
手術当日
ついにこの日がきた。
ため息・・・緊張してしまう。
病棟看護師さんが迎えに来たら自分の足で手術室へと向かうらしい。
今日1日は手術後立ち上がる事も起き上がる事も禁止の予定。
★
<やはり怖いな>
なんて考えていたら看護師さんが迎えに来た。
「くらげさん、お時間ですよー。あ、くらげさんの髪型って素敵ですね」
そんな会話をした。
いつもなら
<あのですね、素敵な美容師さんにお任せしたんですよ\(^-^)/>
なんて会話をするのだが余裕がなくただただヘラヘラ笑っていた私・・・
<前に説明うけたのですが手術室にCD持っていってもいいのでしょうか?>
これ聞くだけで精一杯
「好きな音楽聴いたらリラックスできるよね!持って行きましょ」
と言われ手術室へ向かった。
★
手術室は手術室看護師さんが対応してくれる。
「くらげさんのお部屋はこちらです」
わー。
ドラマの世界だわ、これ。
宇宙船ぽいというか、何というか。
とにかく、医療ドラマの世界が広がっていた。
私は下半身だけ麻酔という事で腰に注射をした。
絶対痛いと思っていた注射はあまり痛くない。
きっと担当してくれた麻酔科医の先生の腕の良さだと思う。
看護師さん、麻酔科医の先生、安心して手術に向かえる様に色々声がけしてくれていた。
「ブルガダの患者さんですが心電図に異常なしです」
と聞こえてきた。やはり話題にでるんだな。
そして下半身の麻酔
正座の足のしびれる感覚に似ていた。
気がつくと感覚はゼロ。
そんな頃に主治医の先生が登場
手術が始まった。
★
感覚もない
見えない
耳と鼻は元気
聞こえる、嗅げる
レザーでの手術のせいか皮膚が焼ける様な臭いが少し辛かった。
気が付いたら終わり
でも私の下半身、どうなっているんだろ?
★
手術室看護師さんに
「ありがとうございました」
と伝えた。
無駄な動きはなく皆さんきびきび
それでいてずっと声をかけてくれて。
優しくかっこよかった。
病棟看護師さんが迎えに来てくれた。
「くらげさん、おかえり。頑張ったね!」
どこまでも優しい看護師さん・・・
ベッドに寝たまま病室へ移動した。
★
この後が地獄・・・に感じた。
ものすごい頭痛と吐き気
手術の準備で胃は空っぽ
なのに何度と吐いてしまう。
が、水は飲めない。
少し泣いた。
看護師さんが痛み止めと吐き気止めの点滴を処方してくれた。
が、手術終わってから次の日の朝まで続くこととなる。
辛い時間だった。
<あの、お水飲めませんよね?>
わかってはいるのに聞いてしまう。
明日の朝にはと励まされる。
どうしても辛い。
ものすごく長い時間に感じた。
★
前の日と打って変わってしんどい1日だった。
ずっと同じ体勢で寝ているとものすごく背中が痛くなる事も知った。
寝返りは大事なんだな。
どのくらい寝たのかもわからない。
すぐ目が覚めて吐くの繰り返し。
そんな感じで夜は過ぎていくのだった。
★
つづく