ICF SUP世界選手権 ディスタンスレース#1
11月24日大会最終日、約12㎞のディスタンスレースが開催されました。世界選手権の出場が決まってからの約1ヶ月間はこのレースでベストを出すことを目標にやってきました。
当日の予報は晴天弱風でしたので、大会コースは無風フラット海面と予想できました。最も想定して練習してきたコンディションだったので、レースの作戦なども今まで考えてきた通りの内容で臨むことができました。
コースはレース会場のNather Benderson Parkの大きな池を時計回りに2周とちょっと漕ぐコース設定でした。基本的には岸沿いを進むコース設定でしたが、一か所だけ幅20m程の細い水路になっている箇所が約500mあります。全体的に見るとシンプルなコースだと感じます。
レースは11:00スタートでしたので、ウォーミングアップしたり、レース中のドリンクやエネルギーを準備するにはちょうど良いタイムスケジュールでした。
ボード置き場からスタートラインまでは1~2km程離れていたので、ウォーミングアップを兼ねて移動しました。
スタートラインは200m程の幅に全員が並びます。左岸に近い方は1stマークへ最短距離のラインが取れることもあり、かなり混雑していました。水上に線が引いてあるわけでもなく目印が曖昧なスタートラインなので、全員がはみ出さず綺麗に並ぶことはできず、スターターは選手の整列に苦労して何度も拡声器でアナウンスをしていました。
自分も当初は左端の方へいましたが、パドルを刺す場所も無く両隣の選手のボードが自分のボードと直接接触している状況であり、スターターの指示の多さに周りの雰囲気が混乱しはじめていると感じたので、スタート時刻の直前にスペースに余裕がありそうな真ん中へ移動しました。
スタート時刻は過ぎましたがスタートラインの調整が続き、なかなかスタートのホーンは鳴りません。拡声器から「青いボードは出すぎ!下がって!」というような強い指示が出続ける状況でした。全員のラインが揃ったタイミングでスタートのホーンが鳴るのだと理解しました。
その様な状況の中、数分が経過しました。かなり時間が掛かっていたので「あまりにも悪質な選手はペナルティが課せられるかもしれない」と思い、目立たないように周りの選手より1/3艇身ほどノーズを下げて待っていたのですが、何かのタイミングで後ろにはじき出されてしまいました。
「これはマズい」と思いましたが、さらに空いている右側に移動するにも、いつスタートするかわからない状況でボードを横向きにするわけにはいかず、もう一度ねじ込むタイミングを待つかほかの選手の真後ろからスタートするしかありませんでした。
それからまたも数分経ち、やっとスタートホーンが鳴りました。自分は1艇身後ろからのスタートになってしまいました。あまりの密集状態で落水している選手も多くいました。
特に最初の1kmは引き波でかなり荒れていました。自分はボードに安定感があったので落水したりバランスを大きく崩すことはありませんでしたが、やはり漕ぎにくい海面でした。
自分の前を行く選手たちの中でも落水する選手が数名いました。自分より速い選手がこれほど多く落水する場面は初めて見ました。こういった選手たちに上手に付いていきたいところでしたが、ドラフティングにも入りずらい荒れた海面だったので自分に有利な様に周りの選手を使うことはできませんでした。
スタートから1.5kmほどの1stブイでは水面も落ち着いてくると、周りの選手の様子も速い選手が遅れているという感じも無くなり、実力の近しい選手たちが集まってきたと感じました。この中でレースの駆け引きが始まっていくのかと気を引き締める場面でした。守りに入りすぎてもダメ、攻めすぎてバテてもダメ(自分は攻めすぎてバテた経験はないので攻める展開を心がけています)と、上手に集団の動きを見極めないといけないと感じました。
ここから細い水路に入るのでまた水面が荒れてくると思い、前の選手の後ろに入ろうと思ってペースを上げました。思ったより距離もかかり、少し息も上がりましたが前の選手にドラフティングで付くことができ一息つくことができました。
今までこういった場面でペースを上げることができず反省することが多かったのですが、今回は良い判断とアクションができました。
この時点で5~6人の集団が形成されていたと思います。水路を抜けて、また広い池へと展開してゆきます。
ICF SUP世界選手権 ディスタンスレース#1 おわり
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