見出し画像

嫌なことでも、受け取り次第で「感謝」

毎日、入居者様と向き合い、食事や入浴、排泄の介助をしながら、その方の人生に寄り添っています。

介護の仕事はやりがいがあり、大きな喜びを感じる瞬間も多いですが、時には嫌なことや理不尽に思えることもあります。

厳しい言葉をかけられることもあるし、思い通りにいかない場面もたくさんあります。

疲れている時ほど、「なんでこんな思いをしなきゃいけないんだろう」と感じることもあるでしょう。でも、そんな出来事も「受け取り次第」で変わるのではないかと思うのです。

嫌なことの中にも、学びや成長の種が隠れている。少し視点を変えてみるだけで、感謝の気持ちが生まれることがある。

今日は、私が介護の現場で経験したことをもとに、「嫌なこと」と「感謝」の関係についてお話ししたいと思います。
 

厳しい言葉の裏にあるもの

介護の仕事をしていると、時に入居者様から厳しい言葉をかけられることがあります。

「こんなこともできないのか!」
「もういい!あっちへ行って!」

そんな言葉をぶつけられると、正直なところ心が折れそうになります。

特に、一生懸命やっている時にそんな態度を取られると、「なんでこんなに頑張っているのに…」と落ち込むこともあります。

でも、ある時ふと気づいたのです。入居者様がきつい言葉を発するとき、それは「本当の気持ち」ではないのかもしれない、と。

例えば、認知症の進行によって思うように言葉を選べなくなっている方。

自分の身体が思い通りに動かなくなり、もどかしさを感じている方。

本当は「助けてほしい」「つらい」と言いたいのに、うまく伝えられず、つい強い言葉になってしまうのかもしれません。

そんなふうに考えられるようになったとき、私は「ありがとう」という気持ちを持てるようになりました。

「私に心を開いてくれているから、本当の感情を出してくれるんだ」
「この方の不安や辛さを理解できるチャンスをもらっているんだ」

そう思うと、厳しい言葉を受けた時でも、「この方をもっと理解したい」「もっと寄り添いたい」という気持ちが湧いてきました。
 

思い通りにいかないことが、成長につながる

介護の仕事は、予定通りにいかないことが当たり前です。

· 食事の時間になっても、なかなか食べてくれない
· お風呂に入ろうと誘っても、拒否される
· 排泄の介助をしようとすると、「やめて!」と言われる

「なんでこんなに大変なんだろう…」と思うこともあります。でも、そんな経験があるからこそ、「どうすればこの方が気持ちよく動いてくれるだろう?」と考える力がつきます。

例えば、お風呂を嫌がる入居者様に対して、「今日はどうしてもお風呂に入りましょう!」と強引に誘うのではなく、「足だけでも温めてみませんか?」と小さな提案をすることで、受け入れてくれることがありました。

「うまくいかない経験」があるからこそ、新しい工夫が生まれる。そう考えると、嫌なことも「自分を成長させてくれるもの」に変わるのです。
 

同僚とのすれ違いも、感謝に変えられる

介護の仕事はチームワークが大切です。でも、同じ職場で働いていると、意見の食い違いや、時には人間関係のストレスを感じることもあります。

「なんであの人はこんな言い方をするんだろう?」
「私はこんなに頑張っているのに、理解してくれない…」

そんなふうに感じることもありますよね。でも、少し考え方を変えてみると、その人の言動には「その人なりの理由」があることに気づきます。

例えば、厳しいことを言う先輩がいたとしても、その人は「入居者様にとって最善のケアを提供したい」と強く思っているのかもしれません。

細かいことを指摘してくる同僚は、「ミスを減らして、みんなが働きやすい環境を作りたい」と考えているのかもしれません。

最初は「嫌だな」と思うことでも、その裏にある相手の気持ちを考えると、「ありがとう」と思えるようになることがあります。

「この人がいてくれるおかげで、私も気を引き締められる」
「この人が指摘してくれたおかげで、ミスを防ぐことができた」

そう考えると、人間関係のストレスも、少しずつ感謝に変わっていくのです。
 

どんな経験も、いつか「ありがたい」と思える日が来る

嫌なことがあった時、その瞬間は「感謝」なんてとてもできません。
でも、時間が経つと、「あの時の経験があったからこそ、今の自分がいる」と思えることがあります。

例えば、新人の頃は失敗ばかりで、「私はこの仕事に向いていないんじゃないか」と何度も悩みました。でも、あの時の失敗があったからこそ、今は後輩に「大丈夫だよ」と声をかけてあげられるようになりました。

辛い経験や嫌な出来事も、いつか振り返った時に「ありがたい経験だった」と思える日が来る。

だからこそ、目の前の嫌なことにも「ありがとう」の気持ちを持って向き合いたいと思うのです。
 

まとめ

介護の仕事は、大変なことも多いですが、見方を変えるだけで「感謝」に変えられることがたくさんあります。

· 厳しい言葉をかけられた時、「この人の本当の気持ちは何だろう?」と考えてみる
· うまくいかないことがあった時、「これは成長のチャンスかもしれない」と思ってみる
· 人間関係で悩んだ時、「この人のおかげで気づけたことがある」と受け取ってみる

嫌なことがあっても、それをどう受け取るかは自分次第。もし今、仕事で悩んでいる人がいたら、少しだけ視点を変えてみてください。きっと、そこには「感謝」に変えられる何かがあるはずです。

あなたの頑張りは、必ず誰かの支えになっていますよ。

最後までお読みいただきありがとうございます。

いいなと思ったら応援しよう!