冒険できなくなったゲーム

新しい要素という「地雷」

ナンバリングタイトル、スピンオフなど、ひとつのIPに端を発した数々の作品群には、それぞれにファンがいる。
代表的な例でいえばファイナルファンタジーシリーズ。FF16まで続いている作品群のなかには、RPG、MMO、さらには派生作品だとRTSやSLG、アクションの要素まで組み込まれているのだが、そこに存在するファンそのものが冒険を妨げている例があると感じるときがある。
これについて、使いたくもないが「地雷」というワードを使うことにする。

DFFについて

ディシディア・ファイナル・ファンタジー。
PSPが現役であった頃、当時のスクエニ若手社員がプロジェクトの中心となって作り上げた、1vs1の対戦アクションゲーム。
ナンバリング主人公たちが個性的な技を持ち寄ってタイマンするというFFファンからすれば夢のようなゲームで、当然、僕も買ってプレイしていた。餅キャラは初代は忘れたけど続編のほうはガブラスだったかな?初代からいたっけあの負け犬。まあそれはいいとして。

このゲームは好評を博した結果、続編が出た。
インターナショナル版を除けば、
・DDFF:DFFと同じシステムの続編①
・DFFAC:DFFをゲーセンでプレイできるようにした3vs3の続編②
・DFFNT:DFFACの移植家庭版。

で、今回の記事で取りあげたいのはDFFACおよびDFFNT。
これらはわざわざ太字にしたように3vs3だ。
いままでは1vs1で自分の実力だけで相手と競っていたところ、いきなり隣に仲間が2人増え、相手も3人で戦えとなった。
覚えている限り、界隈は割れた。

いままでのディシディアを返せ。こんなのはディシディアではない。
こんな意見が結構見受けられた。

「ディシディアが美麗なモデルでプレイできるんだからそんなの考えててもしょうがないじゃん、出たもの遊べなかったらやめるしかないんだし」
僕はそういう風に考えるタイプのプレイヤーで、DFFACには比較的好意的な印象を持っていた。そして周囲の人もDFFACに好意的なプレイヤーしかおらず(ネット対戦してるやつらは受け容れてるはずだからね)、先述の「いにしえからのディシディアを愛する人々」は「戦闘不能」になったか、すっぱり手を引いて引退したかのどちらかだと思っていた

まだ根に持ってんのかよ

DFFNTが出て、公式からのアップデートも終わって、wikiも更新が終了され(て跡地がなんか変なブログになっ)て、ネット対戦用のサーバーだけがスクエニの温情で維持されているような時期。
ふと見かけたネットのDFFNTの批評を見て、うわっ、となってしまった。

DFFNTは嫌いだ。
DFFの頃のディシディアが好きだった。
装備品などのRPGの要素を捨てた。
昔からのプレイヤーは共感してもらえると思う。
ディシディア3を待ち望んでいたのに…

これ見たときにの感想は、本当に、うわっ、だった。
ファンが完全にアンチになってしまっている。しかも「自分が欲しかったゲーム性と異なる」というだけの理由でだ。
この人が欲しがっていたのは「DFF」であり「DFFNT」の方向性ではないことはわかるが、だからといって「DFF」しか求めないなら、そこでそのゲームの進歩と冒険は止まるだろうとしか思わない。

それに、勝手にDFFプレイヤーの意見を代表面して語らないで欲しい。
DFFが好きでDFFACも好きな自分は昔からのプレイヤーではないかのような書き方をしているのは、結局、自分が少数派であることをわかっているから主語をでかくしているだけじゃない?と毎回思う。

あんたら(と俺)の黄金時代は戻ってこないよ

正直、僕も似たような経験がある。
ナンバリングのIIまでは1vs1だったが、IIIから4vs4になったLoV(ロード・オブ・ヴァーミリオン)というゲームだ。
僕はこれもやってた。先述のお気持ち君と同じような理由でIIIで引退した。
1vs1で自分の思い通りのプレイだけしていればよかったところから、いきなり隣に見知らぬ人が来て、その人のミスをカバーできる腕前もなかった結果、なんでこいつらと強制的に組まされなきゃならねーんだよとなり、IIIの中期くらいに引退した。

でも、よく考えてみてほしい。
企業の提供するものを否定して昔のものを返せと主張したところで、絶対にそれは戻ってこない。戻ってきたとしても永続的なものではなく、せいぜいがイベントや期間限定として時限的に遊ばせてくれるに過ぎない。
そんな状態で「あの頃はよかった」「昔のものを返せ」と主張しても意味がないんでね。僕はそれに気づいて、自分が少数派だと感じて引退したよ。

昔ばかり見て「冒険」を許容しない人たち

ここでDFFNTの話に戻る。
企業が新しいことをやろうとして、自分がその企業のフォロワーや消費者なら、まずは受け容れてみることが大事なんじゃないだろうか。
実際に触ってみて「自分には合わないな」となったならそれでいいけれど、やる前から「これは求めていたものではない」と決めつけて、次に出てくる言葉が「昔のものを返せ」だと、デベロッパーはなにも作れなくなると思う。実際に触ってみてアンチになる人は感情の振れ幅が大きすぎて僕にはあまり理解できないから言及しないけど…少なくとも双方建設的ではないよなって、最近およびそもそもDFFNTを取り巻くマイナス感情を見てて思った。
もちろん意見を言うこと自体は自由だよ。
僕は「イイ感じの保守」でいたいと思ったのでつらつらと書いた。



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