ゲーム作成⑥ 邪神の設定
海底で眠り続け、復活によって世界を脅かす(クトゥルフ的)
無数の眷属(仔山羊=ショゴス的スライム生物など)を繁殖・派生させる母性的・豊穣的存在(シュブ=ニグラス的)
といった「海底の母なる怪物」的なイメージの邪神
新たな神格:海底の“母”
(1) 名称と外見イメージ
仮名称例:
「ヒルメノミコト」の実体名として、“海底母神”や“溺れし万の子を孕むものなど二つ名。
外見的特徴:
巨大かつ半流体: 下半身はタコやクラゲのように触手が絡み合い、背面からは無数の触手が枝のように生え、身体中に緑や黒の粘液が滴る。
母性と恐怖の混在: 一見、子宮や女性的フォルムのシルエットを帯びながら、細部は貝殻や魚の骨が混じった異形を呈する。
無数の仔を宿す: 体の一部が“卵嚢”のように膨らみ、そこから半分溶けかけた怪物の赤子(ショゴスの仔)が蠢いている。
(2) 特性・コンセプト
海底の眠り
クトゥルフ同様、深海に沈んだ古代都市 or 海底神殿にて長い眠りについている。夢を介して地上の崇拝者に啓示を与え、復活のときを待つ。
繁殖・増殖の母神性
シュブ=ニグラス系の「黒き仔山羊」概念を海洋へ置き換え、“海の仔山羊”や無数のショゴス子孫を生み出す力を持つ。彼女の影響が増すほど、海岸や島などで粘液状のクリーチャーが繁殖し、環境を浸食する。
テレパシー・悪夢支配
クトゥルフ的な**“眠りながらも夢を通じて世界を支配”**するパワーを持つ。
ゲーム内で主人公やNPCが悪夢を見たり、幻聴に苦しむ演出を行い、神の影響力を体感させる。
2. ゲーム内で提示する要素
(1) 世界観・ストーリーテリング
封印・結界の歴史
古代から海底神殿(あるいは廃墟の都市)に眠る母神を封印するため、島や沿岸に“結界”を張ってきた先住民族の伝説が存在。
戦時中の旧軍がその都市に踏み込んで“オカルト実験”を行い、母神の仔(ショゴス)を取り込もうとしたが失敗→惨劇。
島の異常生態系
海岸や海底洞窟に巨大な珊瑚状構造や触手状植物が繁茂、ショゴス風生物がうごめいている。陸上の廃病院や研究所にも粘液が浸潤し、被害が拡大。「これは母神がうっすら覚醒し始めているサインか…」という恐怖が伝わる。
(2) シナリオ演出
悪夢イベント
プレイヤーが拠点で寝るたびに、母神が眠りながら送る夢に呼び込まれる。
そこで母神のシルエットや声が「…我を呼べ…産声を受け入れよ…」と囁き、圧倒的な威圧感を演出。
眷属の増殖
シュブ=ニグラス由来の“増殖の恐怖”として、島各所で怪物の産卵・孵化シーンが出てくる。時間経過やイベント進行で、さらに数が増え、難易度や危険が上がる仕掛け。
ゲームシステム・ギミック
(1) 海底都市探索パート
潜水または海底洞窟
一部ステージで、潜水装備を用いて海底神殿へ向かう。暗い海中にショゴス形態の仔が漂い、奇怪な壁画や封印文を発見。
酸素残量の管理+ホラー要素で緊張感を生む。
神殿パズル
石碑や祭壇で、海洋生物を模したレリーフを回転させたり、触手を溶かすアイテムを使って道を開くなど、クトゥルフ+シュブ風の鍵解きが可能。
4. 物語・ストーリーへの統合
(1) 登場人物のリアクション
教授: 海底神殿の実在を確信し、そこで母神(ヒルメノミコト)を意図的に蘇らせる or 制御したい。
ヒロイン(ショゴス): 実は母神の仔の一部を人間形態化させた存在。
シュブ=ニグラス的母性を帯びているが、人間性もあり葛藤。
彼女が「産み落とした多くの仔」への責任や苦悩を感じるドラマにできる。
主人公(邪神の器): クトゥルフ的“眠れる神の一部”を宿しており、母神に通じる神性を持つが無自覚。
夢で呼ばれるにつれ体の変化や意識障害、母神から与えられるビジョンを受ける。
(2) ストーリー例
序盤:島周辺の海底で不可解な生物被害が報告 → 調査に主人公らが来る。
船で誰かに突き落とされて主人公漂流→ヒロイン救助→監禁
その後、ヒロインと和解して探索。各施設を回る。
