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中古本沼、第1次と第2次

わたしの収集癖(別名「沼」と言う)は突然始まる。
これまで収集沼履歴は、時計、筆記具、カメラ、ウイスキー、小物がある。
小物は今も家にある。家が狭く出せず、しまいこんでいるが、高さ7㎝ほどまでの小物だ。なぜかというと、お気に入りの天面がガラスの入れ物BOX付ちゃぶ台に入るのが7㎝だからだ。茶道具の「なつめ」はぴったりだ。

左の黒とその右、やや下の茶色いのが「なつめ」

今回は中古本沼の話だ。なぜ中古本なのか、それは中古本を扱う大手の店舗がどこにでもあり110円から探せる手軽さからだ。それと後付けの理由で知識も増える~と言っておこう。
その中古本集めは過去2回、必死になった。
・第1次は20年ほど前から3年間ほど集めに集め、その数1500冊程。
    芥川賞、直木賞作品を集めることを目的に、その他ジャンル問わず。
・第2次は、まさしく今だが、中止を決めた。現在900冊。
    ネットが普及した今、「★4」以上の評価本を手あたり次第購入。
しかし、この第2次中古本収集沼は終わりにすると決めた。
これまで、出来るだけ110円本を中心に探すのも楽しく、中には1000円以上の本もある。だが、読了後は売却か、中古店に持ち込むが、値が付かないものもあり、付いても5円か10円が多いのが実状だ。

戯言シリーズ、全巻だ。(写真はわたしが撮影した)
買取額5割アップセールに惹かれネット引き取りを依頼した。

溜まった本の処分でまっさきに思い出すのは、上の写真、戯言シリーズだ。
初刊のクビキリサイクルは第23回メフィスト賞を受賞。
メフィスト賞受賞作品も集めることにしていたので、これもその過程で購入した。読み始めたが、どうにもつまらないのだ(個人の感想ですよ)。
わたしはメフィスト賞の最高作品は「図書館の魔女」だと思っている。
これはわたしのベスト5に入る。作家さんからは続編はほぼ完成、と書かれているのを見たが、出る気配はない。待ち遠しいです。
この戯言シリーズは処分することに決め、大手古本屋に引き取り依頼をした。買取額アップのメールに惹かれて依頼したが、結果ゼロ円。戻してくださいとお願いすると、着払いですと言う。その費用800円程。しかたなく諦めた。本はほぼ新品だった。購入額は1500円程だった。後悔が残る、飾っても良かったと思う自分がいるのだ。

第1章 「第1次の本収集について話をしたい。」
芥川賞と直木賞の全作品を集めると決め、最終的に3/4ほど集めた。
そのほかにもおもしろそうと思う本、役に立つと思う本を片っ端から購入した。当時はネット注文は少なく、近隣の中古本屋さんに通って購入。読まずにスーパーの袋の入れ、押し入れに押し込んでいた。

こんな書籍も購入。読んでいないが。
この投稿で貼ってある写真は全て私が撮影している。

当時は2Kの社宅に住み、3畳(団地サイズのさらにミニ)の部屋に中学生の息子と真ん中にカーテンを引き、頭を互い違いにして、布団を敷き暮らしていた。もう一部屋の団地サイズ6畳(団地サイズをさらに小さくしたミニ6畳だった)を妻に使ってもらい、私と息子は昼間はいなので、この3畳で良しとしたのだ。今思い返しても狭すぎだろう。この社宅は今は無いが、キッチンのシンク幅を除くと幅が150センチ程しかない場所に寝ていたお父さんもいたらしい。会社の規定では家族3人まではこの社宅があてがわれたのだ。この投稿のタイトル画像は、後の引っ越し先に、溜めた1500冊を持ち込んだが、再度引っ越しすることになり中古本の処分を決めた。その時に整理をするため空部屋で中古本を整理していたとき、ふと写真を撮ろうと思いたっだのだ。思い出にと文庫を並べ写真を撮った。結局、引っ越し先に持っていたのは20冊程度。それ以外は処分を決めた。この処分の話は第3章で語りたい。

