穂先星高校演劇部の恋人たち各EDについて
ご挨拶
こうしてnoteを書くのは初めてになります。皆さまこんにちは、W'sというものになります。以後お見知りおきを。
前置きが長くなりすぎるのも面倒だと思うので、簡単に今回のnoteの説明をばさせていただきます。(小生なんぞのnote読んでいる人の中にはいないと思いますが、そも夢ソンとはなんぞやなどという人は、ぜひ検索したり、放送アーカイブ投稿されると思うのでそちらをご覧ください)
2023年5月12日~13日にかけて行われました、翠華/spica(@_suica_suica_)様主催の『俺達の夢ソン生 番外編 穂先星高校演劇部の恋人たち 製品版』に、恐れ多くも3曲投稿させていただきました。
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投稿させていただく際に、自薦生にて名指しで『bad end概念送りそう』といった内容のコメントがあり、仕方ないなぁとニコニコしながら腕まくりいたしました。
しかしながら、イメソンでは犯罪曲を送りまくっている小生ですが、実は夢ソンにおいては明確なbad end概念は送ったことがないため(君のいない世界には音も色もない はギリギリな気もしますが放送自体はイメソン生なのでセーフということで)、送る際にはせめて、ちゃんとしたhappy end概念を考えたうえでにしようと考えました。
その結果、放送に投稿できない、余所様に投稿することが難しいリクエストが手元に残ってしまいました。それを発散すべく、今回こうして文字にしたためたという経緯になります。
特に面白みのない、ネタも特にないただの文章だらけの投稿となりそうなので、もし読む場合は、気になるヒロインだけなどにすると時間の無駄にならないかと思います。そしてあくまで小生の考えたヒロインの挙動となっておりますので、ご了承ください。
ゲームシステムについて
個人的には、ゲーム中盤~終盤において、遥(阿澄遥=このゲーム、夢ソンの主人公)が抱える問題、もしくは遥とヒロインの間にある問題を解決することができればhappy endのルートに向かい結ばれて終了、解決することができなかったり折り合いが付かないような状態となってしまった場合はbad endのルートにたどり着くというシンプルなもので考えておりました。シナリオは遥くんの1年冬頃から始まり、2年生の梅雨明けに共通ルートの大きな問題を解決した後個別ルート突入、ヒロインと結ばれるのはだいたい2年の秋深まる頃、文化祭のシーズン以降という流れを想定しています。
ルート分岐に関して、本放送中で言及された、『会話中の違和感のあるセリフに対し指摘することができる(その際に選択肢が出るなど)』が楽しそうだと感じました。これを複数回行い、それぞれの結果に応じ、どのヒロインのルートに進むか、個別ルートにおいてhappy endにたどり着けるかどうかといったもので考えています。今後『違和感システム』と呼称します。
また、今回の記すリクエストには直接の関係はありませんが、所謂全キャラ攻略をしたり浮気ルートなどはなく、個別ルートに入った先は『違和感システム』はそのキャラのhappyかbadかを決めるようなシステムを考えています。そも誰かのルートには入れなかった場合は、『違和感システム』が作動するシナリオが抜け落ちた=better endの矢吹可奈ルート突入という形式を想定しています。
また、bad end行きや個別ルート突入できなかった場合は、fateのタイガー道場よろしく、二宮飛鳥がルート攻略のためのヒントをくれるようなメタ空間があると思います。各ヒロインとかかわりのあるサブヒロインが巻き込まれて登場するのもよし、図書室でのイベントで度々登場するサブヒロインの七尾百合子が出てきてもよいですね。
というわけで、次の項目から各ヒロインのルートにおける簡易的な解説およびリクエスト曲です。紹介順はヒロイン紹介の逆順とします。曲の性質上、Bad Endはその終末点を、Happy Endはシナリオの全容を表しているような感じであることが多いです。
再三のお話となりますが、あくまで自分が考えたゲーム内のヒロインたちの挙動となりますので、翠華さんならびにこの文章を読んでいる方々の解釈と異なっていても多めに見てくださいね。
伴田路子
ルート解説
どのヒロインより先にこの子のルートが頭に思い浮かびました。
