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川上弘美さんに学んだこと

本好きな女性で、川上弘美先生のアンチなんて存在するのかな?
と、思います。

私が良く読む系統とは違うのですが、

それでも川上弘美さんの本は、
「読んで良かった」と思うに違いないという信頼があるので、
読んできました。


センセイの鞄

若い頃に読んだ、「センセイの鞄」は衝撃でした。

私はその頃はまだ小娘で、
特に恋愛に関しては昭和どころか、いつのかな?という価値観だったので、
60代後半どころか、30歳後半の女性が恋愛をするという事を、この本ではじめてちゃんと知りました。

アホだから、結婚したら磯野フネさんみたいな感じにならないといけなくて、
結婚しなくても、それに合わせる感じかな?と思っていたのです。

お恥ずかしい話ですが、
「え、キスとか考えちゃうんだ」
「え、すねたりしていいんだ」
と、
生物レベルで、30歳を超えたら自然と枯れ始めると思っていた、アホの自分の目を覚まさせてくれた恩人の本です。

それでも当時は、まだまだ理解が浅かったです。

主人公の月子さんの年になって気持ちが分かり、超えてより、可愛らしさがわかりました。

37歳とか、自分に置き換えても、
1番人におすすめできるいい時期だったと思います。

今の若い人は昔よりよほど賢いけれど、それでもやっぱりこの本から得るものはあると思います。

読むと、人生時間の軸方向に世界が広がるから、読んで欲しいと思います。


しかしどれも良い


しかしどの小説も、エッセイも同じくらいいつも良くて、どれかと言えないです。

今読んだのが
「どこから行っても遠い街」
で、やはりこれも良くて、
"川上弘美さんの本でしか得られない満足感"がありました。

メジャーなのについ先生でなく、さんと言ってしまう、優しい空気感も魅力ですが、なのにぶっちぎりの力量を感じます。

トップランナーの実力だけど、なんのジャンルのランナーかはあいまいで、
そこも孤高でカッコいいです。

存在してくれる事に感謝する作家さんのお一人です。


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