陸軍時代のオカルト実験資料から「海底に眠る母神」の噂を発見。
母神の仔山羊(ショゴス)との初遭遇→ 戦闘。
主人公とヒロインが夢や遺跡を探る中、母神の力の正体を知る。教授が密かに儀式の準備。財閥病院や鷹野調査団跡を調査し、教授の秘密を知る。
→教授と対決
中盤 村での探索、イベントをこなす。
終盤
母神が覚醒しつつある。島の海岸が触手や粘液に満ち始める。
主人公が**“神性を発揮して封印する/暴走する”**などマルチエンドへ繋げる。
5. ゲーム的アプローチ:魅力的な要素
ビジュアル演出:海洋的+肉塊的混沌
繁殖ギミック
選択次第でショゴスの卵が大量に孵化してしまい、難易度が急上昇。
逆に「儀式の阻止」に成功すれば一部孵化が止まり、侵食がゆるやかになるなど、プレイヤー行動が世界観に反映。
夢のステージ
クトゥルフ的に、主人公が眠るたびに“母神の夢”に入り、空想的な海底都市を探索するスピリチュアルパート。悪夢で謎解き→現実で鍵アイテムを使える形にし、世界観への没入感を高める。
実体名・二つ名の例
(A)母神的、繁殖・豊穣を示すもの
「孕みし母」
「胎海(たいかい)の巫女」
「無限仔(し)を宿す深碧の子宮」
(B)クトゥルフ的、眠りと破滅を示すもの
6. 「産声の女神」
7. 「潮騒に眠る無垢なる混沌」
9. 「霊廟にうごめく胎主(たいしゅ)」
10. 「潮の聖母」
12. 「億千万の仔を従えし深淵妃(しんえんき)」
15. 「大なる胎神」
(A)短めの呪文/詠唱
「イア・ヒルメノミコト! イア・ネル・アヴォール・メグル!」
意味不明の音と神名を連ねた簡単な叫び。儀式開始の合図などに。
「カオ・イル・グラァ、 ヒルメノミコト・イヒ! ナイア・レグス・トルム!」
ショゴスや仔羊を呼び出す際の詠唱イメージ。
「アガス・イテール、 シュウナ・ネルヴァ…… グァ・ヒルメノ・カタル!」
(B)やや長めの儀式文・断片
「深き海淵に遠き産声あり
その子らは泡とともに広がり、
我らは畏れとともに名を呼ぶ——
『ヒルメノミコト』と……」
「……彼の母神は眠りにて世界を抱く
されど我らが血の奉献により
彼の目覚めを加速させん——
イア・ヒルメノミコト、産声を聞きたまえ……!」
「夢に潜みたる冷たき子宮
そは千万の仔を孕み、
やがて海と陸を呑み尽くす……
カリュ・イグス、リュア・ナガル、イア・ヒルメノ……」
(C)呼びかけ・唄うような祭式短唱
「ヒルメノ・ヒルメノ、海泡(うみあわ)の深きを裂きて
汝の仔に祝福を与えたまえ……」
「転じゆく潮騒の夜に
汝、安らかな産み声を授けたまえ
イア、イア、ヒルメノ・カダッシュ!」
祭儀・伝承の例
(A) 「泡巫祭(ほうふさい)」
伝承:
海が静まり返る夜、巫女が海辺で祈りを捧げると泡立つ波が渦を作り、その中から“彼女の仔”が顔を出すとされる。
その仔を捧げものと交換することで島に豊漁をもたらすという民間伝承。
実際の儀式:
夜間、白い衣を着た巫女が魚の血を混ぜた水を撒きながら呪文を唱える。
浜辺に現れる緑の泡を採取し、壺に封じるのが成功例。失敗すると被り水が粘液になり、巫女が溶かされる。
(B) 「潮の七日葬(しおのなのかそう)」
伝承:
島で亡くなった者は、海中洞窟に七日間沈め、ヒルメノミコトに捧げる慣習があった。
その死者が“生まれ変わり”を得るとされるが、実際は死体がショゴスに溶かされる恐怖の儀式。
ゲーム的演出:
洞窟の中に無数の白骨が散乱し、壁面に旧文字で「七夜を沈みし者、母の慈しみを賜る」などの碑文がある。
(C) 「星鱗(せいりん)の御柱」
伝承:
星が落ちる夜、海面が揺らぎ、巨大な鱗を想起させる柱が一時的に海上に出現すると言い伝えられる。
それはヒルメノミコトの体表の一部がせり上がってきたもので、観測した者は狂気に陥る。
祭儀:
教団や崇拝者は、その柱に生贄の血を塗って「覚醒を促す」ための儀式を行う。柱が深紅に染まると同時に、周囲の潮が一瞬逆流するなど超常現象が発生。