第2章「英語学習の本も収集していた」
わたしは英語学習も真剣に取り組んでいた。シュリーマンの伝記を読んだが、この人は7か国語を話す。この本には語学学習について詳細な記述がある。文庫で読んだが、中古本屋で昭和10年版を見つけた。初版かどうか忘れたが感動した。結局処分してしまった。この本は写真を撮影するのを忘れていた。英語学習の基本はライティング、リーディング、ヒヤリングだが、最終的に英語を聞いて、英語で考えることだ。そして耳、音感能力が上達には関係していると考えている。語学とは聞く能力だからだ。聞き取れないと話せない。これは自然なことだ。
こんな本も中古本屋で見つけた。英語の詩の本だ。なんとなく気になり購入して、家に持ち帰った。この本はネットで1000円程で売れた。購入した人はずっと探していましたと喜んでくれた。

詳しくないが、誌のようだ。

英語学習ではもちろん新品も購入した。
シュンペターの資本主義、社会主義、民主主義、英語版と日本語版だ。
これも英語勉強用。英文を訳す力をつけるために購入したが、一度も開いていない。まだ家にある。新品の面影はなく、カビを生えている。

英語版と日本語版だ。

こんな英語で書かれた文法学習の本も購入した。ケンブリッジの文字に惹かれた。これも1500冊のうち引っ越し先に持ってきた20冊の中の2冊だ。ネットフリマで1000円程で売れた。売れないと思っていたがすぐに売れた。

やさしい英語で内容はわかりやすい。
手に入りづらく高いようだ。

英語学習では忘れられない一冊がある。
みなさんは会社のお偉いさんから、日々訓示を宣われているでしょう。
私もそんな一人でした。今から25年ほど前のことです。その役員さんは朝礼で「みんな変化に対応する姿勢を持っているか…」と話し始めました。
そして「チーズはどこへ消えた」の本の話を始めたのです。
今回はチーズですか。この役員さんを、私はお芋さんと(心の中で)呼んでいました。たまに、なぜか、焼き芋を一本だけ購入してくるのです。
なぜ一本? WHY。それを女子社員に渡すのです。どうやってわけるのか?
そこは見ていません。そして今日の訓示はチーズです。
私も日本語版を買いました。大きな文字、たっぷりある行間、これは幼児本ですか。でもわたしは閃きました。英語学習には最適かも。
そして英語版、音声CD、日本語版と三点セットとなりました。

英語のタイトルを見ると、邦題は違和感がありますね。

お偉いさんは、誰かの話の引用が得意です。この方は「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」、「 双子の赤字」などを披露していました。
わたしは、その後の経験も含めて、自分の経験以上のものはないと思っています。スポーツコーチが有名選手のまねを選手に教えますか?所詮引用は引用です。かの松下幸之助さんは、本を読まなかったと読んだ記憶があります。なぜか、それは、しょせん他人の知識でしょ。私の経験や知識ではありません。というのが理由です。
スポーツ選手は自分の能力以上のものは出せません。それを多くの知識人は経験があるかどうかはわかりませんが、ビジネス書で語ります。
わたしが感動したのは「吉田晴乃」さんが言われた「上司に評価を下げられた時、あなたはどうするのが良いのか」という記事でした。この方は亡くなられました。決して否定はしませんが、誰かの言葉を自分流に翻訳して披露することはやめたほうが良いと思います。ただ一言「おもしろいよ」だけで良いのです。残念ながらネットで売却してしまいました。1000円程で。
写真は残しています。そして懐かしく若かりし頃を思い出させてくれます。
ありがとう。