彼女のルートで陥る問題点としては、≪恋心をとるか演劇部の居場所をとるか≫という、ある種非常にわかりやすく、ゆえに対応が難しいものとなります。
個別ルートでは特に顕著に、遥との絆を深めていき、それと同様に演劇部の部員とも同様に友情を深めていきます。そうして文化祭というある種大きな舞台に向けて舞台装置を作っているときに、本人がまだ意識できていない遥くんへの恋心という得体のしれない感情により、今まで通りのアートが作れなくなるという問題にあたります。遥くんを含め部員は全員心配しますが、路子自身は「自分に与えられた試練ですから、ノープロブレムです」と話し、彼女の抱える感情や問題に気が付いた飛鳥から「彼女を信じて待とう」と言った提案をされます。
路子のルートで一番大変なのは、飛鳥の助言の通り待つことが重要、つまり『違和感システム』を使わないことがtrue endへのカギという、所見攻略難易度の高いヒロインとなっています。
『違和感システム』を用いることにより路子に対し親密になりすぎると早々に恋心に気が付いてしまうこととなります。そして、部活内に遥くんを恋い慕う他ヒロインたちの感情にも気が付くこととなり、彼女は手に入れた演劇部の居場所を守るために、彼女は身を引くこととなります。
そうならないためには、もう後戻りできないほど恋い慕うタイミングで、彼女が恋心を自覚すればよいのです。
というわけで、下記のようなリクエストになります。
Bad End
Love marginal/Printemps
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早々に恋心に気が付いてしまい、いち早く身を引き、部の仲間として、友人として振る舞うエンド。
昔と同じようなアートになってはいるものの、どこか色彩に違和感が残る作品たち。それは彼女が思い浮かべる遥くんの色を無意識的に使ってしまっているのかもしれないし、意識的に色を使うことを避けてしまっているのかもしれない。その違和感を指摘したところで、時すでに遅し。
"最初出会ったあの日が今も消えない
どうして記憶の中で輝いてるの?
――青く透明な私を、返して"
Happy End
カラフル/Claris
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得体のしれない、初めての感情に戸惑い、今まで通りのアートを創れなくなった路子。それでもその謎の感情に振り回されながらも身を任せ、全く新しいアートを生み出した。喜びと興奮、感情に身を任せ「イノベーションです!」と遥に抱き着いたその瞬間、やっと路子はその感情が遥への恋心であると気が付くのであった。
関係ないですけど、放送で路子がハグ好きって話をしていて、それを聞く前からこのシーンを考えていたので、放送中ガッツポーズしていました。
はみ出した色すら利用し、彼女は新たなアートを生み出していく。
"巡る時の中笑って 様々な想い持って
始めよう また一から
――走って行く先に君はいた"
望月杏奈
ルート解説
言わずと知れたツンデレ枠。しかしてただのツンデレではなく、ちゃんとツンからデレへ移行していくタイプのヒロイン。彼女のルートの問題点は、もちろん≪矢吹可奈との関係性について≫です。
幼い頃親の仕事の都合で転校が多かった彼女は、築いてもすぐに無くなってしまう友情に絶望し、次第に現実世界で関係を構築することをやめてしまいました。そして所在によらず関係を維持できるネットゲームの世界に身を置くようになりました。ネットの世界では遥くんと仲良くなり(個人的にはルート終わりやFDでネットで仲良くしていたのが遥くんだと気が付いてほしい派です)、希薄な学校生活においては矢吹可奈が杏奈に声をかけ、現実世界での繋がりを維持しました。
彼女のルートに分岐すると、中盤手前くらいで遥くんが杏奈が考えていたような"可奈を傷つけるようなこと"の事情を知り、遥と杏奈は和解します。それ以降徐々に遥くんと打ち解け、たまには同じ景色をと役者を始めたりもしました。惹かれ始めていることを自覚しつつも、何だかんだ遥くんと可奈が話しているのを見るとお似合いに見え、自分の立ち入る隙は無いと考え、好意をひた隠しにします。
しかし、ふとしたきっかけで可奈に、遥に対する好意を勘付かれたと錯覚し(実際は可奈は何も気が付いていない)、少し距離をとってしまいます。距離をとられていることに気が付いて可奈が遥くんに相談し、そこからどうするかというシナリオになります。
