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音楽旅行記①(ロンドン・ヘルシンキ 旅行の準備)


旅行前(きっかけ)

今年2024年8月、フィンランドとイギリスに行った。

目的は海外でライヴを観ることだったが、そのきっかけは2023年3月にArctic MonkeysをZepp Hanedaで観たことだった。アレックス・ターナーがステージに登場した瞬間、周りにいた女の子達が「ぎゃーっ!」と狂ったように大歓声を上げるのを観て、やっぱりロックって最高だと思ったことがすべての始まりだった。

あのライヴは本当に素晴らしかった。アレックス・ターナーはカッコ良くて、童顔なのに声は渋く、バンドの演奏は完璧だった。あれから私の中で音楽熱が再び高まってきて、今が旬の若いロックバンドをもっとたくさんみたい、どうせならイギリスでみたいと計画を立て始めた。

まず時期について、サラリーマンはまとまった休みを取れる時期が限られていて、お盆のタイミングで行くことになった。本当はグラストンベリーやレディングなど行きたいフェスに合わせて休みを取りたいところだが、好きなタイミングに休みを取るのはなかなか難しいのが実情である。現地でライヴが観れる期間は8/9から8/16までで、8/19には出社できることが条件で、この期間に観れるフェスを探した。

イギリスで観れるフェスは候補は以下だった。
①Boardmasters 8/9-8/11
②Boomtown 8/9-8/11
③We Out Here 8/15-18
④All point East 8/16-18
⑤Greenman 8/15-18
⑥AcrTanGent 8/15-18

フェスに全日参加できるのは①か②のみ。③から⑥はフルでは観れないので 1dayの参加を考えていた。⑤はウェールズの郊外で開催されるフェスで、リトルグラストンベリーとも言われるくらい素晴らしいフェスだが 1dayの販売はない。③はサウスロンドンのジャズシーンの火付け役であるジャイル・ピータソンが主催するフェスで最も行きたいフェスの一つなのだが、せっかく行くならフル参加したいのもあり今回は諦めた。⑥はブリストルで開催されている、メタルや轟音系のポストロックバンドがラインナップされたかなりディープなフェスなのだが、もう少し王道なアクトを求めていたのでスキップした。

①か②が最終的な候補になったが、②は調べると分かってもらえると思うが、パーティ好きが集まるものすごく変わったフェスで、どちらかというとクラブミュージック寄りのフェスなので乗り気ではなかった。①はコンウォールのNewquayで開催しているフェスで、2023年にはLord、Liam Gallagher、Florence + the Machineがトリを勤めている。最終的には①の最初のラインナップをみて判断することになった。

ヨーロッパで開催される中規模のフェスは第一弾のラインナップの発表が早く、11月には発表になる。私は、Boardmastersの発表を楽しみに待った。しかし、結果はStormzyとChase & Statusがトリで、私が期待するようなラインナップではなかった。私はバンドを求めていた。

Boardmasters 2024

※最終ラインナップを見ると、New DadやEnglish Teacher、Wunderhorse、SPRINTSなどがラインナップされており、決して悪いわけでもなかった。

この時点でイギリスでフェスに行くことは諦めて、ヨーロッパのフェスに対象を広げて探し始めた。そうして、発見したのがヘルシンキで8/9-8/11に開催されるFlow Festival だった。

フィンランドはイギリスから3時間もかからないで行ける。アキ・カウリスマキの映画が好きで、いつかは行ってみたい国だった。そして、flowではPULP、PJ Harvey、The Smile、IDLESが観れる。街中で開催されるフェスで、ホテルに戻れるのでテントなどを持っていく必要がないのもメリットだった。私はヘルシンキに行くことを決めた。

Flow Festival Helsinki

しかし、フェスと言えばやはりイギリス。イギリスで、フェスに行ってみたい気持ちも捨てきれなかった。そこで1DAYで参加できるフェスを探して見つけたのがWild fields festivalだった。

