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「決めれば叶う」って、本当ですか?

「何かを強く願えば叶う」と聞くと、あなたはどう思いますか?

ポジティブな言葉のように感じる一方で、「本当にそんなことがあるの?」と疑問を抱く方もいるでしょう。実際、決意だけで全てがうまくいくわけではないのが現実です。それでも、何かを「決める」ことが持つ力は、決して小さくありません。

私は老人ホームで介護士として働いています。この仕事の中で、入居者様やそのご家族から多くの言葉をいただきます。その中には、夢や目標を叶えたエピソードもあれば、「叶えたかったけれど、できなかった」という後悔の声もあります。

その一つひとつが、「決める」ということの意味を改めて考えさせてくれるのです。 

「決める」という最初の一歩


「決めれば叶う」という言葉は、言い換えれば「行動の第一歩を踏み出すことが重要だ」というメッセージでもあります。

例えば、ある入居者様の話が印象的でした。

その方は長年ピアノを習う夢を抱きながらも、家庭の事情や健康の問題で実現できなかったそうです。しかし、ホームで行われた音楽イベントをきっかけに「もう一度やりたい」と決意し、スタッフのサポートのもと、小さな練習を始めました。

「もう遅い」と思いながらも、一歩を踏み出したその姿は、本当に輝いていました。「決めた」ことが、叶うための道を作る始まりなのだと感じました。
 

決めるだけでは叶わないことも


一方で、「決めたけど叶わなかった」という現実に直面することも少なくありません。

例えば、介護現場では、入居者様やご家族が「自宅で過ごしたい」という願いを抱く場面があります。

可能な限り支援をするものの、身体の状態や環境の制約で、その願いが叶わないこともあります。そのときに感じる無力感や悔しさは、働く私たちにも重くのしかかります。

では、そのような状況で「決めれば叶う」という言葉は嘘になるのでしょうか?

私が思うのは、叶わない夢があったとしても、その過程に意味があるということです。

何かを強く願い、そこに向けて行動することで得られる成長や人とのつながりは、目に見える結果以上に価値があるのではないでしょうか。
 

決めた先に広がる世界


決意とは、自分に言い聞かせることでもあります。「自分はこれをやるんだ」「これを大切にするんだ」と心に決めることで、目指す方向が定まります。

それは、人生の中で迷ったときの道標にもなるのです。

ある日、ホームでお世話している入居者様がこんな話をしてくださいました。

「私はもう足も弱くなって歩けないけど、毎朝ベッドで起きたら『今日も感謝する』って決めているの。そうやって決めるだけで、気持ちが少し楽になるのよ」

その言葉を聞いて、「決める」ことの本当の意味を改めて考えさせられました。

必ずしも大きな夢でなくても、心の中で自分の在り方を定めることは、日々を豊かにする力になるのです。
 

「決めれば叶う」をどう捉えるか


この言葉は、シンプルで前向きなメッセージのようでありながら、その裏には多くの努力や試行錯誤が必要です。

ただ決めるだけでなく、それをどう実行するか、どんな過程を大切にするかが重要です。

叶わないかもしれないと不安になる気持ちは、誰にでもあります。でも、それを恐れず「まずはやってみよう」と思えるかどうかで、結果は大きく変わることがあります。
 

さいごに


「決めれば叶う」かどうかは、結局のところ、自分次第なのかもしれません。

夢や目標が叶うかどうかよりも、それを追いかける中で何を感じ、何を得るのか。その過程こそが、私たちにとって本当に大切なものではないでしょうか。

あなたにとって、今「決めたい」と思うことは何ですか?

もし何か思い浮かんだなら、それを一歩ずつ形にしていく旅を始めてみてください。その旅路が、あなたの人生をより豊かに彩ってくれるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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