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大変な時ほど「だいじょうぶ」と言ってみよう
私は介護士として、日々老人ホームで働いています。この仕事はやりがいがあり、入居者様の笑顔に支えられる一方で、時には心が折れそうになることもあります。
体力的にも精神的にも大変な仕事ですし、「もう無理かもしれない」と思う瞬間もあるでしょう。でも、そんな時こそ「だいじょうぶ」と言葉にしてみることで、気持ちが少し楽になることがあります。
今回は、介護の現場での経験をもとに、「だいじょうぶ」という言葉の持つ力についてお話ししたいと思います。
「だいじょうぶ」は魔法の言葉
「だいじょうぶ」。この言葉には、不思議な力があります。誰かに「だいじょうぶ」と言われると、それだけで少し安心できたり、前向きな気持ちになれたりしますよね。
特に、介護の現場では「だいじょうぶ」と声をかける場面が多くあります。
· 転びそうになった入居者様に「だいじょうぶですよ、ゆっくりでいいですよ」と声をかける。
· 不安そうな顔をしている入居者様に「だいじょうぶ、大丈夫。一緒にやってみましょう」と寄り添う。
· 仕事でミスをしてしまった同僚に「大丈夫、次は気をつければいいよ」と励ます。
この言葉には、人の心を穏やかにし、安心感を与える力があるのです。
「だいじょうぶ」は自分にも言っていい
私自身、仕事で行き詰まった時や、入居者様にうまく対応できなかった時に、自分を責めてしまうことがあります。でも、そんな時こそ「だいじょうぶ」と自分に言ってあげることが大切です。
「今日ちょっと失敗しちゃったけど、だいじょうぶ。次に気をつければいい。」
「今はしんどいけど、だいじょうぶ。いつか乗り越えられる。」
自分に対して「だいじょうぶ」と声をかけるだけで、不思議と少し気持ちが軽くなります。介護士は、人を支える仕事ですが、その前に自分自身も大切にしなければなりません。
「だいじょうぶ」は心をつなぐ言葉
ある日、認知症の入居者様が不安そうに私の手を握り、「私はどうしたらいいの?」と繰り返し尋ねてきました。
その方は、自分がどこにいるのか分からなくなり、不安で仕方がなかったのです。
私は手を握り返し、ゆっくりと「だいじょうぶですよ。ここにいますからね。」と伝えました。すると、その方の表情が少しずつ和らいでいきました。
この時、「だいじょうぶ」という言葉が、相手の心に届く瞬間を実感しました。言葉ひとつで、人の気持ちは変わります。介護の現場では、ただ身体を支えるだけでなく、心を支えることも大切なのです。
辛い時ほど「だいじょうぶ」と言ってみよう
もちろん、「だいじょうぶ」と言うだけで、すべての問題が解決するわけではありません。仕事の悩みやプレッシャーはなくならないし、疲れが一気に取れるわけでもありません。
でも、「だいじょうぶ」と言うことで、自分や周りの人を励ますことができます。どんなに辛くても、まずは口に出してみる。それだけで、少しずつ気持ちが変わることもあります。
もし今、介護の仕事が辛くて悩んでいる人がいたら、ぜひ「だいじょうぶ」と言葉にしてみてください。そして、自分を責めすぎず、周りの仲間にも優しい言葉をかけてあげてください。
あなたはひとりじゃない
介護の仕事は決して一人ではできません。同僚がいて、入居者様がいて、その家族がいて、みんなで支え合って成り立つものです。
大変なことも多いですが、「だいじょうぶ」と言い合える仲間がいれば、きっと乗り越えていけます。
もし辛くなったら、同僚や家族に「ちょっと話を聞いてほしい」と相談するのも大切です。一人で抱え込まず、支え合いながらやっていきましょう。
まとめ
介護の現場では、毎日いろいろなことがあります。嬉しいこともあれば、辛いこともある。でも、そんな時こそ「だいじょうぶ」と言葉にすることで、自分にも、周りにも優しくなれる気がします。
「だいじょうぶ」と言うことで、少しでも気持ちが軽くなるなら、それはとても素敵なこと。ぜひ、あなたも試してみてください。
今日もお疲れ様です。あなたの頑張りは、誰かの支えになっています。どうか、自分のことも大切にしてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございます。