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夕刻の桟橋にて



ひんやりとした砂の冷たさを感じながら、気づけばもう2時間以上裸足でこの浜辺を行ったり来たりしている。

太平洋の彼方に沈む夕陽を見送ったのちも、空の色はドラマチックな変化を続けた。

オレンジ、ピンク、紫…
グラデーションの空は桟橋のシルエットをドラマチックに浮かび上がらせる。

遠浅の浜辺には鏡のよう美しく染まった空を映し込み、まるで宇宙を浮遊しているような錯覚を覚えた。

低くドーンと響く波の音は街の喧騒をかき消し、静かな世界へと私を切り離してくれる。
そして私の心の雑音さえもどこか遠い世界のものになっていたのだった。


波打ち際で両足を砂にのまれると、ますます私も地球の一部になったような気がしてくる。

今ここに没入した夕刻をたぶん一生忘れない。


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