悲しきへどろん
こいつは、悲しさのあまり閉じこもり
思いが凝り固まってしまった「へどろん」である。
長すぎる沈黙のため、いつしか話すことさえ忘れていた。
そして気づいた時には、話すための口がなくなっていた。
へどろんには、時に噴出する思いが
地の底から湧き上がるように込み上げてくる…。
しかしその思いを吐露する口がない
誰かに聞いてもらうことすらできないのだ。
それはいつしか止めどなく流れる涙の道となって
へどろんの顔に刻まれた
へどろんの唯一の心の救い、
楽しみは、誰かの役にたつこと
口の代わりにへどろんには能力が生まれた。
エネルギーで腕を生やせるのだ。
そしてその腕はなんにでも変化し、へどろんの思いのままになる
笑顔のなくなったへどろんに笑顔が蘇る瞬間である
それは、困っている人を助けること。
生きていてよかった…。
今日もへどろんは、そう思うのだ
悲しきへどろん🍊