杏奈ルートの『違和感システム』は、自分に対する行動や感情に対してではなく、可奈への遠慮、言い換えると関係性の消失への恐怖感を指摘し、二人の関係性はちょっとやそっとじゃ壊れないことを示し、二人で話し合わせることが大切になります。
というわけで、下記のようなリクエストとなりました。
Bad End
ユキドケ/CHICO with HoneyWorks
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隠した恋心について、本人に告白することも、親友に打ち明けることもできずに時が経ってしまったエンドです。遥くんと可奈は結局再度付き合いはじめ、そんな二人の後ろ姿を安堵と後悔に苛まれる杏奈がそこにあります。
もしかしたら告白していたら違う未来が舞っていたかもしれない。それでも、自分が好きな人と大切な人が幸せになっている。それを見守れることのなんと幸せなことか。そう自分に言い訳をしながら、彼女はいつかまた3人で並んだ時に笑えるよう、そっと好きを融かしていくのでした。
"ユキドケ 春が来るまで「あのね…」
好きでいさせてお願い
――いつかのように三人並んで写真を撮ろうよ"
Happy End
INNOCENCE/藍井エイル
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親友に隠し通そうとしていた思いを打ち明け、恋のライバルとしてお互いを尊重しつつ、その果てに遥くんと結ばれる物語です。
最後の告白のシーンでは、可奈が(杏奈のルートにおける)遥くんに対して抱いている感情が、辛い時に寄り添ってくれた感謝という親愛であることに気が付き、遥くんの背中を押し出し杏奈のもとへと送り出すという展開もいいですよね。
曲の中にある"果てしなく広がった澄み渡る世界"という歌詞も、阿澄遥くん感があっていいかなと思いました。
デバックはここに終わりを迎え、二人のシナリオが続いていく。
"無くすものは何も無い 震える指握りしめ
君の無垢な笑顔だけを焼き付け
――この先にある未来に手を伸ばすから"
箱崎星梨花
ルート解説
中途参戦枠ヒロインにして親愛度MAXにて突撃してくる系ヒロインです。
個人的に、遥くんは星梨花に対して苦手意識というか、引き気味で対応すると思っています。彼女の憧れた役者としての自分は、一度粉々に打ちのめされており、今の自分からして眩しく感じているのではないでしょうか。
そんな星梨花ルートでの問題点は、≪遥くんが目指す役者について≫と、言語化するとややふんわりしていますが、物語および遥くんの根幹へと深く関わるエピソードとなります。個人的な話ではこういった中途参戦ぐいぐいクル系ヒロインは好きなのですが、ストーリーとしては関係性がどうしても他ヒロインと比べて希薄になってしまうので……。
個別ルート内で、遥が役者を目指すきっかけを知り、ただ憧れるだけではなく、その夢を叶えてあげたい、そして叶うならばそこに自分も横に立ちたいと一人決心するのでした。遥くんには横に並び立ちたいではなく一緒に夢を叶えましょうと告げ、彼女が役者を目指す物語のはじまりとなります。
他のルートでは、遥くんへの憧れから彼の魅せ方を参考にしているのですが、彼女のルートでは新たに自分ならではの魅せ方をちゃんと理解し、星梨花自身の自己評価はともかく遥と並び立つ実力を手にします。そんな風に自分の夢を理解してくれて、叶うことを疑うこともなく全幅の信頼置いてくれる様、懸命に努力する姿などに心惹かれます。
いよいよ告白という文化祭のステージ後、とある有名プロダクションから星梨花をスカウトしたいという話がでてきます。自分が役者として実力不足と感じている星梨花は、今ここで先輩とともに過ごす時間を大事にするか、将来役者として大成した先輩に並び立つためにスカウトを受けるのかを迷います。遥くんは一抹の寂しさを覚えながら、今度は自分が彼女の夢を応援する番だとスカウトの話を受けることを支持し、星梨花も先輩が言うならとその話を受ける方向で進みます。それを如何にして一緒に歩む方向にもっていくか、という流れになります。
