ココロ(16)
親に電話した。
通じない。
二時間後、親の電話から着信があった。
電話に出ると、椅子に座ってしばられ、さるぐつわをされた両親が映った。
「身代金とアンドロイドの廃止を要求する」
「身代金はいくらですか」
「10億ドル」
「わかりました。しかし、アンドロイドは、私のものではありません。廃止しろと言われても、できません」
「では、殺す」
「では、私が、一人で、そこへ行きます。できる限りの努力をします」
「わかった。待とう」
親の電話から場所はわかっていた。
一番近い場所にいた五体のアンドロイドのボットを細い線のような形にして、誰にも見えないように親のもとへ向かわせた。親を守るためには、とにかく急いでボットを向かわせなければならない。
敵の武器は拳銃やマシンガンであり、五体のボットで十分守ることができる。
数分でボットが親のもとについた。
二人の親の周りをボットが包み、そのまま移動していく。
敵が拳銃を撃っても、マシンガンを撃っても、さっさと外へ出て行く。
外へ出ると、ドローンが降りてきた。そのドローンに、親を包んだボットが乗り、飛んでいった。
親をセーフハウスに保護した。
私の会社は、世界中のあらゆる街にセーフハウスをもっている。
親には、無人島のセーフハウスにしばらくいてもらうことにした。
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