極大値って?

授業の予習をしていて改めて思った。

"極大値と最大値って何が違うんや!"

これも数学が得意な人なら
「そんな違い簡単や!あーだこーだ!」で終わるだろう。

しかし「最大値とは何か」と聞かれてどれだけの人数がきちんと答えられるだろうか。

今回は最大値と極大値の違いを英語の観点から見ていく。

以下では特に通常の平面を考えているとする。
つまりf:ℝ→ℝであるとする。


定義を見てみる

最大値の定義

最大値(maximum)の定義

I⊂ℝを定義域とする。
任意のIの点xに対してf(x)≦f(a)
となるf(a)をIでの最大値という。

つまり定義域全体を見て一番大きいものを最大値としよう!というものである。
次に極大値を見ていく

極大値の定義

極大値(local maximum)の定義

ある正の数εが存在して、
a-ε<x<a+εならば
f(x)≦f(a)
となるf(a)を極大値という。

つまりlocalに見た時に一番大きいものを極大値と言おう!というわけだ。

イメージ図

さて二つの違いは全体で見ているか、localに見ているかの違いだった。
したがって極大値の英語訳はそうなっている。
一方で日本語訳は最大値との関連性がイマイチ見えにくいのではないか。
もし正しく日本語訳するなら「近くを見た時の一番大きい値」とでもするべきか。

これは最小値と極小値にも同じことが言える。
数学IIで初めて極値という概念に触れたときに「最大や最小と何が違うんだろう?」というのは一度は考えたことがあるようなことだと思う。
日本語訳が上手いものももちろんあるが、日本語訳だけに捉われていては本質を見抜くのに時間がかかってしまう。(経験談)
ベクトル解析で言えばdivの発散がその例だと思う。
やはり色々な言語を知っておくことは学問をする上で大切なんだろうと強く感じた。

この二つの違いを理解すれば次は明らかであろう。

最大値ならば極大値

また上の話とはあまり関係ないかもしれないが受験の意味においては以下はとても大切である。

受験では

x=α極値をもつ ならば f'(α)=0

証明は簡単なので簡単に紹介だけ。

εは十分小さいものを考えている

必要性から確かめて十分性を確認させる典型問題だろう。テストの時に一部の人は「あんなにも先生が口酸っぱく言っていた」のに間違えていた。
確かに「なぜ確認する必要があるか?」の説明が不足していたことは否めない。だが数学の論理としてきちんと理解出来ていれば答えれるはず。
受験の意味でよく使うものなので覚えておくと良いと思う。

あとがき的なやつ

専門的に数学を学んでいて、やっぱり英語の方が便利だなと思うことは多々ある。
例えば「開集合はopen set」で訳が上手いというより位相の話で何度も書くってなればどっちの方が便利か?と思う。
他にも部分群(subgroup)や冪集合(power set)などあげればたくさんある。
英語苦手で逃げ続けてきたけど、逃げられないところまで来てしまったのかな、、と思った。

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