宝石の国 最終回のネタバレあり
ネカフェでついに最終巻まで読了
鬱漫画と呼ばれきれいなキャラクターたちとは裏腹にドロドロと薄汚い展開へ
早速ですがネタバレします
フォスフォフィライトという脆いけれど負けん気の強い無邪気な宝石が主人公で、皆の役に立つために頑張るというお話
だったのですが、敵を知り、自分の身体が削られるほど残酷な事実が姿を現し、仲間と敵対し、復讐や憎悪に飲み込まれる展開へ
そしてなんと最後はぶっ飛び神様になってこの世の生物全てを無へと還し、物語の幕は閉じます
ヤバいし精神的にダメージがくる内容だけれどもう一度読みたいと思える作品でした。
いい意味で成長したのか悪い意味で進化したのかと言われれば悪い方へでしょうが、あんなに仲間のためを思っての行動が不器用ゆえ真逆のことをしていくのが、皮肉かな人間らしいと思います。
詳しい解説や説明は省きます
感想だけ好きなように述べます
金剛のためにと頑張っていたのを知っていたから、最後に金剛が役目を捨てさせてくれてありがとうと心の底から感謝しているであろうに、他の宝石たちに壊してくれたんだと発言したのをみておおいフォスに追い打ちかけんじゃねえええって思った。言葉にも感謝の意味はちゃんと含まれているが、フォスは私の代わりに守りました?の返事でそれを言っちゃ金剛の本当の願いを叶えてくれたという事実抜きで裏切ったしか伝わらない。もっと補足とフォローをしろ!
そして一応一人だけ理解者がいた名前は忘れたが、フォスと話し理解したいといい、フォスに首を切られたが、周りが月人になっていく中でもフォスを気にかけ、一人にしてしまって申し訳ない、何かできることはないかと最後まで歩み寄ろうとしてくれた。少ないし短かったものの一人でもいてくれて良かった、心ばかりではあるが読みながら救いになった。
何かできることはないかしら?の問に金剛とエメタスがあると揃って返事をしていたが、結局なんのことを言っていたのかが分からないまま神になったフォスに、浄化されて終わったので、消化不良感がある。もう一度読んだ時には理解したい。
最終話を読む前にちょっとYouTubeでネタバラシの動画をみて金剛に近い姿になって人間もどきになるのは知っていたが、まさか金剛の目玉とフォスが適合し馴染む一万年後に、なんか顔のパーツがなくて模様があるシンプルな輪郭だけみたいな姿になって口調も、悟りを開いたみたいなもう名残が塵にもなくて、幼虫からAIのロボットに進化するみたいな突拍子がない展開で、感情が追いつかないまま、永遠に太陽で焼き付くこともできるけど私も望んでいるので一緒に無に還りましょう的な感じで終わってた。
人間をも超えた存在に全ての命を掌握する神へとなったフォス
誘導され利用された末路の姿と思うとシンプルで人間味も宝石の美しさもない姿がまた意味深に恐ろしく思もえてもうほんとに鬱漫画
設定から結末、キャラクターの変化に至るまで、傑作ではあるが、フォスが救われなさすぎて心が痛む
理解し合えるチャンス自体は多いものの、それを拒む要素も一緒にあって、然るべき流れで敵対していって余計フォスを精神的に壊していく
生まれつきの運命とも言えなくもないが、承認欲求ゆえの役に立ちたいという思いが、体の損傷で記憶が減り、友も減り、不相応な身体能力や知能を手に入れ闇落ち。
本人自身もヤバい展開だが周りの宝石たちも、不自然な進化や変化に信用できず、肝心なところで寄り添えない状態になっていく
金剛はフォスが正しい、私は壊れていると何度も伝えたり、周りの宝石たちに内緒で修復したりと味方であり理解者ではあったが、フォスの求めていたものとは違い受け入れられず、最後は救われる側になってしまう。助けたいから強くなりたいとは言ってたがこんな形で叶うことになろうとは
本当は必要なはずの情報をフォスが知ることでこの物語は違う結末になっていただろうと思わされるが、これ以上の展開以外の最悪なパターンが想像も付かなくてだから鬱漫画と呼ばれるのよ
フォスが原因で不幸に、敵になって一致団結、いない世界で好きな生き方を謳歌。その中にフォスもいて欲しかった
不老不死を題材にした作品はだいたい憧れて強く求めるものと長生きが苦痛になり早く死にたい、消えたいとなる対の立場と考え方がある。憧れは理解から最も遠い感情だとはまさにこのことで、壊されて引き裂かれてきた宝石にとってどうして終わらせたいのと思うし、月人も永遠の時を日々過ごしていく時間は苦痛を通り越して拷問ですらある。
クズ共だからまだ祈られないまま、故障された金剛を祈らせたいと度々話がでるが、魂が混ざり合って運悪く罪人や悪人の魂が多めに含まれただけで本来ならやはり浄化はされてた
死なないだけで美味しいと感じることも楽しいという感情も残っているので無になりたい理由は飽きたから、頑張る理由がないというところ
死なないなら疲れもないだろうが永遠に活動できるとして私は全てをやりきりなお新しく挑戦し日々成長の為に自己研鑽をしたとして一万年もありゃ美味しいものを食べるのも寝るのも、周りの全ての人も知り尽くして飽きてすべてを辞めたいと思うだろうな。寝るのができても起きるのは辞められないだろうし思考は止められずひたすら自分があり続けるのって不老不死でも疲れそう。
宝石たちも襲われ砕かれなければ基本的に不老不死ではあるが、奇しくも月人の存在で限られた時間や目標が生まれ、余計な邪念や思想など考える余地もない生活だったため、人間の用に成長し、改善していくが、ただの生物のように生きてるだけで満足が出来る比較的無欲でいられる存在だったのだろうな
美しくも強い宝石たちの話がフォスや月人にとって幸せだけれど、人間らしく変化していくのはちょっぴり寂しい
平和なのに
以上語りたくって湧き出た感想を読んで頂きありがとうございました