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セックスアンドロイドのこころ(4)

「なんだい」
 酒焼けした声でマダムは訊いた。
「相談なんだが」
 マダムは、いぶかしげな顔をした。
「この店にある十五体のアンドロイドのボットを平均的に割って十六体にしたらどうか」
「そりゃいいね。ただ、部屋がない」
「客の相手をするアンドロイドは十体のままだ。一体は、私に借してほしい。その代わり、無料で十体の設定を、もっと客が来るように新しく設定し直す」
「その一体をどうするのさ」
「Kは、人間のような心を欲しがっている。その前に、意識と無意識がアンドロイドに設定できるのか、確かめたいと言っている。Kは、決めたら、あとには引かないため、やるしかない。そのために、Kを一体を借りる」
「そうだねえ。それで、新しい設定は、どういうのさ」
「もちろん、Kはそのまま残す。五体は、身長を低くしようと思う。残り四体は、高身長、熟女、女王様、Mでどうか」
「身長の低い子は、違法にならないようにしておくれ」
「うまくやるよ」
「じゃあ、これから、やってもらおうか」
「わかった」
 店は、午前〇時から午後六時まで休みだった。私が最後の客だった。

 十五体のアンドロイドが集まった。
 私がイメージすると、アンドロイドたちは、溶けるようにボットになった。
 次に、Kを二体イメージし、二体できた。
 こうして、残りのアンドロイドを設定していった。

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