このルートの『違和感システム』は少し特殊で、星梨花本人ではなく、周囲の人に対して使用するものとなります。星梨花はあくまで遥の夢を叶えることが第一、そこに自分がいられたら幸せという思考ですので、プレイヤーからはInterludeやAnother sideという遥くんの知らないところで分かりきっているものの、遥くんに対してはそういった愛情は見せない子です(分かりやすい子ではありますが)。そこを崩すのは周囲のぽろっとした発言に気が付けるかというものが自然かと。周囲からは気が付いてなかったことに呆れられつつも、星梨花の自分に対する感情に気が付き、クライマックスへ……という進み方だと思っています。
余談ですが、星梨花の詰め方だけ文章量おかしくね? となるかもしれませんが、自薦生で勝利ヒロインのヴィジョンが見えづらいと言われてたことから、子細を詰めた形です。
というわけで、下記のようなリクエストになりました。
Bad End
君を待つ/Aimer
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役者として我武者羅に努力した結果早期に大成し、結果として離れ離れになってしまうエンドです。
遥くんは知らず知らずの内に大切な存在となった彼女への感情に気が付き、早く追いつけるように努力しますが、なかなか成長ができないまま歯がゆい思いをしてしまいます。それもそのはず、もともと目的・夢としての役者の道が、今では手段となってしまっているのですから。
星梨花も決断してしまった手前、自分から歩み寄ることは遥くんへの冒涜となってしまうためそれもできません。そうして、星梨花はいつまでも遥くんのことを待ち続けるのでした。
"眠れない夜見上げた空 ちりばめられた星屑を
指でつないで十字の鳥、翼求め、手を伸ばす
――幾千年も変わらず君を待つ"
Happy End
starlog/Choucho
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役者としての道を二人で寄り添いながら歩み始めるエンド。夜空にかかる星が星座を形作るように、二人の軌跡は光り輝くものとなりましょう。
もしかしたら、別々の道を歩むほうが幼き日からの夢は叶えやすいのかもしれない。それでも、二人で一緒にたどり着きたいと強く願ったから。少年少女は、今も未来も幸せで、夢かなう場所にたどり着けるように全力で生きていく。
欲張りになることを躊躇わないと決めた彼女を、止めることはできない。
"手を伸ばせない場所にはいかない
そっと手が触れる距離にいたい
――一つ一つ輝くだけじゃ見えない未来照らしたい"
佐竹美奈子
ルート解説
個人的に一番解釈に難渋したヒロインとなっております。明確な捕食・被捕食の関係であるので(確信)、遥くんが大人しく食べられればいいじゃんと思っていました。しかしながら如何せんこれはギャルゲーなので、それだけで終わるというのも味気ないもの。お恥ずかしながら本放送までに概念すら生み出すことができなかったのですが、そこは百戦錬磨の猛者たち。放送を聞いて朧げながら≪主人公との関係性について≫という問題点に至ります。
彼女は唯一の、演劇部に属していないヒロインであり、その立ち位置は確固たる特徴ではありますが、それ故の明確な弱点としても同様に存在します。活動を共にしていないことによる、問題解決の少なさです。
ギャルゲにおいて有効なヒロインとの関係性の深め方は、二人の眼前に立ち塞がる、時に二人の間を引き裂くような問題を解決することで仲が深まるというものがメジャーだと思っています。そして学生という世界観において最もその問題を発生させやすいものの一つが部活動です。これがヒロインそれぞれ別の部活に所属しているのであればまだ、主人公のお人好しで首を突っ込んでいくこともできようものですが、今回は唯一であり、物語も演劇部を中心に回ることを考えると、このルートだけ他の舞台を作り出すというのはあまり得策とは言えません。
そんなこんなで迷っていたのですが、答えはタイトルにありました。穂先星高校演劇部の恋人たち、やはり演劇部には欠かせない人物であったということにすればいいのです。そう考えた瞬間、部室に差し入れをし、みんなの食事をニコニコしながら見守り、体育館などへ練習に行く後ろ姿をいってらっしゃいと見送る姿が目に浮かびました。これを執筆している現時点では捕食者ではなく母親のような人物という印象となっております。そんなルートですので『違和感システム』は比較的楽な部類で、やや遠慮気味なっている美奈子先輩に差し入れ楽しみにしていますと言ってみたり、部活内での立ち回りから肥えさせようとしているのは自分に対してではないと安心したりというものになると思います。それはそれとして美奈子先輩は恐らく遥くんを重点的に肥えさせようとしていることに間違いはないのですが。
