見出し画像

【ドラマ感想】初恋の悪魔⑧~馬渕朝陽~

※ネタバレを含みますので視聴後にお読みいただけると幸いです。

ついに朝陽のスマホのロックを解除。

朝陽という人物、関わった人との交流、上司雪松への募る不信感そして悠日が思うより朝陽が悠日を大切に自慢の弟だと思っていたことなどを知ることが出来た回でした。

朝陽が追う雪松の謎について相談を受けていた、”みぞれさん”からの話も聞けました。

言葉で交流しなくても、スマホのロック番号

“七転び八起き“(7580)

を唱えながら、時空を超えて交流しようとしていたかのような悠日と朝陽。

朝陽がみぞれさんと喫茶店で聴いたプッチーニ「ジャンニ・スキッキ」より『私のお父さん』や、

星砂が悠日手製のカレーを食べながら、一瞬だけ”いつもの星砂”に戻って
悠日のもとへ駆けつけるときの優しく美しい愛のテーマ……

オープニングには初めて歌が付いたり、

音楽も印象的な回だったと思います。

残される謎は、4人達と森園が怪しいと踏む雪松と連続殺人について。

今回の終わりから悠日と琉夏が雪松宅近くで張り込んで謎を探ります。

一方、鈴之介は星砂の気持を汲んで刑務所のリサのところへ面会へ。

では今回も個人的に印象に残ったシーン、セリフを振り返ってみます。


帰宅時の鈴之介。ケーキの箱をお土産に持っている。イチゴショートとマスカットショートケーキを買って。

星砂にかけるセリフを練習しながら玄関を開けて部屋へ向う。

星砂も同じショートケーキを買って待っている。星砂からかける言葉も鈴之介が練習したのと同じセリフ☺️

うーん、“もうひとりの星砂“と鈴之介の組み合わせも微笑ましいほど仲がいい。そうだよなあ。苦しいとき助けてくれて頼りになるもんな。

仕事帰りにケーキをお土産に買って来てくれて、美味しいゴハンを一緒に作って、安心出来る寝床を提供してくれる。

“もうひとりの星砂“が懐くのもうなずける。

いずれはどちらかの星砂が消えるのか?
それとも二つの人格が統合?とかされるのか、
星砂と悠日と鈴之介の恋模様の行方も事件とは別に気になります。


鈴之介宅で4人立ち会いのもと、朝陽のスマホのロックを外す。

写真には空と蕎麦ばかり。メールには手掛かりなし。リマインダーには買い物のメモや日常のこと。カレンダーには結婚式、免許書き換えの予定など、そのなかに“悠日の誕生日”とあった。

残った発信記録を手掛かりに、電話相手を周ることにする4人。


最後に電話した理容店。悠日が顔剃りをしてもらいながら店主に話を聞く。朝陽は店主が出所してから毎月同じ日に髪を切りに来ていたと。

朝陽「僕はね、犯人を逮捕するときにいつも思っています。
これはこの人の人生の終わりじゃない。この人がやり直すための逮捕なんだって。

人間はやり直せる

店主「ありがとうございます!(泣く店主……)「あっ」(バッサリ誤って切ってしまう)

朝陽「また生えてきます


蕎麦屋にて。
女性店員「犯人が捕まったあとも、時々顔を見せてくださって…」

…………………

朝陽「ご結婚、おめでとうございます」
店員「ありがとうございます!馬淵さんのおかげです。馬淵さんが信じてくれなかったら、私、あのとき死んでたと思います」

朝陽「お礼を言いたいのは僕です。刑事の仕事は人を疑うようなことばかりですが、この仕事も誰かの幸せに繋がっているんだと教えてもらえました」

……………………
悠日「兄は自分の仕事に疑問を持っていたんでしょうか」

店員「でも、最後にいらしたときは
もう一度、刑事という仕事を信じてみようと思う』って。
(略)

そういえばお兄さん、あなたのこともよく話していました」

朝陽「僕は人見知りもするし、目つきも悪いでしょ。昔から人と仲良くするのが苦手で…。

その点、うちの弟はね、
愛嬌があって誰とでもすぐに打ち解けて、
みんなから愛されているんですよ。

親もそうです。両親は僕に期待するけど、僕より僕が持って帰る賞状の方が好きなんです。弟のことはいつも文句ばかり言ってるけど、結局家で話題に出るのは弟の話ばかりなんです。

