湘南ベルマーレ戦 (Home)

 暗黒とも言える4連戦 - ×東京V(Away)×鳥栖(Home)×札幌(Away)-浦和(Home) - の後ろ3つはすっ飛ばして久しぶりの投稿。ちょっと書くのもしんどかった。
 が、今節の内容を踏まえると、若干ずつながら、進化はしているように感じる。若干ずつながら。それが、小学生パワーもあって結実したか。

 悪夢の3連敗+辛うじての引き分けを経て分かったこと。
1)(ジャメ以外に)ジュビロにはスピードスターがいない。(未見のウェベルトンはまだ不明)
 誰が一番速いだろうか。小川大貴?特にウイングの位置に速いのがいないのは痛い。他のどのチームにも一人二人はいる。これは今更ながら編成の問題と言える。結果、オープンな展開において引き裂くような突破がない。逆に、結構引き裂かれてる。サイドバックが長駆、ゴールラインまで抉ってクロスを上げるシーンは少なくないが、ウイングの単騎突破も絶対必要。横内監督も、この手持ち札がないことは頭が痛いのではないか。

2)ネガトラが遅い。
 Jリーグ創成期並みに遅い。心理的な問題もあろうか。コーチ陣も指摘はしていると思うが、攻撃に余裕がないばかりにボールを失った時点で空白ができてしまう悪癖が繰り返されている。結果、相手のボールホルダーに気持ちよくフィードさせてしまっている。ただ、トレーニングで多少なりとも何とかなると思うが。

3)今シーズンのジュビロに奇跡は望めない。
 たまに、個の戦力値はそうでもなさそうなのに、リーグを席巻してしまうチームがある。古くは中田英寿がセリエAでプレーしていた頃のキエーボ、ブンデスでもヘルタ・ウニオンのベルリン勢にもそういうシーズンがあったような気がするし、岡崎が在籍してしてリーグ優勝してしまったレスターもそう。数年前にシェフィールドユナイテッドも確か1シーズンだけ旋風を巻き起こしたような。要因としては、監督の戦術がズドンとハマりまくったり、得点パターンが面白いように機能したりとかある一方、えてしてこういうチームは急上昇後に不振に陥り、降格の憂き目にあうのが悲しき通例となってしまっているが、横内ジュビロはー幸か不幸かーこの枠には当てはまらないようだ。
 横内監督は、ジワジワ系だと思う。その心は、ずばり、ジワジワと、着実にチーム力を向上させていくタイプということ。昨シーズンの歩みもまさにそうだった。これは、長年サンフレッチェで育成と監督の右腕としてのポジションで経験を重ね、さらに代表監督の補佐役を比較的長期に渡り務めた経歴からか、ロングスパンでじっくり取り組もうという指揮官なのだと思う。まあそうは言っても、成績と中身次第で突然のクビがある世界なのは本人も当然ながらよく認識はしていると思うが、長期的かつ継続的な努力が一番の強化との考えが、自己のキャリアと符合して染み付いていると推定するのも強ち間違いではなさそうだ。
 ジワジワと着実に。代わりに、斬新さとか奇をてらう感じはない。勝負師としての采配の妙も、あまり望めそうにないか。交代策のオプションも限られているし。

 直近の4戦を経て、個々の選手を見るとそれぞれ、ちょっとずつ進化しているように感じられた。特に、レオ・ゴメスは、相変わらず不器用そうと言えば不器用そうだが、ボール奪取に切れ味が一層出てきたようだし、ペイショットはよりムービングの機能を発揮して、ジャメ不在による機動力の欠如をよく補っているように見えていた。また、今節もそうだが、ポストプレー時に確実にファールをもらってくれるのは本当に助かると思う。ルキアンを思い出させるなあ。あのJ2で無双していたシーズンが今となっては懐かしく感じる。
 ちょっと話は横にずれるが、ペイショット級のセンターフォワードをJ1の代表レベルでない普通の日本人CBが競り合いで勝てるようになってくると、日本代表のステータスもガツンと上がってくるはず。
 
 今節の大逆転劇は、個々の質向上、適応、戦術的進化 ー横内監督をはじめとするコーチ陣の手腕や指導によるものとも、もちろん思われるー といった自チームの要素とは別に、正直、湘南ベルマーレの戦術的な拙さも、要因に挙げられると思う。ディスる気はさらさら無いのだけれど。そのチームカラーとして長年、走力とアグレッシブさを前面に押し出してきたからか、ゲームを落ち着かせる術に長けていないように思えた。端的に、ペースダウンさせるよう球足の遅いパスが極めて少ない。勝っている状況でも、ダイレクトパスが多い。90分ペースを握れるはずはないのだから、わざとペースを落として膠着状態を作り出す賢さが求められる、と思う。特にチームの中心選手には。
 ただ、湘南に限らず、Jの各チームにこのようなペースを司るタイプの選手がいつの間にか減ってしまったように思う。コレクティブな絶え間ないプレッシングが趨勢となっている世界的な傾向によるものだろうか。個人的には残念だ。山口素弘とかラモスとか、後はもちろん俊輔やヤットさんとか、ペースをよ~く考えるタイプのプレーヤーの貴重さを今になって実感する。2000年前後のACミランも、ボバンやアルベルティーニやらがいて、やたら時間を使うのがうまかった記憶がある。

 さて、次は強豪サンフレッチェ戦。戦術的に本当にソリッドなタフな相手。セットプレーにも強い印象がある。勝点を取るには、ペイショットが守備でも攻撃でも強みを発揮する必要があると予想。
 
 


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