というわけで、下記のような2曲になりました。
Bad End
Pretender/Official髭男dism
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ちょうどいい感じの曇り顔画像がなかったので、卒業式的な画像を想定しています。
演劇部の輪には入ることもなく、次第と関係は薄れる。遥くんのバイトも次第に減り、顔を合わせることも減った。それでも、繋がりを保とうとするが、やはり恋仲にはなることができなかった。
卒業式、仲の良い友人たちと話しながら、思い出を振り返る。遠くに見える演劇部に、時折視線を奪われながら。
"ずっとそばにいたって 結局ただの観客だ
――君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ"
Happy End
あなたの帰る場所/Rita
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OP尺であれば、ホームメイドスイート―ピーというゲームのものになります。
小さないざこざを解決しつつ差し入れまでしてくれる、演劇部にとってかけがえのない存在となった。そして彼女のそういった、恐怖という色眼鏡を外したことで見えてきた魅力に惹かれていく話です。
大成功した日も、うまくいかず落ち込んだ日も、帰った先には彼女の変わらぬ満点の笑顔。そんな姿に、何度も助けられた。これから何度救われることだろう。そんな彼女に恋をするのだ。
フォアグラ的な思考は、いつしか至高の優しさに包まれていく。
"不安なまま眠れない夜も ひとり涙こぼした夜も
隠さなくていいんだよそれは あなたの未来作るから
――そしてあなたの帰る場所は いつでも私の隣"
真壁瑞希
ルート解説
幼馴染お姉さんヒロインです。感情を読みにくいながらも、2周目以降になると些細な表情の変化やセリフの間の置き方で分かるようになってきて、周回が楽しくなるタイプのヒロインです。
彼女の問題としては分かりやすく、過去にあったことを思い出すか……でもいいのですが、一歩先へ行って≪昔の自分との折り合いの付け方≫だと思ってます。昔のことを思い出すのは、個別ルートの割と初期、遅くとも中盤以降にはならないと考えております。
基本的に、星梨花ルートを除き遥くんは将来、役者としての人生を歩むことは無いと考えております。瑞希ルートでもそれは例外ではありません。幼い頃の夢である役者は、今でも遥くんに影響していますが、将来の夢を目指してというよりはモラトリアム的な感覚で部活に臨んでおり、矢吹可奈との約束を果たすことを目的としていると思います。
ここからは過去捏造なのですが、瑞希との出会いは地域の演劇同好会的な場だと思います。小さい頃から感情の表出が苦手であった瑞希が、親の勧めで同好会に通い始め、でもうまくはいかずに泣きそうになっているところに遥くんが声をかけた、という形ではないでしょうか。演劇の天才児である遥くんは、表現の一面として感情の機微に敏感であったため、瑞希の表情の機微をくみ取ることができました。そのため、「僕が全部わかってあげられるからそのままでもいいと思うよ」みたいなことを言ったのではないでしょうか。全く罪作りな主人公です。その時に見た笑顔が初恋だったりしてほしいです。
しかし現代の遥くんは、再開したとはいえ数年の演劇ブランクがある身であり、昔ほど感情の違和を敏感には感じることができません(とはいえ人よりは優れているため、『違和感システム』が発生するわけです)。それはさておき過去の発言とは矛盾する今の自分に対して、彼女との約束をたがえてしまっていると考え、自分にはふさわしくないと思ってしまいます。けれど瑞希はその発言に関してよりも、いつも無表情に近く誰も近づかなかった自分に対して、声をかけて手を差し出してくれたことを何よりも嬉しく思っているため、自分の感情を読み取ってくれるかどうかは大きな問題とは考えていないのでした。
