株は心理戦(2月5日号)
米国の利下げ観測後退も株式市場堅調
日本市場は決算発表が今週は約1200社でピーク
注目された米国1月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比35万人増と市場予想の18万人を大幅に上回り、賃金もおよそ2年ぶりの上昇率を記録した。この統計を受け、利下げ観測が後退しドル指数が約7週間ぶりの高値を付けた。このことで当面はドル指数が強含むことが予想され、円/ドルは148円台まで上昇し、昨年11月28日以来の高値(148.80円)に迫るドル高となった。
米国株式市場は、利下げ観測が後退したものの、好決算と好調な雇用統計が米国経済の信頼感を高めたとして、株式市場は大幅に上昇して取引を終えた。特にS&P総合500は、構成銘柄のうち230社が既に決算を発表し、内80%が市場予想を上回り、終値ベースで史上最高値を更新した。主要3株価指数は、いずれも4週連続して上昇している。大型テック株の決算発表が一巡し、FOMCや雇用統計を経過したことで、外部的要因の影響を受けづらい週となることが予想されるが、高値警戒感を念頭に置く必要があると思われる。
148円台で円安効果狙う銘柄選択
日経平均株価の先週末は146円高だが、1週間を通し狭いレンジでの揉み合いを続け、高値調整を踏まえた一進一退の展開だった。依然として強い相場展開が予想されるが、今週(2月5日~9日)末にかけ決算発表のピークを迎え、動きづらい一面もあるが、好決算を好感して動意づく銘柄の出現にも期待が膨らむ。特に、2024年3月期の日本企業の業績は好調で、上方修正する企業が続出すると言われている。その背景には円安効果に加え、国内外での値上げが浸透していることが大きな要因といえる。昨年11月には、中小企業の賃上げ分を価格転嫁できるための環境整備を行い。更に本年4月1日から、中小企業向け「賃上げ促進税制」を拡充し、前年より給与等の支給額を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度も始まる。デフレ脱却に向けた政府の本気度が伝わってくるようで、日本全体に好循環がいきわたることを期待したい。
一方、利下げ観測が後退したことで、148円台の円安効果を狙った銘柄選択も欠かせない。今週の東京株式市場は自動車をはじめとする輸出関連企業が買いの主体となることが予想され、米国大手ハイテク株の好決算も日本株の支援材料となることが予想される。
個別では、今週の5銘柄は以下の通り。
7270SUBARU(2,927.5円)
6762TDK(7,782円)
6752パナソニックホールディングス(1,382.5円)
6622ダイヘン(7,100円)
5726大阪チタニウム(2,760円)
名村造船所の一言
7014名村造船所(1,347円)の決算発表は、2月14日で動きづらい期間に入った。業績の進捗率も気になるところ。
※投資は自己責任でお願いします