ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』を読みました
「あたまのわりいおとな組」という表現に声を出して笑ってしまいました。でも、楽しかったのは最初だけ、その後はただただ悲しい物語でした。
チャーリィが天才になってなんかいやなやつになったなと思ってしまいました。私もドナー・ベイカリーの連中と一緒で凡人なんだなと思い知らされました。
手術してすぐに結果がでないことにチャーリィが「苦ろーして勉きょーしなくちゃいけないのだったらなんでしじつなんか受けるひつよーがあるんだろー」と言います。天才になったら幸せになれると思い込んでいるチャーリィはわれわれと一緒で孤独で悲しい人間なんでしょう。
この本を読むきっかけになったのはリチャード・パワーズの『惑う星』読んだからです。本文で天才少年ロビンがねずみのアルジャーノンに言及したり、帯に「21世紀のアルジャーノン」とありました。
当たり前なんですが2つの物語はだいぶ違いました。チャーリィは外科手術で知能が増大したのに比べ、ロビンは訓練で母アリッサの思想や知識が憑依しています。チャーリィは人間関係に苦しみ、ロビンは人類の経済活動による環境破壊に苦しみます。似ているのはどちらも悲しい物語だということです。