過去の自分とは違うが、それでも再び彼女に寄り添うことができるか。寄り添うことを自分が許すことができるのか。それが重要となっていくと思います。このシナリオは唯一、シナリオ後半で『違和感システム』を使わずに選択肢のみでハッピーエンドにたどり着くことができ、逆に何もないところで使いすぎると、遥くんが自分の不甲斐なさに呆れハッピーエンドにたどり着けなくなります。加えて前半のわかりやすい違和感システムで気が付けないと、瑞希サイドからの働きかけで過去のことに気が付くことになり、『違和感システム』でのバッド突入の回数がシビアになります。
というわけで、下記の曲で提出いたします。
Bad End
ハッピーエンド/back number
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過去の自分と折り合いをつけることができず、彼女にふさわしくないと思い込み、そのまま結ばれることのないエンド。
お互いがお互いを好きなのに、遥くんの優しさ、悪い言い方をするとエゴで二人は一緒になることは無かった。これが一番良い選択肢と、そう考えてしまうかもしれないが、それは果たして彼女にとって望む結果であったのだろうか。プレイヤーが一番うずうずしてしまうシナリオとなっています。
"私をずっと覚えていて なんてね嘘だよ
――泣かない私に少しほっとした顔のあなた
相変わらず暢気ね そこも大好きよ"
Happy End
Over The Distance/志熊理科(福圓美里)
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この曲を全体エンディングにする構想もありました。
過去の自分とは違うけれど、それでも瑞希と一緒に歩み始める物語です。
あの頃のように全てを察してくれないかもしれない。カッコよく導いてはくれないのかもしれない。それでも、ありのままの自分の姿でも、隣で一緒にいてくれる、それが変わっていないから。そして自分のことを真剣に考えてくれている、それが何よりも嬉しいから。
穂先星高校生徒会会議議事録は、彼女の隠したアプローチを映し出す。
"どんな昨日より今日この日が嬉しいから
ずっとずっと待ってた日だから
――二人で歩き始めようよ"
矢吹可奈
ルート解説
言わずと知れたメインヒロインです。たとえ翠華さんがこのゲームにメインヒロインという概念を考えていなかったとしても、この場ではあるということにしておいてください。もちろん(?)メインヒロインなので、他のヒロインと異なり3ルート存在します。
彼女のルートにおいての問題点は2つあり、≪中学時代に付き合っていたこと≫と≪別れるきっかけになった出来事の清算≫となります。
中学時代の遥くんは、おそらく現在の遥くんより、もっと自信に満ち満ちており、とはいえ役者としては発展途上の存在であり、少し危うい印象もあったのでしょう。一方可奈は、一度自分の歌声に自信を失いかけていたこともあったことを踏まえると、遥くんに惹かれた一つの要因として、自分の好きなものを一心に極めていく姿というところもあったでしょう。
では、現在の遥くんはどうかというと、もちろん演技には真剣ではありますが、おそらく他にもやるべきことや寄り道などもする、悪く言えば意識散漫な、良い言い方をすれば地に足の付いた活動をしていると思います。それは、一度夢を諦めた故に出来た余裕というべきでしょうか。演技を楽しみつつものめりこみすぎず、学校生活を謳歌します。きっとそれは、遥くんが、一つのことに真剣になる際には別のものを疎かにしてしまうということを、遥くん自身が気が付いたからでしょう。
そして、遥くんが演劇部にのめりこまない理由があるとしたら、自分が演劇をする以外の李ゆがあったからではないでしょうか。もしかしたら遥くんの演劇部を立ち上げた最大の理由は、自分が支えきれずに合唱部をやめてしまった可奈のことを、もう一度舞台の上で歌わせてあげたい、歌っている姿を見たい、歌ってもらうことを贖罪にしたいと、スマホを忘れたあの日、廊下に響いていた寂しそうな歌声を聴き、そう考えたのではないでしょうか。
何はともあれ、可奈が好きになった遥くんのとの違いが、可奈の中でどのように意識するか。これが第一の問題です。
そして第二の問題に関して、中学時代の部活動をやめてしまった出来事に関して、身も蓋もない言い方をすれば恋愛にかまけていたということになりましょう。可奈はもともと不安定な足場のもとで活動しており、遥くんは演劇一辺倒に考えていたところを恋愛にも目を向けるようになり、そんな中で支え合おうとした結果、どっちつかずとなり破綻してしまいました。
