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悲しいこと、つらいことがあったらいつにも増して笑ってみよう
この仕事をしていると、毎日が学びと発見の連続ですが、時にはどうしようもなく悲しいことや辛いこともあります。それでも私がいつも心に留めている言葉があります。
それは、「どんなにつらい時でも笑顔を忘れない」ということ。もちろん、悲しみや苦しみを無理に隠す必要はありません。
でも、辛い状況の中でも笑顔を意識すると、不思議と心が軽くなり、前を向ける瞬間があるのです。
今日は、私自身が経験したことや感じたことを交えながら、「悲しいことや辛いことがあった時こそ、笑顔を大切にしよう」というテーマでお話ししてみたいと思います。
この記事が、読んでくださっているあなたの心を少しでも軽くするきっかけになれば嬉しいです。
介護の現場で感じる「悲しみ」と「つらさ」
老人ホームで働いていると、入居者様と深く関わる機会がたくさんあります。
毎日のように顔を合わせ、話をしたり、一緒に時間を過ごしたりするうちに、まるで家族のように感じることもあります。
でも、そんな大切な入居者様が亡くなってしまったり、体調を崩されて元気を失っていく姿を目の当たりにするのは、やはりとても悲しいものです。
ある日、私が特に仲良くしていたBさんという入居者様が急に入院され、そのまま戻ってこられなかったことがありました。
お茶を飲みながら日々の出来事を笑い合うのが私たちの日課だったのに、その日からぽっかりと空いた時間ができてしまいました。
そのことがあまりにも寂しくて、仕事中に涙をこらえるのがやっとの日々が続きました。
さらに、入居者様だけでなく、職場の人間関係や忙しさ、失敗による自己嫌悪など、日常の中にはさまざまな「つらさ」があります。
特に、介護職は人と人とが深く関わる仕事なので、自分の思うようにいかないことも多く、時には「もう無理かもしれない」と思うこともあります。
笑顔の力を知った瞬間
そんな私が「笑顔の力」に気づいたのは、入居者様とのある出来事がきっかけでした。
ある日、別の入居者様Cさんが、体調が優れない日が続いており、ほとんど話さなくなってしまいました。
お食事の時間も手をつけられず、私が話しかけても無言でうつむいているばかりでした。そんなCさんの姿を見て、私は「どうしてあげたらいいんだろう」と悩んでいました。
その日、私はあえて明るい声で、無理やりではないけれど、できる限りの笑顔で「今日はこんなに良いお天気ですよ!少しでも日差しを浴びてみませんか?」と声をかけてみました。
その後も、何気ない話題を笑顔で続けるうちに、Cさんが小さく笑ってくれたのです。
それから少しずつ、Cさんの表情が和らぎ、日常の中で笑顔を見せてくれる機会が増えていきました。
その時、私は「ああ、笑顔にはこんな力があるんだ」と実感しました。誰かの笑顔に救われることもあれば、自分が笑顔を作ることで相手を救えることもある。笑顔は、心と心をつなぐ魔法のようなものだと感じた瞬間でした。
いつにも増して笑ってみるという選択
もちろん、悲しい時に無理に笑顔を作るのは簡単なことではありません。心が重く、前向きになれない時だってあります。それでも、私は「辛い時こそ、いつもより少し多く笑ってみよう」と心に決めています。
なぜなら、笑顔を作ると脳がポジティブな状態を作り出してくれるからです。これは実際に科学的にも証明されていることです。
笑うことで脳がエンドルフィン(幸福ホルモン)を分泌し、気分が少し楽になるのです。最初は作り笑いでも構いません。それでも続けるうちに、心が少しずつ軽くなるのを感じることができるでしょう。
私は、職場で忙しい時や落ち込んでいる時こそ、意識的に笑顔を心がけています。それは、自分のためでもありますし、周りの人たちのためでもあります。
入居者様にとって、介護士の私たちが笑顔でいることが、安心感や癒しにつながるのだと思うからです。
あなたも「笑顔」を試してみませんか?
もしこの記事を読んでくださっているあなたが、今悲しいことや辛いことを抱えているのなら、ぜひ一度「笑顔」を試してみてください。
とても気持ちが沈んでいる時は、鏡の前で作り笑いをするだけでも構いません。「なんだか馬鹿らしいな」と思うかもしれませんが、それがきっかけで少しずつ気分が変わることがあります。
また、好きな映画やコメディを観て笑ったり、友人と話して笑い合ったりするのもおすすめです。どんな形であれ、「笑う」という行為が悲しみを和らげる助けになるはずです。
おわりに
悲しいことや辛いことは、誰にでも起こり得るものです。それを完全に避けることはできませんが、その中でどう向き合うかは自分次第です。
そして、その向き合い方の一つとして、「笑顔」はとても強力な武器になります。
私もまだまだ悩むことや落ち込むことがありますが、これからも「いつにも増して笑ってみる」という姿勢を大切にしていきたいと思います。
どんなに小さな一歩でも、笑顔で前に進むことで、きっと未来は明るくなるはずです。
この記事が、少しでもあなたの心に響き、前を向くきっかけになれば嬉しいです。
どうかあなたも、辛い時ほど笑顔を忘れずに。そして、笑顔があなたにとっての癒しとなりますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。