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0185.右往左往ピアノ

ピアノが弾きたくて、ピアノ教室にあるピアノレンタルで練習している。教室の受講は自己都合によりやめた。グランドピアノが置いてある部屋を時間で借りて、ひとりで自由に弾ける。自由ではあるが、弾く曲、弾き方、譜面の見方、全部自分でやらなければならない。

何年ぶりにピアノを弾くとか、子どもの頃やっていたとかではない。全くピアノを弾いたことがないのに、NHKBS「駅ピアノ 空港ピアノ 街角ピアノ」を観て思い付きで始めた。弾く曲はいきものがかりの「YELL」に決めた。そのピアノの前奏が好きだからだ。

楽譜はヤマハの「ぷりんと楽譜」で「YELL ピアノ(ソロ)入門」を手に入れた。ピアノ練習用にアレンジされた楽譜である。プリントアウトする前に譜面に音階ドレミファソラシドを入れた。なぜなら、当然、ドレミファソラシドの入っていない譜面を見て、すんなり指が動くはずがないのだから。そうやって、レンタルピアノを始めた。

インターネットは便利だが、要らない事、物まで手に入れることができて、かえって不便を起こすことがある。俺はネットでぷりんと楽譜の「YELL ピアノ(ソロ)入門」の動画を観た。曲とともに鍵盤上を指が動くのを見ることができる動画である。すると「YELL ピアノ(ソロ)中級」の同じような動画も見つけた。中級編の演奏が原曲に近く、とても良い。そして、入門編じゃなくて中級編で練習したくなった。

「YELL ピアノ(ソロ)中級」の楽譜のプリントアウトを用意した。音階ドレミファソラシドは入れなかった。そして、昨日、その楽譜でピアノチャレンジをした。入門編から中級編に浮気をしたのである。結果は、全然弾けなかった。左手で弾く音が増えていて、右手も定かじゃないのにまあまあ無理である。即、中級編は断念した。やっぱり、入門編から頑張ろうと思った。

帰宅してから、ネットでいろいろ探した。すると、譜面なしで動画を観ながら練習できる「いきものがかり YELL 初心者でも絶対弾ける!ピアノの弾き方」という動画を発見した。

これはこれでいい、素晴らしいと思う。でもこれだけで覚えてしまうと、楽譜とはお友だちになれない。運指を確認する役には立つし、指をどれだ家の時間置いておくかの確認もできる。ある程度弾けるようになってからチェックするのにはいいけれど、まずはやっぱり楽譜で練習したいと思った。

そして、この動画の運指も、入門編ではなく中級編と同じ運指で始まる。ピアノレンタルで “中級チャレンジ” を断念したが、この動画を観たことによって、中級編を再チャレンジすることにした。そう、俺の左手は片麻痺へんまひだ。だからこそ焦らない。弾きたい曲を弾きたいヴァージョンで納得のいく形で継続すればいい。やめたくなったらやめればいい。それだけだ。

なので、「YELL ピアノ(ソロ)入門」と同じように、「YELL ピアノ(ソロ)中級」の譜面にも、パソコンで音階ドレミファソラシドを入れることにした。入門編で入れる要領は得られた。中級編ではもう少し丁寧に入れるつもりである。この手間も楽しいかなと思う。ひとりで弾くピアノを始めたのだから、あちこちにぶつかる。

演奏家を目指しているわけじゃない。この先、弾けるようになった自分を想像して、弾けるようになるまで、ずっとその想像で愉しめる。

柳 秀三

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