では、二人の付き合い方はどのようなものが良いのか。月並みな表現ではありますが、支え合うのではなく手を取り合うような、向き合うのではなく並び立つような、常に見つめ合うのではなく時々視線が合って笑いあうような、そんな関係が良いのではないかと思いました(最後の最後でふんわりとした概念になってしまって申し訳ありません……)。
『違和感システム』としてはスタンダートなものであり、一切の正解がないとバッドエンド、全てを指摘できるとハッピーエンド、他はベターエンドとなります。
というわけで、下記の3曲をリクエストします。
Bad End
二人の季節/三日月夜空(井上麻里奈)
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元の関係に戻ることすらできなかった終末です。決心は何も伝わらず、託した夢がかなうことは無い。二人は背中を向け、別々の道を歩み始める。
ちなみに他のヒロインとは異なり、両思いであったのに結ばれないわけではなく、可奈からの親愛度が足らないエンディングであるため、この曲だけ遥→可奈となっています。
"「君を傷つけない」約束もできない 引き止める手はもうない
――きみの瞳に映るのは強さで 包み込む言葉で
僕の胸の中にそれは居なくて"
Better End
With Tomorrow/夢乃ゆき
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結ばれたものの、中学時代のように可奈を支えるために尽力するルート。しかし今度は遥くんが自身の夢に対し積極的ではないため、傍目からすればうまくいっているカップルなのでしょう。ただ、遥くんはつい夢想するのです。自分が見たかった彼女はこのような姿だったのだろうか。もっと、自由に、楽しく、堂々としている彼女を見たかったのではなかったのか。
そんなことを頭の片隅で考えながら、彼女との日々を過ごしていく。あの日の守ろうと強く誓った、どこか弱弱しい笑顔を見つめながら。
"唇が覚えた 感情の名前を呼びながら
この道を歩いてる僕らは
あの日の笑顔のまま"
Happy End
虹の音/藍井エイル
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二人が自己を殺し、支え合うことはもう無い。手を繋ぎ、お互いが目指すものを見つめ、そこに向かってまっすぐに歩く。時にお互いに視線を向けその姿に勇気をもらい、視線が合えば笑い合う。立ち止まることがあれば隣にそっと寄り添い、歩き出すときを待つ。
演劇部を通して、二人は等身大の自分を見つけ出しした。これからは二人の歩幅で、最高のエンドロールを目指すのでしょう。
あの日かからなかった虹は、今度こそ二人の前で空へと架かる。
"君と手を繋いで歩む世界ならきっと
どんな明日も明るくて
新しい季節を重ねてく この先も二人で
色とりどりに芽吹き鮮やかな景色は
虹色に輝く"
終わりに
というわけで、穂先星高校演劇部の恋人たちについて、小生が考えた各EDでした。
各ルートそれぞれ、曲を考えてからルートの詳細を決めたり、ルートを想像してから手持ちの曲を探し出したりなど、探し方がやや甘い部分もあります。おそらくもっと合致する曲があるはずですが、さすがにLAST CHAPTERも終了しているため、時期を逃してしまいそうということもあり、曲探しを終了としました。
イメソン界隈に参入して、夢ソンも含めて何度か曲を投稿してきたところですが、今回の設定は新鮮で、とても楽しく考え込むことができました。また他の人のギャルゲー夢ソンを待ちわびたり、自分でも思いついたら”僕の考えた最強のギャルゲー”を作ってみたりと楽しみが増えました(実際に自分や誰かがやるかは不明ですが)。
それに加え、ギャルゲーや乙女ゲー、エロゲー楽曲のイメソン生がやりたいところですね。現時点で配信環境整っていないのと、素直にトーク力が備わっていないので、そのあたりが揃ったらぜひやりたいところです。
以上、トーク力だけでなく文章力も壊滅的なことに定評のある、W'sの駄文でした。もしこんな書き散らしをここまで読んでいただけている人がいるのであれば、精いっぱいの感謝を。
……こいつ、ただでさえ知名度も自事務所設定やアイドルとの関係も薄い中で夢ソンに参戦してるのに、いつまで余所の夢ソン生を考えているんでしょうね?