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仏教用語に学ぶ現実生活を生き抜く知恵(1)「四苦八苦」〜人間関係の悩みを乗り越える

私は、仏教を学び、現実の生活に生かしています。
そうすることで、さまざまな悩みを克服してきました。
こうした経験から、皆様のお役にたちたいと考え、このマガジンを書こうと思いました。

「四苦八苦」という言葉は、日常的によく使います。
苦しんでいるときなどに、「今、四苦八苦している」というような使い方をします。
この言葉は、もともとは、すべての人間が逃れることができない苦しみのことを意味する仏教用語です。

以下、ウィキペディアから引用します。
四苦八苦(しくはっく)とは、仏教における苦の分類。

根本的な苦を(しょう・ろう・びょう・し)の四苦とし

  • 生苦 しょうく。衆生の生まれることに起因する苦しみ。

  • 老苦 - 衆生の老いていくことに起因する苦しみ。体力、気力など全てが衰退していき自由が利かなくなる。

  • 病苦- 様々な病気があり、痛みや苦しみに悩まされる仏教問題。

  • 死苦- 死ぬことへの恐怖、その先の不安などの自覚。衆生が免れることのできない死という苦しみ。また、死ぬときの苦しみ、あるいは死によって生ずるさまざまな苦しみなど。

根本的な四つの苦に加え、

  • 愛別離苦(あいべつりく)- 親・兄弟・妻子など愛する者と生別・死別する苦しみ。愛する者と別離すること

  • 怨憎会苦(おんぞうえく) - 怨み憎んでいる者に会う苦しみ

  • 求不得苦(ぐふとくく) - 求める物が思うように得られない苦しみ

  • 五蘊取蘊(ごうんしゅく) - 五蘊盛苦(ごうんじょうく)とも。五蘊(人間の肉体と精神)が思うがままにならない苦しみ

 の四つの苦を合わせて八苦と呼ぶ。

 四苦八苦のなかで、多くの人が苦しんでいることを取り上げたいと思います。
 それは、「怨憎会苦(おんぞうえく)- 怨み憎んでいる者に会う苦しみ」です。
 人間関係の苦しみとも言えます。
 職場、地域、身内など、会わなければならない人の中には、必ず、相性の悪い人がいます。これは、逃れられない苦しみです。

 その対処法を教えます。
 それは、距離をとることです。
 たとえば、職場であれば、仕事上、どうしても必要なこと以外は話さないようにします。
 合わない人と、まともに向き合うと、とても疲れます。
 そうではなく、必要最低限にしか付き合わないようにします。
 ただし、露骨に、そうしてしまうと、相手に気づかれ、かえって気まづくなります。
 この距離の取り方は、うまくやらなければなりません。
 たとえば、あいさつは、笑顔できちんとします。
 受け答えも、笑顔できちんとします。
 相手の話も、笑顔できちんと聞きます。
 ただし、心では、演技だと割り切ります。

 哲学者のカントは、『純粋理性批判』という本で、人間の理性について探求しています。その結論は「二枚舌」でした。
 この「二枚舌」は、さまざまな場面で使えます。
 たとえば、上司や家族から、何か頼まれたり、注意されたりしたら、とりあえず、どんなことも「はい」「わかりました」と言います。心の中では納得していなかったとしても、とりあえず、「はい」と言っておけば、その場は丸く収まります。
 賢い人は、そうしています。
 まじめな人は、正直に、思ったことを言ってしまい、人間関係が悪くなります。
 人間関係は、「二枚舌」をうまく使わないとうまくいきません。
 正直すぎる人は、「二枚舌」をうまく使う練習をしてください。
 「二枚舌」が使えるようになれば、嘘のように、これまでの苦しみから解放されます。
 合わない人は、どこに行ってもいます。逃れることはできません。

 しかし、まじめな人は、二枚舌、嘘をつくことが苦手だと思います。
 「嘘も方便」という言葉があります。
 「嘘をつくことは良くないことだけれど、物事をスムーズに運ぶためには時として嘘も必要である」ということを表した慣用句です。

 ちなみに、この「方便」も仏教用語です。
 「方便」とは、インドのサンスクリット語「ウパーヤ」が語源です。
 「ウパーヤ」は、「近づく」
「到達するための手段」などといった意味を持つ言葉です。
 釈尊が、難しい仏教の教えを人々にわかりやすく親しみを持って導く手段のことをいいます。

 頑張ってくださいね。
 皆様が幸せになられることを祈っております。

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