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【ドラマ感想】初恋の悪魔②〜見てると切なくなる仲野太賀さん〜



ドラマ好きが勝手気ままに好きな連ドラの感想を綴ります。いきなりの2回めからになります(笑)。

昨年4月〜6月の「大豆田とわ子と3人の元夫」が大好きでした。大好きなドラマがあるときは日々の生きる楽しみが増し増しになります💖

同じ坂元裕二さん脚本ドラマということで楽しみにしておりました。

土曜日日テレ夜10:00から放送。「初恋の悪魔」

仲野太賀さんと林遣都さんのW主演。

とはいえ2回目は仲野太賀さん主演、といっていいくらい仲野太賀さん演じる馬渕悠日(ハルヒ)という人物が際立たせられた回でした。

今回は悠日のセリフをめぐり、面白さを振り返ります。

※ここからネタバレを含みますので、知りたくない方は視聴後に読んでもらえたら嬉しいです。

悠日は警察官の父親と兄といういわゆる警官一家に育ちながらも、警察学校でついていけずに警察組織の事務方、総務課職員として働く男。

家の意向に沿うような職業を選んで、職場やプライベートでも「はい、分からないけど分かりました!」と明るく笑顔で返答して波風を立てず、

その場を丸くおさめるという潤滑油のような存在。見た目もいい人そうな好青年。

職場ではワイシャツに腕カバー姿。 

A4ファイルにふたまわりほど大きそうなB4?A3?のカラーチラシを右側と下側をA4ファイルにおさまるように綺麗に折り、

パンチで穴を開けてファイリング。この作業を同部署の4人で一斉におこないながら、思わず悠日が言う。

「これって、そもそもファイルのサイズに合わせて書類を作った方が効率よくありませんかね?」

ベテラン「40年、この形式でやってきたんだけどね」

「ですよね。僕もこの方がいいと思います」
笑顔で応える悠日。

またどう見ても悠日には不似合いな派手な感じの婚約者ユキとオシャレなレストランでランチをしながら

「幸せだな。ユキちゃんと結婚できるなんて。人生最高だよ、生まれてきて良かった」と満面の笑みで喜ぶが、

結婚したら仕事を辞めて専業主夫になることを父親に伝えるよう念押しされ
「どうせ嫌々やってる仕事でしょう」と婚約者から言われる。

客観的に見ても彼の思いを思慮するような、愛がある婚約者には思えない。そして心が通い合うふたりにも見えないのだ。

さらにユキはボイスレコーダーを起動させながら、婚姻関係の外で相手を作るオープンマリッジを提案し悠日に同意を促す。

いいよね?と訊かれて「もちろんだよ。最高、幸せだよ」と笑顔を作り応える悠日。 

(合わないよ、キミにその子は!といいたくなる)

悠日の身近な存在である家族。殉職した兄の法事に兄の友人・伊藤英明演じる雪松鳴人と両親らで出席するが、その場でも両親から悠日は軽んじられている。

馬渕夫妻のあまりの無神経さを見兼ねた雪松が悠日に

「親だからって子どもを馬鹿にしていいってもんじゃない」「お前にだって朝陽(悠日の兄)に勝てるところはあるよ」と言う。それに対し

「自分は誰にも勝たなくていいんです。出来る限り、みなさんに勝ってもらいながら生きたいと思っていて…」

そうなんだ。この人はどこかで誰かと何かがバッティングすると、ゆずるという姿勢が骨身に染みているのだ。

見ていると切なくなる。多分、自分も似たようなところがあるから、見ていると切ないのだと思った。

今回はゲストの六角精児さんが、兄弟で切り絵芸人として活動する弟の役。で、その兄が殺される事件が起きる。

悠日、鈴之介(林遣都)、小鳥(柄本佑)、星砂(松岡茉優)の4人で捜査会議した日の夜、帰り道で悠日は星砂に心情を吐露する。

悠日の兄が殉職した前日、悠日あてに兄の朝陽から電話があった。何度か留守電に吹き込まれる兄のメッセージ。

その電話に出なかった悠日は、兄が亡くなったことをまるで自分の責任かのように感じている。

「またやらかしちゃったな。前の晩、電話に出なかったから兄ちゃん死んじゃったんだな。

兄と話すと、自分のしょうもないところ、ダメなところを思い知るだけだから、無視してたんです。

欲しいものを手に入れた人と手に入らなかった人がいて、手に入らなかった人は、もうほかに何にも欲しくなくなってしまう。

ぼくほもう充分です。いや、結構です、結構です。
もうこれで満足なんで。みなさんで楽しんでください。

顔はね、笑ってるんです。でもそんなの上っ面で、心ん中では

オレを笑うな。オレを馬鹿にすんな。オレにアドバイスすんな。オレに偉そうにすんな。もっとオレを尊敬しろ。

いや、なんかそういうね、ひん曲がったヤツだから、兄は死んでしまったんだなって」

自分の振る舞いや心情のせいでお兄さんが死んだと思っている、本当にどこまでも善い人の悠日。

この心情吐露を黙って聞いていた星砂にうながされ、そのとき出られなかった兄からの電話に悠日は出ることにする。

涙ながらに空想で兄と会話を交わす。(ここでもらい泣きするほどの名演技、と話題になっていたそうです!)

自分をさらけ出して、弱さを見つめて、複雑な思いを抱えながら、兄への後悔に縛られていた自分を自分で解放した悠日。

翌日の職場、コピー機の前で、チラシをA4に縮小する悠日に
ベテラン「あれっ、なんで縮小してんの?それは長年…」
悠日「今日からはこうします!」

いいぞ!いままで自分を出さずに生きてきた悠日が自分を出すようになって来た。

きみみたいな人はもっと自分を出して生きていっていい。一生懸命生きてるんだから。周りの人のことを考えて気を遣ってきた。もう充分なほど尽くしてきてる。

だからこれからはもっと、自分を出して生きてみて。
きみの心からの笑顔がいいんだよ。その方がみているこちらも楽しいよ。

仲野太賀さん、すごい。達者な方なんですね〜。またやはりセリフがいいです。書ききれなかったけれど、ほかの人のセリフや演技も見どころがたくさんありました。

また次回も楽しみです❣️