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誰もが悩む塾選び。受験に直結する進学塾なら尚更。でも本気で受験を考えれば当然のこと。いくつか候補はあるけど、入塾するかどうかの決め手がほしい。どこも同じじゃないの?とりあえず入ってみてからでいいんじゃないの?いいえ、違います。入塾を決めるポイントはいくつかあるけど、最優先ポイントはコレ!  元SAPIX講師/室長がズバリ答える第9弾!          

進学塾を選ぶのですから当然、合格実績(近年と過去との比較が大事)、テキストのレベルと種類、宿題の量、受験までのカリキュラム、コース、クラス編成、生徒レベル、講師レベル、専任講師と時間講師(大学生アルバイトも含む)の比率など、チェック項目はたくさんあってどれも大事です。
 
しかし、これらは調べたり、聞いたりすればわかるものです。
 
塾はお子さんと保護者の方がどう心動かされるか、感じるかが大事なのです。

そのための体験授業や説明会や個人面談なのです。

しかし、一般的に体験授業も説明会も個人面談も特定の先生しか担当しません。その校舎の責任者、もしくはプレゼンの上手い先生、授業に定評のある先生、生徒に人気のある先生です。責任者かエース級。でもお子さんの最初のクラス担任がこの責任者かエース級とは限りません。それに一方的な説明だけで、直接話もしていないわけですから信用は半分以下です。

サピックスを例に話すと、サピックスの強みは一流の生徒とテキスト。二流の講師と言われてて、僕ら講師は肩身が狭い(笑)耳が痛い(笑)思いをしてました。でも実際全国レベルの優秀な生徒はたくさんいたし、テキストもよく出来たものでした。あのテキストはすべて手作りで毎週僕たちが作ります(サピの卒業生たちもアルバイトとして手伝ってくれます)。手前味噌ですが、あのテキストの半分でもマスター出来ればどこでも受かる代物で自慢のテキストでした。なので優秀な生徒と練られたテキストと比べれば講師は二流でしょう(笑)。とは言え、講師も他塾に引けを取らない優秀な講師がそろっていたと思います。でも残念ながら皆等しいわけではありません。言葉は悪いですが、ピンきりです。学歴と授業力や指導力は必ずしも一致しません。東大卒のサラリーマンが会社で仕事ができるとは限らないのと似てます。マンモス校になると1学年10~15クラスあり、各担任、各教科担ともなれば相当の数の講師がいるわけで。僕は教室長もやっていたので、時間講師の振り分けが頭痛の種でした。なぜなら講師は能力も個性もそれぞれで、教え方も生徒との接し方も違うからです。
 
入塾スタート時の担任がどういう先生か?できればスタート時の各教科の担当講師が専任講師か時間講師か?ここで大事なのは、「スタート時」です。進学塾であれば、入塾して半年、1年も経てばクラス分けテストなんかもあってクラスが変わることもあるでしょう。クラスが変われば担任も教科担当も変わるかもしれません。せっかく慣れたとこなのに~とは言ってもそれは進学塾では仕方のないこと。肝心なのはスタート時なのです。入塾して最初の担任の先生や担当する先生次第で塾が楽しく思えたり、勉強に興味を持ったりするものです。小学生なら特にそうです。担任や担当講師に左右されるし影響を受けたりします。担任や担当講師が嫌いになると勉強も嫌いになり受験どころではありません。高学年であれば自分の目標のために割り切ることもできるかもしれませんが、低中学年だと割り切りは難しいでしょう。相性もありますが、塾の先生は千差万別。同じテキスト、同じカリキュラム、同じ授業マニュアルがあっても、教え方も導き方も受験知識もキャリアもピンきりです。担任はその校舎の室長や専任講師(社員及び契約社員)が担当しますが、授業は他校舎の講師や時間講師、院生、大学生も担当します。
 

受験はテキストやカリキュラムも大切ですが、一番はわが子を受け持つクラス担任や教科担当講師のサポートに尽きます。
 
 

ではどうやって入塾の前にわが子を直接担当する先生を知ることが可能なのか?
 
進学塾の主な入塾までの流れで説明すると、
 
体験授業→入室テスト(クラス分けテスト)→面談→入塾
ですが、大抵、入室テストで合格すると、その後の面談はほぼ塾側の一方的な説明で終始するのが通例です。「合格したんだから即入塾、そして今すぐにでも授業を!」はやる気持ちはわかりますが、ここでひと呼吸。「スタート時の担任は?できれば各教科担は?」と質問しましょう。教科担は難しいとしても、クラス担任は教えてくれるはず。既に決まってますから。ここで教えてくれない場合はアウトです。「クラスは変わるのでその時にでも」とか誤魔化してもアウト。こちらは「スタート時は」と断りを入れてますから今後クラスが変更する度に担任が変わることは百も承知の質問です。
 
ここからが大事なことですが、担任が誰かを教えてもらってもどんな人物かはわかりませんよね。ですから、その担任と面談の申し込みをしてください。挨拶、立ち話などの紹介程度ではダメです。しっかりと面談時間をとってもらうこと。それでもその先生のことは半分もわからないでしょう。でも入塾してから知るよりはリスクはずっと減ります。
 
小規模な校舎だと、室長(教室長、エリア責任者)が全クラス担任という場合もありますので、その場合は入室テスト後の面談の時にチェックすればOKです。
 
「前例がない」と断られてもアウトです。確かに入塾するかどうかの最後の段階で「担任と面談したい」と言う保護者はまれですから、塾側も困惑するかもしれません。しかし、進学塾で、入塾スタート時で、小学生で、となればクラス担任はとてもとても大切なことです。どう塾側が対応するかも入塾判断の一つとして、優先ポイントとして覚えておいていただければと思います。
 
 
最後に進学塾のウラ話として話しておきますが、
クラスが多い進学塾にはたくさんの講師がいることはお話しましたよね。多いということは講師もピンきりだと言いました。担任と面談希望!をもし快諾するようであればそれはそのクラスの担任や担当の講師に自信がある場合だけです。キャリアがあって、実績があって、授業の評判が良くて、話し上手で、人気があって、とこれくらいにしておきますが、簡単に言えば、その校舎のエース級の講師が担当する自信あるクラスです。水を差すようで悪いのですが、10クラスあったとして、エース級の講師が担当するのは上位の2かよくて3クラスぐらいまで。人数にして2人~多くて4人程度です。上位クラスで受講すべき理由の一つがコレです。進学塾のクラス格差は残酷です。正直アオイ塾ですから正直に話しました。もちろん例外はありますので。
 
進学塾のウラ話でした。
 
 
 
 
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。お疲れ様でした。
ということで、次回「正直アオイ塾(アオイnote)vol.10は、『進学塾のトリセツ(後編)』」です。
 
では、次回も「正直アオイ塾(アオイnote)」をよろしくお願いします。
 
                                     アオイナオ
 

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