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無題

純白のキンモクセイの薫り
あの優しかった母のぬくもり

母と暮らしし日々は
ほんの寸秒であったが
秋桜の咲く野辺で
昼下がりを過ごすような
ゆるやかな時であった

毎夜 星を天空に仰ぎ見て
やわらかな夢に抱かれて
悪夢に魘されることもなく
たおやかな日々であった

ああ あの瞬間(とき)に戻りたい
ああ あの故郷へと帰りたい

たいいりょう

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