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ICF SUP世界選手権 ディスタンスレース#2

ディスタンスレースの続きです。

レースも中盤に差し掛かり、集団が形成されてきました。ドラフティング(先行選手の真後ろに入って漕ぐこと)に入るとちょっと余裕を感じるくらいのペースでした。集団に入る時にダッシュしたので、息を整えながら漕げる心地よいペースが続きましたが、一つ前の集団に追いつけるという希望も残っていたので自分からいろいろと動いてペースアップをしたいところです。

他の選手は誰一人知りませんでしたが、「こういう状況ではこの人はこう動きそう」みたいなのが少しわかってきました。というよりも、自分の技術やスピードではペースを上げて一人だけ集団から抜け出すことはできなかったので、何かしら予想を立て、集団の中で最良の判断をしていくことになりました。
完全なフラットウォーターだったので波や風などのコンディションの変化はほとんど気にする必要が無く、まわりや自分の状態に集中することができます。コースもシンプルなので余計なことを考える必要はありませんでした。
先頭を漕いでペースが落ちてくるとドラフティングに入り、また余裕が出てきたらペースアップという感じで進んでいきました。

途中の展開は正直なところあまり覚えていないのですが、印象的な場面としては、ひとつ前の集団に追いつくことができないと分かったタイミングが遅く、集団内での勝負になると気づくのが遅かったかなと思います。
ラスト1-2kmの直線でまわりのペースが一気に上がってきました。「やはりセーブしていたのかも」と少し不安になりますが、自分も離されないように必死で付いていきます。
エネルギーがどんどん消費され胃が締め付けられるような苦しい感覚がありますが、これはいつも経験しています。終盤のペースアップでは苦しさと体力が持たないかもという不安を毎回感じますが、「今回も大丈夫」と自分に言い聞かせて無我夢中で漕ぎ、ピッチとペースを上げれるだけ上げていきます。

コース脇の目印がわかりやすいのでゴールまでの距離も計算ができました。「残り1kmならいつもの練習ではこんな感じ、残り500mなら自分のホームビーチではあそこからあそこくらい」といった感じで普段の練習の積み重ねが自信に変わります。
まわりに抜かれるわけにはいかない、1秒でも1cmでも前へ前へという気持ちでプッシュし続けます。

これまでの練習や準備の集大成であるレースがあと数分で終わってしまう。今回も満足する内容や結果には至らないままゴールしてしまう。
といったことをよく考えているように思います。競っている時は無心で漕いでいるので明確に思考しているわけではないのですが、このような感情として悔しさと共にゴールすることが多いです。

今回はそれに加えて安心感。精神的にも体力的にも全力を尽くしたレースを終えれたということに安心しました。
時間とともに満足感や達成感、後悔、無念、などなど様々思うところはありましたがゴール直後は安心感や安堵感が大きかったように思います。

自分の順位は下位のためなかなか正確な数字は出ませんでしたが、幾度かの修正の後、62/74位だったことがわかりました。
こうして世界選手権の全ての競技を終えることができました。


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