため、向かってくるオウム群れの前に立ちます。
死を覚悟しています。
毎回、ここで深い感動をおぼえます。
涙が浮かんできます。
じつは、私も、似た経験があります。
この時、私の気持ちを見抜いた人がいました。
自分のすべてを理解してくれている人がいる、それがどれほど深い感動か。言葉にできません。
このナウシカの行動が、自分を犠牲にするだけではないことも深い感動につながっています。
ナウシカの行動が、自分を犠牲にするだけなら、自分の命で人々を救う美談のようになります。それだけでは、悲しみがあります。ナウシカは、そうではありません。
最初のシーンで、怒っているキツネリスに指を噛まれます。ナウシカは、キツネリスが怯えているだけだと見抜いており、あたたかい心で接します。するとキツネリスは怒りを沈め、噛みついたナウシカの指を舐めます。
さらに、怯えているキツネリスと同じように、暴力的なクシャナという大国の皇女を敬服させます。
なぜでしょうか。
それは、ナウシカの深く広い心、すべてのものへの愛情です。それは、人間を蝕む森、森の蟲にも及びます。
ナウシカの愛情は、怒り狂うオウムの群れをも静めるのです。
ナウシカの深い人格が、この映画が深い感動を呼ぶのだと思います。
私は、自分の生活圏、仕事や家族、友人関係において、ナウシカのように生きたいと考えています。
人は、いろいろな人がいます。意地悪な人もいます。おかしな人もいます。それでも、ナウシカのように、深く広い心で包み込めるようになりたいと思っています。
何か、自分に悪いことをしてくる人がいたとしても、笑顔で対応できる人間になろうと行動しています。
現代において、人間は、基本的に、他人が怖いのだと思います。キツネリスやクシャナのように他人に怯えているのだと思います。それだけ、殺伐としています。社会に余裕がないのだと思います。ストレスが多いのだと思います。
それは、人とのつながりが希薄になったためだと思います。人々は孤独になり、そのため、他人におびえています。
私が、幼少のころ、昭和の時代は、もっと家族や地域のつながりが深かった。人々は、弱い人を助ける心がありました。
しかし、意地悪な人に怒っていたら、その人と同じレベルになってしまいます。
私は、怒っている人が落ち着けるように、先回りして、相手が喜ぶことを考えます。
それは、言われたら喜ぶ言葉です。「お疲れ様です」は紋切り型です。そうではなく、「大変でしたね。疲れたでしょうね」と言ったほうが心に響きます。自分のためにしてくれたことは、どんな小さなことでも、「◯◯、ありがとうございました」と言います。
こうした知恵は、ナウシカのように生きたいと思ったときから、そうなりました。
ご存知だと思いますが、「風の谷のナウシカ」には、漫画版があります。全7巻の大作です。こちらは、映画とは、まったく違います。かなり深い意味のある内容になっています。この漫画の解説だけで、本を書けます。実際に、そうした本がたくさんあります。
いつか、漫画版のナウシカの思考すべきテーマを整理したいと思います。
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