出来れば、弟のようになりたかった


なかなか連絡の着かなかった通話相手”みぞれさん”から着信があり、悠日宅へ来てもらう。

余命半年の5か月めのところ、病院からタクシーで。

みぞれアイスをおいしそうに食べ始めるが「もういいや」と半分以上残して、話し始める。 

県警の捜査一課に朝陽と半年ほど一緒にいたという。競馬に夢中で借金を作ってしまい所轄に飛ばされたそうだ。

あんたのお兄さんは、雪松に殺されたんだよ。いつだったっけかな、
とっくに一線から外されてる俺に彼が会いたいって言ってきて…
…………………………
昔懐かしい、ステンドグラスの装飾のある、純喫茶のような喫茶店で。
真っ白いかき氷を食べながら…

みぞれさん「雪松はいま県警のエースだろ」

朝陽「はい。警察学校にいたころから雪松さんを尊敬して来ました。自分という刑事を育ててもらいました」

「俺みたいな日陰の人間とは違うよ。立派な刑事だ。
……何があった?」

「逃走中の容疑者を撃てと命じられました」

「人質がいたのか?」

「いえ、現場が繁華街で凶器を持っている可能性がありましたが…
通常なら考えられません。ただ尊敬する方の命令でしたから。
何か理由があるんだろう。自分が気付いていない理由があっての命令なのだろう。そう思って……」

「撃ったのか?」

「はい」

「命令なら仕方ない。俺でも撃つ」

「ただ自分はわざと的を外しました。すぐに容疑者を確保出来ました。凶器を所持していませんでした。自分は丸腰の容疑者を射殺するところだったんです」

「それは雪松がお前に、その容疑者を殺して欲しかったんだろう」

「ほかに考えられる理由は?」

「ない」


「それきり彼は黙り込んで…店に音楽が流れてた。その曲名を教えてくれた。
この曲はなんとかいう作曲家の『私のお父さん』という曲です、って。

今思えばそうだな、刑事にとって上司は親だ。親の命令に従い、実行することで一人の刑事が出来上がる。

命令を信じられなくなったら、刑事じゃなくなっちまう。

あんときのあんたのお兄さんは暗い森のなかで父親に置いてかれた子どもみたいなもんだったんだろう。

しばらくしてまた連絡があって、容疑者の自宅から凶器が見つかったという。
(捜査中の回想。リサの部屋でナイフが発見される。ベランダにたたずむ雪松が映る。その雪松を見る朝陽)

一度として上司に逆らったことのなかった男が、自ら凶器の出どころを探し始めた」

朝陽は、ナイフは全国のスーパーで安く手に入る品であったこと、容疑者が凶器を自分のものと認めたのは拘留延長の末、一日中の取り調べのあとだったことまで突き止める。


容疑者の古いアパートは簡単に侵入することが出来た。誰かが犯人に仕立てあげようとして凶器を持ち込むことも。警察官しかできないことだ、と踏む。

「あんた、この件から手を引くなら今だ」
(略)
「なんていうか、自分にとってはおかしな言い方ですが、雪松さんは初恋の人のようなものです。

親に言われるまま警察学校に入って、目的もなく毎日を過ごしていた自分に『刑事の生き方』を教えてくれた人です」

「刑事の生き方」

あきらめるな。進め、進め、進め
…………………………

「翌日、彼が転落死したと聞いた。俺は何もしなかった。署には雪松を尊敬するやつらばっかりだったから俺はクビになりたくなかった」

悠日も純粋だけど、朝陽もとても素直で純粋な人だったんだな。実直で勤勉で純粋なだけに、疑いを持つまでは文字通り、進んで進んで一直線に刑事の仕事に邁進していたのだろう。

刑事はザ・組織のなかの専門職というか、組織の力なくては成り立たない一方、

1人の人間としての勘も蔑ろにしてはいけないお仕事だと感じる。どんな仕事でもそうか。

相手が雪松のような大き過ぎる存在でなければ、パワーアップした朝陽という刑事が生まれるところだった。

悔しい。こうなって悠日がそのままでいるわけがない。


今回セリフ拾いはここまでに。

このあと、冒頭でも書きましたが、

悠日が鈴之助宅に作り置きしたカレーを星砂が食べながら、元の星砂戻り悠日を思い出し悠日の部屋まで走るシーン。素敵な音楽。映画のよう。
サウンドトラックあれば欲しいです。

泣きながらカレーを食べる星砂



そして悠日宅に着いたところで、“もうひとりの星砂"に戻ってしまうという、運命の悪戯。昔のアニメピノキオのおじいさんとのすれ違いみたいです(分からない人ごめんなさい🙏)

残すところあと2回。ハッピーなエンドなんかいらねえと星砂は言ってたけれど、冤罪は晴れてほしいし、善人は死なないでほしい。

楽しみにしております❣️