仏教用語に学ぶ現実生活を生き抜く知恵(3)「善知識(ぜんちしき)」〜よき友人がいることが最高の幸福
「善知識」を辞書でひくと、こうありました。
仏教用語。勝友,善親友,知識などと訳される。もとは「善い友人」の意。正法を説いて人を導き入れ,仏道に精進させて解脱させる賢人のこと。
また、ある時、釈尊の弟子・阿難(あなん)が「善き友・善き仲間と共にあることは、仏道修行の半ばを成就したに等しいのではないでしょうか」と、釈尊に質問しました。すると、釈尊はこう答えたと伝えられます。
「いや『半ば』ではありません。仏道修行の『すべて』です」
他にも、ハーバード大学では、一九三八年以来、八十年以上、多くの家族を、世代を越えて科学的に追跡調査し、「健康で幸福な人生を送るための要因」について探究を続けてきました。
その最も重要な知見は、「よい人間関係が必要だ」という一点でした。
よい友人、よい家族、よい地域の関係、よい職場の人間関係こそ、人間の幸福です。
これは、アメリカの心理学の幸福学という学問においても結論が出ています。
しかし、先進国では、人間関係が希薄になっています。
家族でさえ、会話がなくなっています。
友人といっても、スマートフォンのSNSでやりとりすることが中心です。
日本を含む、先進国の家族、地域、職場、学校等の人間関係は、とても薄くなっています。
なぜでしょうか。
私は、豊かで便利になると、スマートフォンなどで、一人で遊ぶなど、他人と関わらなくても時間を過ごせるためだと考えています。
私が幼少のころは、家にテレビが1台しかなかったため、家族全員が一緒に夕食を食べながらテレビを見ることが、一日で一番楽しい時間でした。
しかし、一部屋に一台ずつテレビが置かれるようになり、スマートフォンになりました。
こうして、家族はバラバラになりました。
「happyーしあわせを探すあなたへ」というドキュメンタリー映画があります。
YouTube、アマゾン・プライム・ビデオで見ることができます。
この映画では、テレビもお金もない、貧しい国の人のほうが、家族や地域のつながりが深く、幸福であると描かれています。
実際、フィリピンが、世界の幸福度調査で1位になったことがあります。
また、多くの現代人は、お金があること、楽しいことが幸福であると勘違いしています。
そして、豊かで便利な先進国の人々は、他人と関わることが面倒になっているという面もあります。
これは、よい友人、よい人間関係こそ、人間の幸福であると理解した人は、自分で変えていく必要があります。
私は、気の合う友人と定期的に会って食事しています。とても大切な時間です。
また、中学の部活動の同窓会の幹事をしています。同窓会のおもしろいところは、会うと、中学時代にタイムスリップすることです。なぜか、50代のおじさんが、中学生になります。やってみると、病みつきになります。
もちろん、家族との時間を大切にしています。
「善知識」という、よい友人の反対語である、「悪知識」という、悪い友人がいる場合があります。
すぐに、縁を切ったほうがよいです。
どんなに長い付き合いであったとしても、家族であったとしても、縁を切らなければ、あなたは幸福になれません。
勇気を出してください。
あなたが幸福になれることを祈っております。
よろしければ、サポートをお願いします。いただいたサポートは、読者の皆様に喜んでいただけることを書くため、誠実に使わせていただきます。