家庭に居場所がないトー横キッズの日常⑤
足早に人が行き交う交差点が透明な炎で燃えている。
普段「病む」とか「氏にたい」とか言っている口から、今は「暑い」しか出ない。
客とホテルで会う予定がない私たちは、ホームレスについて行った。
おかげで冷房の効いた場所にあり着き、私たちは「生き返る」と白い歯を見せ合った。
〈奥原しおんのプロフィール〉
【路上生活者の暑さ対策】
・図書館で涼む
・図書館にある無料の水を飲む
・デパートで涼む
・風が涼しい川沿いにいる
・すだれをかけるなど小屋に工夫する
・噴水など風の通りの良いところで寝る
・木陰で動かない
参考:
その子は明け方の青い空気の中に溶け込んでいた。
虚ろな目をして替えのパンツの入ったビニール袋を片手におぼつかない足取りで歩いていた。
居合わせた奥原しおんは(何かがあったのだろう)と察したが相応しい言葉が見つからず声をかけられなかった。
やがてその子はまた、口の達者な男に連れて行かれた。
【41歳の男性によるトー横小6児童の性的暴行について】
▢概要
41歳の男が、東京新宿区歌舞伎町の東方ビルの横(通称「トー横」)で知り合った小学6年生の女の子に性的暴行をしたとして逮捕された。
▢経緯
2024年4月10日、女の子が「悩みに共感してほしい」とトー横に家出する。
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同日の3時頃、高橋容疑者が「新宿で一番かわいいね。お金をあげるからホテルに行こう」などと家出中の女の子(被害者)に声をかける。
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高橋容疑者が女の子をホテルに連れ込む。
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女の子が「自分が小学生だ」と伝えるが、高橋容疑者が「5000円あげるから触らせて」と現金5,000円を渡して要求し暴行する。
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女の子がトー横に戻る。同日中に21歳の男性からも性的被害に遭う。
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翌4月11日、女の子が30歳の男性からも性的被害に遭う。
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女の子の家出に気づいた母親が通報、警察官が別の男と歩く女の子を発見し保護。
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女の子の話から高橋容疑者の存在が浮かび上がる。
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7月10日、警視庁少年育成課が不同意性交と児童買春ポルノ禁止法違反の疑いで高橋充容疑者を逮捕。
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高橋容疑者は「中学生か高校生と思ったが、年齢は聞いていない」と容疑を一部否認している。
▢容疑者に関する情報
氏名:高橋充
年齢:41歳
職業:会社員(埼玉県ふじみ野市市沢)
その他:「歌舞伎町でよくナンパしていた」と話しているため、
日常的に未成年に声をかけていた可能性がある。
参考:
https://news.yahoo.co.jp/articles/597ae52903ce150c6f3c02ebba8e97d3421ab7bd
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024071000569&g=soc
https://www.fnn.jp/articles/-/726526
「帰ってきて」と懇願する母親に、奥原しおんは地面に座り込んだままあっかんべーをした。
舌はオーバードーズの影響で青くなっている。
奥原しおんは母親の愛情を試したのだった。
頬を引っ叩いて病院に引きずるように連れて行ってくれるのを期待していた。
母親は言った。
「もう、家に帰ってもカキ氷くらい食べさせてあげるのに……。」
【トー横キッズのオーバードーズについて】
▢オーバードーズとは
・オーバードーズとは規定量を超過した量の医薬品を飲み体調を崩すこと
・オーバードーズは多くのケースにおいて軽症で済むものの、脱水で腎臓が悪くなって集中治療室での治療が必要になったり意識がなくなったりする人もいる
▢トー横キッズがオーバードーズに関係している情報
・2023年11月、「トー横」周辺で無許可で市販薬を販売したとして、16〜22歳の男女4人を医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕された。容疑者たちは定価を下回る値段で販売しており、自宅などから約2000錠の市販薬が見つかった
・2024年2月、グリ下で知り合った女子中学生に処方薬の睡眠導入剤を渡した麻薬取締法違反の疑いで、「グリ下の帝王」と呼ばれた男が大阪府警に逮捕された
・2024年に都内で自殺目的で鎮痛薬などを飲み救急搬送された人は去年1561人と、5年前のおよそ1.5倍になり、10代と20代の若い世代では2倍近くに増加した
・厚生労働省の研究班がオーバードーズで救急搬送された人を対象に行った調査では、6割余りが実店舗で市販薬を購入した
・金もうけのために未成年者が薬漬けにされるパターンがある
・トー横キッズがオーバードーズに使う薬は咳止め薬と風邪薬を使う人が多い
・トー横キッズは薬をジュースやアルコール飲料などと一緒に飲んでいる
▢なぜオーバードーズをするのか
・オーバードーズすると脳が働かなくなり苦しい現実を忘れられるから
・楽な方法であるためオーバードーズを繰り返してしまう
▢対策
・20歳未満に対しては複数の販売を禁止して1箱のみの販売とすることや、乱用目的ではないかの確認を薬剤師などが行うこと、それに、購入者の名前を写真付きの身分証で確認し、販売した情報を記録することなどの対策がされている