スラムダンクの映画を11回見に行ってオタクに目覚めた話。



 スラムダンクとの出会いはちょうどコロナ禍だった。その頃、人生で始めて精神的に死にそうになってたときだった。

 どうにもうまくいかない現実にひたすらのたうち回っていた。目眩は止まらないし、ひたすら天井を眺めているそんなゴミみたいな日々だった。

 そんな時に、スラムダンクはひょっこりと現れた。たまたまAmazonプライムに入っていたのを見つけた。第一印象はなんか伝説級に人気な漫画のヤツがある。見てみるかと、ポチッとスタートボタンを押したのが始まりだった。そこから、すぐに観終わった。そして、すぐさま漫画Amazonでポチった。

 気がついたら11回見に行っていた。スラムダンクの映画は素晴らしかった。オープニングから、かっこいい。そしえ愛しのみっちーしかり馴染みのメンバーが現れた。

 最初は三井、こいつなんなんだ。じゃまするなよってイライラしてたけど、まさかヤツの涙に涙することになるとは思わなかった。

 とにかくスラムダンクは衝撃だった。なんか、能力とか才能とか以前に、私たちは今を生きているんだなってつくづく思った。

 中盤で、グレてる三井とりょーちんが屋上でケンカしているシーンは泣いた。三井のあの光のない目が自分を見ているようで痛かった。自分も、あんな目をしている時があった。なんかもうどうでもよくなって絶望してる毎日だったなって胸が痛くなった。

 ちなみに、映画館ではノーポップコーン&ノードリンクである。だって、めちゃくちゃいいところでトイレに行きたくなったら困るから。(おかげで、泣きすぎて酸欠になった)

そして、11回も通って、DVDも買って、とにかくスラムダンク愛に目覚めた。

 今まで、自分がオタクであることに引け目を感じていた。なんか、あんまりよくないのかなとか、オタクであることに自信がなかった。オタクってどこからがオタクなんだろうとか。   


 けど、気づいたのだ。あれ、自分もしかしてオタクなんじゃないか。

 好きなものを好きって言えることは最高だった。スラムダンクが好きだから、漫画もイラスト本も集めた。そしてスラムダンクコーナーも気がついたら家の一角に誕生してた。 

 その集める間も後も、楽しいはずっと続いている。わたしが怖かったのは、周りの人からそんなことが楽しいの?って言われることだった。子供の頃は、それが悪いことなのかもって思い込んでた。けど、そんなのはそもそも間違ってる。

 わたしは、スラムダンクに出会ってオタクでいることの喜びにであった。好きなものを追いかけて、集めて、そこから泣いたり笑ったり。それだけでわたしは幸せなのだ。

 だから、わたしは世界最高のオタクになりたいっていうよくわからない夢ができた。具体的な活動方針はよくわかってないけど、とりあえずオタクライフをエンジョイしよう。

 つまり、オタクはみんな最高だ。




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