メキシコ建設技術大学にてセミナーを開催しました。
メキシコ市場調査を目的に第二弾の渡航をしてきました。
今回はメキシコ建設技術大学にて「日本の耐震化」をテーマとしたセミナーを開催しましたのでレポートします。
メキシコ建設技術大学とは?
メキシコ建設業協会により設立された、建設業界における産業と教育の連携強化を目的とした大学です。学士課程、修士課程のほかいくつかの専門コースがあるそうです。
社会人学生が多く、日中働いて朝と夜に授業を受ける学生が多いとのことでした。
セミナー概要
来賓ご挨拶
メキシコ建設業界の重鎮の方が沢山いらっしゃいました。
写真の左から
・フアンさん(QUASAR社代表 構造設計事務所)
・エクトルさん(メキシコ地震工学協会 会長)
・坪井さん(JICAメキシコ事務所所長)
・セルヒオさん(UNAM大学教授 ※メキシコのTOP大学とのことです)
・ノルランさん(メキシコ市防災局 部長)
・フランシスコさん(メキシコ建設業協会 会長 ※建設業界のTOPらしいです)
・レナートさん (建設安全研究所 所長)
・角田(ジャスト)
・マルコさん(建設技術大学学長)
メキシコは日本と同様に来賓者を丁寧に気遣うのカルチャーがあり、冒頭に全員から簡単なご挨拶がありました。
わたしも1分ほどのご挨拶をスペイン語でさせて頂きました。
Me llamo Yoshiaki Tsunoda presidente de JUST.
講演
調査診断部青木さんより、耐震をテーマとして「①日本建築の特徴②法律③過去の地震被害④耐震化」の講演をして頂きました。
会場は立ち見が出るほど満席。参加者は民間の現地のゼネコン、設計事務所、行政関係者、大学生など様々な機関から集まりました。真剣にメモをとったり、質問もたくさん出て会場は熱気に包まれていました。
デモ
続いて、調査診断部徳竹さんによるRCレーダのデモが行われました。
パネルディスカッション
メキシコの建築業界の権威4人(建設安全研究所所長、メキシコ地震工学協会会長、QUASAR社代表、UNAM大学教授)+ジャスト徳竹さんによるを「メキシコにおける耐震化の現状と課題」テーマとしたパネルディスカッションが行われました。
業界の重鎮が一同に集まることは珍しいらしいそうです。その中でジャスト代表で堂々と話をする徳竹さんは格好良かったです。
徳竹さんからは「日本の教訓と経験からの示唆」を語って頂きました。
この日一番の盛り上がりは、徳竹さんのスペイン語での自己紹介で「私はタコスが好きです(Me gustan los tacos)」でしたw
来賓の方には日本から持ってきたお土産の扇子(ジャストロゴ入り)とお菓子をお渡ししました。
最後に
メキシコシティでは、学校の耐震調査は約7000校のうち1200校に留まっています。また、7割は図面がなく、目視のみで安全性が確認出来ていない状態です。日本のように非破壊検査などを活用した現地調査はまだ一般的ではありません。一方で市民のリスクに対する一番の関心は地震対策にあるそうで、犯罪よりも大きいということが意外でした。
そのような社会環境下で行われた耐震セミナーだったこともあり、大学教授、行政機関、大学生の皆さんからたくさんの質問を頂きとても有意義な場となりました。色々な方と知り合えたこと、現地の様々な課題も聞くことが出来てとても学びの多い一日でした。
メキシコ建設技術大学及びJICAメキシコの方はじめ、ご尽力いただいた皆様、このような機会を頂きましてありがとうございました。
角田賢明