ヒットポイント

2xxx年の世界では、人間の頭の上にヒットポイント（HP）が見えるようになっていた。
なぜ見えるようになったのか、先祖が口を割らなかったのかいまだに解明されていない。

他人のHPは見えるが、自分のHPを見ることはできない。
ちなみにこのHPは、よくSF小説であるような『死期がわかる』ものではない。
本当にRPGゲームのような、肉体や精神的な疲れで低下する。体力を表しているようなものだ。
そして2回目になるが、自分のHPは見えない。
相手の頭の上のHPをみて、特になにかが変わるわけではない。だが人々の暮らしは大きく変わった。
ことスポーツの世界では、このHPが原因で弱いところ疲れてしまったりなどがあり、なくなってしまったスポーツも少なくない。

そしていつからか、相手のHPをみて適度に、スマートに対応することが常識になっていった。
HPが低くても無自覚で頑張る人、無理をする人も多い。
また相手のHPと自分のHP（伝えてもらって知る）を比べて、気を病む人もいた。
だから、相手に『あなた、HPが⚪︎⚪︎だから休みなさい』などすとれーとに伝えずに対応することが、暗黙のルールになっていった。
そんな世界ではコミュニケーション能力が大切になってきた。言語的でありながら、言語にせず、相手に休んでもらう…
そう、全てが上っ面の薄っぺらいものだ。

僕、一ノ瀬　創（いちのせ　はじめ）にはどうしてもそれが受け入れられなかった。
だから誰にも自分の気持ちは伝えず、薄っぺらい言葉には薄っぺらい言葉で返していた。

可もなく不可もない。

そんなふうに言われることが多かった。

そう、彼女に会うまでは…

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『イケメン妄想バトル』にて、優勝した一ノ瀬くんの新たなストーリー始まる！

彼女とは？一体だれなのか？
そして創って名前だったのか一ノ瀬くん！

次回、乞うご期待！