第3章「第1次中古本沼、いかに処分したのか」
第1次収集沼で集めた中古本は約1500冊。800冊は引き取り業者に依頼。なぜ800冊かと言うと箱がなかったのだ。残りの700冊はゴミに出してしまい、20冊程が新たな引っ越し先へと移動した。800冊でダンボール箱が30箱ほどだったか、業者さんは怒っていた。こんなにあるのなら前もって言ってくださいと言われた。後日振り込まれた、その買取お値段2800円程。購入金額は恐らく20万円はくだらないだろう。とほほの結末である。
後日、図書館にも寄贈と思い、訪ねたこともあるが、断られている。
金額については、後悔はない、自分の責任だからだ。ただ悲しいのが、読まずに処分したことだ。これでは本に申し訳ない。その20年前と同じ過ちを、このコロナの2年間で行っているのだから、つくづく学習能力がないと言わざるを得ない。バカです。
実は、この1500冊をなぜこんなに簡単に処分したかと言うと、10数年前にこれらの本を一人で荷造りして、わたしの単身赴任先へと送った妻に対してお詫びの気持ちがあった。再度、引っ越しすることになりこの1500冊を荷造りして再度持ち出すことは躊躇われたし、どこか諦めている自分もいた。そして畳に並べて記念撮影をして送り出した。もっと並べて撮影したかったが、脚立の上からカメラを構えたが、レンズの画角の関係で入らないのだ。

第4章「思いで深い本」
この写真の本も古い本だ、この2冊は処分してしまったが読んでおくべきだったと後悔している。
画像も豊富で、歴史の勉強、そしてアメリカから見た真珠湾攻撃が描かれているのだろう。読んでいないので、わからないのがつらい。
英語で音感の話を少ししたが、音楽を聴くのは好きだ。特にピアノは良い。
鍵盤を押す、この動作であれほど音色も情感も弾きてによる変化する。
押せば同じ音が出るが、まったく別物になる。そこが深く感じる。
宮下奈都さんの小説『羊と鋼の森』では、ピアノの音色の違いが、物語とともに詳しく語られている。ますますピアノが好きになった。
音感もないのに好きだなんて、なんだか悲しくなるが。

音楽の歴史、興味深い本だ。

もう少し思い出多い本の話をさせて欲しい。
この本は「ジ・オレンジガール」とシンガポールの書店で購入したハリーポッターだ。ハリーが大人気となり、シンガポールに行った際、記念にと購入した。英語版オレンジガールは成田の免税店で購入して機内で6時間程格闘したが10頁も行かず、帰国後日本語版で完読した。情けないですね。

オレンジガールがおもしろかったなぁ。ハリーは映画で見た。
これらも全て処分してしまいました。

もう一冊ある。売ろうとして売れず、処分も出来ず、もう20年も家にある本だ。偶然大阪の中古本屋で手に取り、買って帰った。400円ぐらいだったと思う。もちろん手元にある、本棚に鎮座している。定価は3300円。

歯科辞典、日英独だ。こんな本ってけっこう無いので、忍びなく手元にあります。

第5章「第2次、中古本収集沼へ突入」
さて、現住所へ引っ越しをして3年。第一次収集沼から15年ほどがたった。中古本屋で10冊程を購入しては処分を繰り返して、読書量を増やしていましたが、え~い、この際おもしろい本を全て買ってやれ~となったきっかけはコロナだと思っている。
何しろ片っ端から買うからスピードも速い、あっという間に家中に本が積まれる状態になり、その結果、家族が本ダニに刺されたのだ。黙認してくれた家族もプンプンだ。収集沼まっさかり状態のわたしはレンタルルームを借りることにした。
その費用は月に15000円。まさしく本末転倒の事件だ。
レンタル―ルを借りて1年、さすがに私も目が覚めた。一日に一冊読んでも年間300冊ほど、3年はかかる。そこで、これは読まなそうと思う本を処分することにした。

処分するので、積み上げた本。バカさの極みを感じている。
レンタルルームの前で撮影。

今は処分にとりかかっている途中。今いる住居はあと数年で越すことになるだろう。長くて4年。時間は限られている。今はレンタルルームにしまっている袋詰めの本を開いては処分する本、とりあえず読んでみる本とに分けている。当然読み始めても、感覚に合わず数ページを開いて処分する本もある。
悲しい話とは少し離れるが、購入が増えるといろいろな面白い本にも出合う。そんな本たちの話を少し。
これはサイン本。どこの中古本屋さんにいってもある本だ。ネットで売却してしまった。1000円。

わたしには合わなかった。数ページでダウン。

このぐらい本を買うと、本の栞も出てくる出てくる。
お気に入りは一番上のクリップタイプと左透かしが入っているのと、それに「空の境界」だ。空の境界は面白かった。私のベスト10に入る。