私が見に行くことができる8/16のトリはEzra Collectiveだった。正確にはEzra Collectiveの予定をチェックしていてこのフェスを知った。Ezra Collective は2023年11月28日に来日してリキッドルームでライヴを行っているが、あろうことか、この日は豊洲ピットにMorrisseyを見に行かねばならなかった。私は諦めざるを得なかった。なぜならMorrissey は私にとって最も特別なアーティストであるからだ。

それでもEzra Collectiveの「Where I'm Meant To Be」は私の2022年ベストアルバムで、ジャズをベースに、ファンク、レゲエを取り入れたダンスアルバムの大傑作だった。Xで当日のライヴの模様が投稿されていたのを見て、Ezra Collectiveをこの旅行で何とかみたいと思っていた。

Wild fieldsは今年初めて開催されるフェスで、当初はNorforkのRaynhamという、街から遠く離れた場所にある農場で、8/16から8/18で開催される予定だった。8/16は、Ezra Collective、Lime Garden、Mary in the junkyard、Picutre Parlourが予定されており、ジャズとインディロックをかけ合わせたフェスで、私のために開催されるようなラインナップだった。

Wild Fields Festival Raynham

しかし、残念ながらこのフェスは中止になった。

ロケーションが悪いこともあってか思ったよりもチケットが売れなかったんだろう。イギリスは、フェスが乱立していることや、物価高も足枷になってフェスの開催が難しくなってきており、中止や開催をスキップすることが増えて来ている。

またも私はEzra Collectiveを観れないのかと落胆した。Lime Gardenは傑作のデビューアルバムをリリースしていたし、Mary in the junkyardは今、イギリスのインディロックバンドで最も才能あふれるバンドで、私は作品を聴き込んでいて、すっかりファンになっていたのだ。

そんな経緯もあって、Wild fieldsがNorwichに開催場所を変更して、都市型のフェスとして開催することになった時には歓喜した。残念ながらLime GardenとMary in the junkyardの名前はなかったが、Ezra Collectiveのトリは変わらなかった。代わりにNubya Garcia、Sampa The Great、Jalen Ngonda、Yazmin Laceyなどが加わりロンドンのJazzシーン中心のフェスになった。私は8/16にNorwichに行くことを決めた。

Wild Fields Festivel in Norwich

8/9から8/11までがflow festival、8/16がWild fields festivalが決まり、8/12から8/15の間はロンドン周辺でのライヴを探した。

今回、イギリスに行ってわかったことだが、イギリスのアーティストは、7月、8月はフェスシーズンでほとんどツアーを組んでいない。USやオーストラリア、ニュージーランドのアーティストがヨーロッパのフェスに出るついでにツアーをやるケースが多く、私が探していた8/12-15は夏休みで、残念ながら閑散期だった。イギリスで国内アーティストを観るなら4月、5月か、10月、11月に行くことを勧める。この時期であれば何かしら見たいバンドが見つかるはずだ。

ライヴを見つけるのに使ったのはBandsintown、Songkicks、DICE、それからInstagramで好きなアーティストや行きたい箱をフォローした。

ちなみに私が行くと決めていたライヴハウスの一つは、現在のロンドンのインディシーンで登竜門とさえなっている Windmill Brixton。他にも MOTH Club、The Social、The George Tarvenなどインディロックバンドがよく使っている箱は幾つもある。

毎日まめにチェックしては8/12-15で何を観るのかを決めていった。私は半年前くらい前から発売の瞬間を見逃すまいと、ずっと調べていたが正直言うとこれはやり過ぎだった。確かにチケットは確実に入手できたが、ほとんどのチケットは売り切れになることはなかったし、売り切れても一カ月前ならチケットは入手できたと思う。それにライヴハウスでのイベントは、直前まで発表にならないので2.3ヶ月前くらいから時々チェックすれば十分だったと思う。ただし、人気バンドの場合はすぐ売り切れるので、注意が必要だ。

こうして、私が観ることを決めたのは以下。
8/9-11 Flow festival in Helsinki
8/12 Fat freddy's drop in Oxford
8/13 The orchestra for now
8/14 Lily seabirds
8/15 The K's
8/16 Wild fields festival in Norwich

妻には、私の趣味に付き合うことになり申し訳ないが、この旅行では毎日ライヴを観ることになった。


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