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バーチャルいいゲーマー ウスイさんの「バズり体操」を見ましょう。

 バズに最も近くて最も遠いバーチャルいいゲーマーウスイさんですが、去年の10月22日にこんな動画を公開していました。その名も「バズり体操」です。

 ご覧の通り(必ず見ましょう)、歌詞が希薄であり、ほぼほぼ「バズった」としか歌っていません。何がどう「バズった」のか、それによって何が得られたのか、根拠となる叙述がありません。また、体操であるにも関わらず、歌うだけでほとんど体操をしていないという形容矛盾を見事に体現しています。

 ウスイさんが思うバズは極めて概念的なものであり、私たちが思う夢や希望といった「なんかふわふわとした良さげな概念っぽい言葉」のそれに近いニュアンスです。それはそうとして「バズ」という概念だけに限界まで焦点を絞った歌(体操)、素晴らしいですね。

ポップな歌にあるまじき事件性のあるシャウト

 ポップといってもウスイさんが表現するところのポップですから、私たちの常識を当然に超えていますが、一見確かに軽快であり、「ポップ」ではあります。しかし、本作のシャウト(叫ぶような歌唱法)はポップからかけ離れたものでした。1分あたりをご覧ください。

1分あたりのシャウトをするウスイさん。
はいだ しょうこの絵画を思わせるような余白が印象的。

1分19秒あたりで「事件性のある悲鳴」というコメントがあります。この指摘通り、確かに殺人現場で死体を発見した絶叫のような、事件性のある悲鳴(シャウト)です。これは、ポップな歌にあるまじき事件性のある表現だと思います。

 もし、あの和やかな「ラジオ体操第一」の最中にいきなり絶叫で聞こえてきたらどう思いますか?身の毛がよだつほど驚くでしょう。そんな恐怖を体験させてくれるウスイさんの見事な表現、素晴らしいと思いました。


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