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【日々の気づき】エスカレーターでの出来事

いつもはHSからの言葉を書くのですが、今朝起こった印象的な出来事から気づきがあったので綴ってみたいと思います。

今朝、通勤時間帯の混雑の中、新橋駅のエスカレーターに乗っていました。

私の使っている路線は地下深くにあり、長い長いエスカレーターを2回乗らなければなりません。いつも大混雑です。
東京では左が立って乗る人のレーン、右が歩いて上る人のレーンという暗黙のルールみたいなものがあり、私も特にそれに対して疑問を持ったことはありませんでした。

今日は非常に左側が混んでいたので右側の列に並びエスカレーターに乗りました。ところが前のおじさんが進んで行きません。

「???」
右側が進むってことに気づいていないのかな?と思いつつも、特段、急いでもいない私はそのまま立ち止まってその方の後ろに乗っていました。

ところが、後ろの女性が急いでいる様子で「すみません、進んでもらえますか?」と私に言ってきます。仕方ないので、それをそのまま伝言ゲームよろしく前の方に伝えます。
「すみません、進んでもらえますか」と。

そしたら前の方が振り返って「エスカレーターは歩いてはいけない。右側は歩いて上るなんてルールはどこにもないんだ。」と言います。

正直、面食らいました。
みんな右側は歩いて上っているし、そういうものでしょ?と思っていました。
「エスカレーターは歩いて上ってはいけないものなんだ。そんなに歩きたいなら階段を昇ればよろしい」と更に追い打ちをかけてきます。

後ろの方と顔を見合わせ、「仕方ないな」と思って黙ってそのまま乗りました。

この出来事を経て、思った疑問が2つ。
「エスカレーターのルールは実際、どうなのだろう?」
「あの行動は本当に正しいのだろうか?」

確かにエスカレーターでは「駆け下りたりしないでください」とアナウンスが流れているけれど、みんな歩いて上っているし
それで事故が発生したという話は聞いた覚えがない。
いや、大事故になっていないだけで、本当は色々あったりするのかな?

気になってすぐにググります。
5分ぐらいでパパっと調べた感じでは、
・埼玉県等でエスカレーターの歩行禁止を条例化しているところはあるけど、東京は特に条例化されていないようだということ
・実際、エスカレーターの事故は少なからず発生しているようだということ
・病気や障害のために右側の手すりにしか摑まることができない方もいる、盲導犬や介助者が一緒の場合は難しい、等の理由もあるということ
・エスカレーターの歩行禁止については非常に賛否両論が分かれる問題であるらしいこと

つまり「歩いてよい」というルールは明確に存在しないけど、それを禁止する明確なルールや罰則も存在していない。
危険性はあるし、弱者や多様性を蔑ろにする行為ではあるけれど、既に片側歩行は広く習慣化してしまっている状態。

ルール化や危険性の周知はこれからってことなのでしょう。
実現化には結構時間が要する感じがします。

ちなみに。
こういうことが起こった場合「変な人に当たって運が悪かったな」と思うのが今までの私の思考パターンです。

でも、こうやって何か発生した出来事に心が引っかかる時は
そこに何かあると考えてみるようにしています。

今回の件、何故か私あんまりモヤモヤしていないんです。
普通ならモヤモヤしそうなのに、どうしてだろうかって。


そういえば、おじさんは怒鳴ったり、いばりちらしたりはしておらず、なんなら少し声が震えている感じでした。
あれはどちらかというと「危ないから走らないで」と子供を諭す親の出す声に近いものを感じました。

そう思い当たった瞬間にはっとしました。
「あれは愛だ」って。

エスカレーターを昇って歩くことで起こる事故なんて頻発はしないですが、誰かが躓いたり転んだりした際に事故が発生しないとは言い切れません。それはもしかしたら100万回に1回の確率での発生なのかもしれません。

でもその100万回に1回の事故が今日あの瞬間に起きるかもしれない。その事故から私を守ろうしてくれている行動なのかなって。
そんな風に見方を変えたら、おじさんのことをとてもやさしくてありがたい存在に思えてきました。

そしてちょっと心があったかくなったのでした。


エスカレーター歩行の危険性を教えてくれてありがとう。
私を起こるかもしれない事故から守ってくれてありがとう。

そう思ったら、私すごく幸せだなぁ。
世界の見方を変えたら幸せが溢れています。

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