ギャンブルリング
いつしか書いた「ソロ活記(1)#大型ショッピングモール編」に少し登場した、
ギャンブルリング
について話していきたい。
そもそもギャンブルリングとか言う、ギャンブラー専用リングなどは存在しない。(多分)
ごく普通のオシャレさん達が指にこぞってはめている指輪のことだ。
私が値段を見ずにギャンブル感覚で買ったから、ギャンブルリングなのだ。
私は小心者兼おうち大好き引きこもり芸人なので、大型ショッピングモールに行く機会などなかなか無い。人混みが好きでは無いのも欠点である。
私を倒そうと対策を立てるのであれば、大勢で囲むドッキリと共に目の前でNetflixを解約するのがかなり有効だろう。世界的な名監督たちならこの戦術でハイプレスをかますまである。
名監督たちを置き去りに今回はソロ活ということもあり、1人プレイで行っている。
せっかく1人プレイなのだから好きなものだけ見ようと思って、色んなお店でアクセサリーを見ていた。
私は周りの目が気になるタイプで1人でのお買い物など気が気ではない。そこで気を紛らわす為によく値段当てゲームをする。
ルールは簡単「値段を見ずに当てる」ただそれだけだ。幼稚園児でも駄菓子でできるレベルである。
そんな幼稚園児ゲームをアクセサリー(特にリング)を中心に行った。
ファストファッションブランドから、お嬢様御用達の高級ブランドまで隅から隅まで目利きしてやった。この日の私の目はGA○KTも目ん玉飛び出してご自慢のサングラスを割るほど冴えていた。
とあるファストファッションブランドに入ると、私の欲を掻き立てるリングが数多く並んでいた。
なんとそのリング達はバーコードはあるもののお値段が書いていないのである。もう格付け王の王冠が暴れ出して止まらなくなり、目利きを始めていた。
数あるリングを舐め回すかのように見まくり、王の名に恥じぬ品定めをしてやった。
そしてある程度目利きをして思った。
そーいや値段わかんない!!!
いやお値段分からないから不完全燃焼じゃん!
店員さんに聞くか?いやそれは相手の思うツボだ、ここは戦場、引くわけにはいかない。
そんな葛藤を1人で繰り返して、最後に辿りついた答えが、
よし、買おう。
これである。
私の目利きでは大それた値段では無い。
王を名乗るものとして、国民に恥じぬ買い物をせねばと思ってしまった。(飛んだ勘違い王子である)
リングはずっと欲しかったが、この時の買い物で買う予定など微塵もなかった。
なぜなら金欠の中で生きているからである。
そんな金欠勘違い王子は不覚にもギャンブルに手を出してしまったのだ。
今の自分ならと高を括っていざレジへ。
さあ高く見積もっても3つで3千円だろう。
かかってきなさいと。
店員さん「3点で8千と200円になります。」
?!!!!??!
今世紀最大の大爆死である。
冷や汗が止まらない。
私の冷や汗で干ばつが一瞬にして大汗洪水警報へと早変わりだ。
もう周りの音など何も聞こえない。
薄い財布からお金が走り出すレース開始の音だけがした。
お値段以上どころか、お値段異常である。
レジまで来て引くに引けない。せめてもの足掻きをする為に、プレゼント用にラッピングをして頂いた。
ギャンブルの怖さをこの身にきつく感じた瞬間だった。
もうギャンブルでお買い物はしない、堅実に生きようと心に誓い、リングと共にお店を後にした。
その後ガチャガチャコーナーの300円ガチャで欲しいのが出ず、7回も回したのは記憶に新しい。
人はそう簡単には変われない生き物である。
ギャンブルリング 完
ぐらしあ〜す。