栞は捨てられずに箱に入れている。
中には大学の履修科目用紙もあった。

なんだかんだでたくさんの中古本があるが、一番厚い本のご紹介。
厚さは5cmだ。

ただ厚さがすごくて購入した。
左の写真にある沁み見たいのは模様。なんだかわからないのだ。

第2次収集沼からネットでも購入している。ネットは現物が見えないから本の傷みや汚れが見えない。なかにはこんな本が届くこともある。

カビ、黄ばみ、残念だが処分した。

わたしは、体が元気なうちに数か国回ってきたいと思い、この3月、
正確には2023年3月にヘルシンキ、ドーハ、タイ、香港と行く予定をしてチケット手配したが、香港では入境出来ないことがわかり(2022年時点)キャンセルした。香港ではキャセイパシフィックのラウンジが有名だが、そこの担々麵を食べたかったのだ。それだけと言えばそれだけだが、入境できずに空港内に48時間も居るのはつら過ぎるのでキャンセルしたのだ。下調べが足りなかったことを後悔している。そして、その海外渡航の準備のため、
こんな本も購入した。

少しぼかしを入れています。

この第2次収集沼では、なかなか手に入らないエンタメ小説をじっと待って購入もしている。江波光則さんの樹木葬もそうだが、いまだ購入にいたっていない。このシリーズの鳥葬、密葬は購入済みだ。それからこの写真「死んだ女は歩かない」123だ。1はすぐに出会えたが、23がなかなか無い、
入荷登録をして1年程待った。さらに出て来ると続くもので、さらに123を重複して購入出来た。計6冊持っている。いつか読むぞ。

作家さんが亡くなって、続編が出ないシリーズもある。
永井するみさんの作品。「カカオ…の夏」と「レッド…の秋」だ。
たぶんだけど、冬 も 春 も出たんだろうと思うと切ない。
恥ずかしいけど、未読。永井さんごめんなさい。

永井するみさんの作品は他にも集めている。

第6章「印象に残った小説の話(本の内容ではないよ)」
これだけエンタメ小説を集めていると、好きな表紙ときらいな表紙、本の内容に合わない表紙も感じることもある。最近のラノベはイラストレーターの作品が多いが、表紙が幼稚すぎて、もっとおとなっぽくしてよとおもわなくもないが、こればかりは、こんな親父が読んでいることが想像できないことかもしれない。そんななかこの表紙は気に入っている。単行本と文庫版と2冊所有している。
作家さんによると、出来るだけ蓮っ葉な女の子のモデルさんを選んだとか。
(蓮っ葉なんてすみません、そんな言い回しだった記憶があります)

この表紙以外にも文庫には画像が載っている。

こんな本にも出合えた。
左の「夜間飛行」は傑作。おもしろい、飛行機の中でのショータイムと思うが、あり得ない設定とシーンに想像をかきたてられる。右は読まずに処分してしまった。

夜間飛行は香水の話かと勘違いして購入したのだが…

単行本と文庫というちぐはぐな収集となった。
中古本は出会い的な要素もあるので、あるあるです。

内容はちと浅いかなぁ。もちろんわたしの感覚ですよ。

今、中古本はネットで購入して店舗での引き取りも可能なので、送料がかからない。便利になった。

上段のNARA…は奈良美智さんの作品、主要作品は集めた。

奈良美智さんという人。独特の女の子の絵が気に入り、出版済み書籍を探した。主要な書籍は購入できたと思う。いまはレンタルルームに眠っている。

こうやって書きだすと、思いではつきない、改題したのが分からず、同じ本を購入してみたり、重複購入なんて日常茶飯事。そんなこんなで私は購入手控えをワードで作成している。10ページほどにまとめている。

左は購入済み例、右は未購入リスト

いよいよ、わたしの中古本沼も終盤としましょう。
処分してしまった本には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
そんなとき、この「…… 沼」投稿企画があり、感謝を申し上げます。
少しは処分してしまった本たちを思い出すことが出来ました。
ありがとうございました。


#ハマった沼を語らせて


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